LITALICOワークスとは
人との関わりは、自分の成長につながると思っています。ノンフィクションの映画やドキュメンタリードラマを観る度に「こんな考え方があるのか」「こんな選択肢があるんだ」と刺激を受けたり、学んだりすることができます。困りごとのある方を支援しながら、直接人に関わることができる今の場所は、自分の成長に繋がっていると考えています。人から多くのことを教えてもらい、その学びをいかして誰かに影響を与えられるような人になりたいと思っています。
福祉に出会う前から、人に興味を持っていました。10代後半から20代前半にかけて、舞台芸術やアート活動をしていました。他者を演じたり、心の内にある気持ちを言葉にしたりして作品を発表していました。その頃、より多くの人に出会い関わることができる仕事があると、知人に紹介されたのが福祉の仕事でした。LITALICOに入社する以前は、知的障害のある方の所へのボランティア、児童養護施設、高齢者施設に勤めました。福祉や福祉業界を理解するために、色々な福祉事業所を回り見識を広げていきました。
そうする内に、自分の中で「自然体の福祉がある地域をつくりたい」「社会を変えたい」という思いが生まれました。しかしながら福祉で支援をするだけでも大変な仕事です。それよりも大きな社会を変えるのは並々ならない力がいると感じている時にLITALIOを知り、興味を持ちました。「世界を変える」を掲げるLITALICOに自分のビジョンが共鳴しました。 働きたい障害のある方が、就職に必要なスキルや知識を身につけることは大切です。雇用する企業が、合理的配慮に基づいた環境づくりをすることも大切です。障害のある方が住まう地域が、障害を理解し自然体であることも同じくらい大切だと思っています。働きやすい会社、住みやすい地域の双方があってこそ「より良い生活」だと考えます。
ある利用者さんが、ご姉弟と2人暮らしをされていました。その方は気分がとても不安定だった時期で、ご家族とは一緒に住むことが難しく、離れて暮らしていました。一緒に住まわれていたご姉弟は、他者との関係をきづくことが難しく、疲弊されることもしばしばあったそうです。その方は、LITALICOワークスでプログラムを行っていく中で少しずつ気持ちをコントロールできるようになり、ついに就職されました。就職された後は、ご家族一緒に住まわれているそうです。その後、ご姉弟から「本人と父が、数年ぶりに会話をしているのを見て嬉しかった」とご報告をいただきました。利用中にご姉弟からの相談の中で「いつか家族に戻りたい」と言われていたことを思い出し、その方の就職だけでなく、人生に残る体験をLITALICOワークスで提供することができたことがとても印象的でした。
LITALICOワークスは、働くことと同じくらい大切な価値を生み出す場所だと思います。ご家族との絆や、社会との関わり方、良い変化が起きるきっかけを見つけることが、人と人との間にある可能性を広げることではないでしょうか。利用者さんが変わったことで、そのご家族に大きな変化があったように、何か1つが好転することで、その周囲にも良い影響が生じるのだと。
ただし、きっかけをつくることは簡単なことではないとも思っています。例えば、企業にLITALICOワークスのサービスを知っていただくためにお話をしに行くと「就労支援は知っているから結構」と取り合っていただけない時もあります。そういった際、考えをまとめて出直し、再度話す機会をいただけるようお願いします。会って話を聞いてもらう、まずはそこからだと思っています。そうやってつくった機会から、実習先開拓につながったこともあります。まずは1歩、だめならもう1歩。自分はこうと決めたら気が済むまでやる性格なので。
スタッフの1日
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8:30出勤、スタッフMTG
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9:00全体朝礼、生活行動管理表や日報の確認
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9:30プログラム開始
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10:00インテークや面談
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12:00昼休憩
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13:00プログラム開始
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13:30インテークや面談
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15:30スタッフ間で1日の振り返り
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16:00ケース会議
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17:30退社
LITALICOワークス尼崎は、互いのアイデアや意見を出し合うことができます。悩んでいるスタッフを気にかける優しさもあります。各々がやりたい・チャレンジしたいことを応援する文化がある場所です。地域の方が気軽に立ち寄れる、風通しのいい事業所にしたいです。高齢者施設で働いていた時、地域の人がよく遊びに来てくれていました。あんな感じがいいなあと。
これまでにお世話になった企業や福祉関係機関の方に、ファンカードというものをお渡ししています。築いた絆をメッセージカードという見えるものにし、互いを応援する気持ちを伝えるためのものです。今は企業や福祉関係機関の方との交流が多いのですが、ボーダーレスに絆をつくっていきたいと思っています。
障害や福祉を知らないということが、人と人の間にある障害なんじゃないかと考えます。
障害者雇用に興味のある企業へのアプローチ以外にも、地域の個人商店——例えば八百屋や美容室など——へLITALICOワークスのしていることを理解してもらうことで、その地域の雇用のあり方までもが変わるかもしれない。「知らない」という壁を取り払った先に、障害のない社会がある、と信じています。
※掲載内容(所属や役割など)はインタビュー当時のものです。