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お役立ち仕事コラム

愛着障害とは?大人の愛着障害や特徴・対処法についても解説

更新日:2022/05/25

愛着障害は医学的な定義においては「子どもに見られる症状」とされていますが、大人※になってから悩んでいる方もたくさんいらっしゃいます。

 

※ここでは、18歳以上の方を大人として扱います。

 

今回は「愛着障害の可能性があるものの、いまひとつ定義や症状がわからない」「愛着障害への対処法が知りたい」という方へ向けて、愛着障害についてご説明します。

 

愛着障害がある大人の場合、仕事などの社会生活の面で問題が起こり、うつ病や不安障害などの二次障害を引き起こす可能性もゼロではありません。

 

そのため、少しでも「愛着障害かもしれない」と感じたら、早めに専門の医療機関等へ相談しましょう。

愛着障害とは?

愛着障害とは、なにかしらの理由によって、養育者との心理的な結びつきが上手く作れないことが原因で、対人関係などのトラブルが生じる状態のことを表します。

 

養育者とは両親などの、身の回りの世話をして育ててくれる人のことです。

愛着(アタッチメント)について

愛着(アタッチメント)とは「養育者など特定の人との情緒的な絆」を表す言葉です。

 

例えば、赤ちゃんの頃は空腹を感じたり、不安を感じたりしたときは、泣くことで気持ちを表現します。

 

このとき、養育者は赤ちゃんの元へ足を運び、その要因を取り除きます。

 

上記のような声掛けや触れあいなどのコミュニケーションを通して、子どもは自身の養育者が誰なのか、3ヶ月を過ぎる頃には理解するようになります。

 

このタイミングが愛情形成における第一歩です。

 

そして、子どもは、養育者との愛着を通して、人への信頼を感じたり、心理的な安心感を得たりします。

 

本来、愛着の形成はおおよそ生後6ヶ月~1歳半までが大切な時期と言われています。

 

そのため、この時期に養育者から引き離されてしまうなど、なんらかの出来事があった場合、愛着の形成において問題が生じやすくなる可能性があります。

大人の愛着障害とは?

基本的に愛着障害は幼少期の子供に見られるものとして研究が進められています。

 

そのため、大人になってから医療機関で愛着障害と診断される場合は稀です。

 

しかし大人で「愛着障害かもしれない」と悩んでいる方もいらっしゃいます。

 

実際、子どもの頃に愛着障害の症状に気が付かず、症状が改善されないまま成長した場合「大人の愛着障害」と呼ばれることがあります。

 

ただし、子どもの愛着障害と同じように、発達障害などと間違われることもあります。

愛着障害の原因とは?

子どもが愛着障害になる原因としては、養育者とのコミュニケーションの行き違いや、心身に負担のかかる環境で育つことで愛着障害の症状が出やすくなる可能性があるといわれています。

愛着障害の定義

まず、一般的によく知られている愛着障害は、前の項目でご紹介した通り「幼少期に養育者との愛着が上手く形成されなかったことによって問題が生じる状態」を指します。

 

しかし「愛着障害」という言葉は心理学用語のため、正確には病気の症状名ではありません。

 

一方、限定的ではありますが、医学的に愛着障害と呼ばれるものがあります。

 

医学的な愛着障害は子どもが対象とされており、5歳以前に発症すると報告されています。

 

具体的には「反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)」と「脱抑制性型対人交流障害」と呼ばれています。

 

それぞれ、WHOの診断ガイドラインである「ICD-10」と、アメリカ精神医学会の診断と統計マニュアル「DSM-5」によって診断基準が定められています。

 

どのような特徴があてはまるのか、次の項目にてご紹介します。

愛着障害の特徴

愛着障害のある人にはどのような特徴が見られるのか、子どもと大人にわけて解説します

子どもの愛着障害の特徴

まず、愛着障害のある子どもに共通して見られる特徴としては下記が挙げられます。

  • 髪の毛を抜いたり、爪を噛むなどの自傷行為
  • 他人に危害を加える他害行為
  • 大人を試すような行動をとる
  • あまり眠れない
  • 食事をしっかり食べない
  • 理由なしに嘘を吐く
  • 体調不良になりやすい など

また、「反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)」と「脱抑制性型対人交流障害」のどちらにあてはまるかによって、表れる特徴が異なります。

反応性アタッチメント障害(反応性愛着障害)

子どもの愛着障害のなかでも、反応性アタッチメント障害がある場合、他人を必要以上に警戒する傾向があります。

 

また、周囲に対して無関心で、まわりを気にせず一人でもくもくと遊びます。

 

具体的に見られる特徴としては、下記が挙げられます。

  • 喜びや悲しみを表現しない
  • 自己評価が低い
  • 他の子供と交流をしない
  • 人の言葉に傷つきやすい
  • 人を避けるような行動をとる
  • ちょっとした出来事で落ち込む など

社会的交流があまりないという特徴は、自閉スペクトラム症(ASD)とも似ているため、診断が難しいことがあります。

脱抑制性型対人交流障害

脱抑制性型対人交流障害の症状は、反応性アタッチメント障害とは大きく異なります。

 

脱抑制性型対人交流障害のある子どもは、見知らぬ人や、あまり会うことがない人に対して必要以上に接触しようとします。

 

また、周囲の気を引くために大袈裟な行動をとることがある一方、協調性がなく、他人と一緒に行動できないなど、コミュニケーション面にちぐはぐさが見られます。

 

具体的には、下記のような行動が挙げられます。

  • 見知らぬ大人についていこうとする
  • 誰にでもしがみつこうとする
  • 落ち着きがない
  • 過剰にわがままな言動をとる
  • 謝罪することができない
  • すぐに嘘をつく など

なかには、暴力的かつ衝動的なふるまいを見せこともあります。

 

間違われやすい障害としては、注意欠如・多動症(ADHD)が挙げられます。

大人の愛着障害の特徴

子どもの頃の愛着障害に気が付かず大人になった場合、日常生活や仕事において、困難や苦しさ・ストレスを感じる場合が見られます。

 

まずは、愛着障害がある大人に見られる特徴をいくつかご紹介します。

情緒面における特徴

情緒面においては、主に感情や考え方に下記のような特徴が挙げられます。

  • 怒りを上手くコントロールできない
  • 思考が100か0になりやすい
  • 過去に捉われてしまう など

例えば、周囲の人のなにげない言葉へ過剰な反応を示してしまうことがあります。

 

また、物事を「ありかなしか」「好きか嫌いか」などと極端に判断してしまい、柔軟な考え方ができない場合も見られることがあります。

対人関係における特徴

愛着障害があると、対人関係の面でトラブルを抱えやすいことがあります。

 

具体的には、下記のような特徴が原因となり、コミュニケーション等で困難や辛さを感じる可能性があります。

  • 極端に人の顔色をうかがう
  • ほどよい距離感がわからない
  • 養育者のことを恨んでしまう
  • パートナーと情緒的な関係を築くことが困難に感じる
  • 親の期待に応えられないときに必要以上に自分を責める など

愛着障害の症状が大人になっても続いていると、パートナーや自分の子どもをどのように愛せばいいのかわからないという問題が出てくる人もいらっしゃいます。

アイデンティティの確立における特徴

愛着障害があると、アイデンティティの確立(自分が何者であるのか知ること)が上手くいかない可能性があります。

 

例えば、下記のような特徴が見られます。

  • 自分自身で決断できない
  • 選択に対する満足度が低い
  • 自身に対して否定的になる

大人になると、子どもの頃とは異なり、自身で考え、選択する場面が出てくるでしょう。

 

例えば、学校の進路や就職先の選択などです。

 

愛着障害があると自尊心や自己肯定感が低いために、上記のような場面で自分を信じられず必要以上に落ち込むことも考えられます。

大人の愛着障害と間違われやすい障害

大人の愛着障害と間違われやすい他の障害には「発達障害」や「パーソナリティ障害」が挙げられます。

 

人との関係性が近すぎたり遠すぎたりする点は発達障害、感情をコントロールできない点はパーソナリティ障害にも似ていると言われています。

愛着障害の可能性があると感じた場合は?

愛着障害かもしれないと思ったら、早めに精神科や心療内科、カウンセリング機関などへ相談することが大切です。

 

診断を受けた結果「発達障害や精神疾患だった」「二次障害を発症していた」と判明することもあります。

 

愛着障害そのものは、子どもの頃の環境が大きな原因となっているため、薬物療法や認知療法などの治療法で治していくものではありません。

 

しかし、うつ病や適応障害などの二次障害がある場合は、症状に合った治療法を受けることができます。

 

治療が遅れることで、症状が悪化することもあるため注意が必要です。

大人になって愛着形成に不安を感じたときの対処法

この項目では、大人になって愛着形成に不安を感じた際の対処法についてご紹介します。

 

それぞれ、順番に解説していきます。

こころの拠り所をつくる

愛着障害を克服するためには心を落ち着かせられる場所が必要不可欠です。

 

こころの拠り所とは、精神的ストレスなどが溜まり疲れた際に、安心して休める「環境」のことを指します。

 

具体的には、ありのままの自分でいられる場所や、なんでも話せる人などです。

 

人によっては好みの本や音楽の世界が心を落ち着かせられる場所になることもあります。

困りごとを整理する

正しく対処するためには「自身がどのような場面で困るのか?」や「トラブルの背景にはどのような要因があるのか?」整理することが大切です。

 

わかりやすく整理するほど、状況に合わせた対処がとりやすくなります。

 

また、カウンセリングのときに自分の気持ちを伝えやすくなる利点も得られるでしょう。

無理に関わろうとしない

愛着障害があると、他人の目が気にすることや被害妄想が生まれたり、周囲の人へ必要以上にへりくだる態度をとったりすることがあります。

 

しかし、上記の行動は人への苦手意識が深まる原因にもなり得ます。

 

もし「付き合うのが辛い」「距離感が掴めない」と思ったら、無理をして関わろうとせず、最低限のやりとりで済ます方法を検討しましょう。

 

仕事上では、ほどよく割り切ってお付き合いをすることで、肩の力が抜けて上手くいく可能性もあるかもしれません。

話せないときは聞き役に徹する

仕事をしていると、ふとしたタイミングで雑談などの交流が生まれることがあります。

 

上手く話せないと思ったら、聞き役に徹してやり過ごす方法もあります。

 

周囲がテンポよく会話をしているからと言って「自分もなにか発言をしなくてはいけない」と思う必要はありません。

 

昔から「聞き上手」という言葉があるくらいです。

 

そのため、発言をしたくないときは、相槌を打ちながら相手の話を聞くようにしてみましょう。

愛着障害のまとめ

愛着障害は、医学的には「子どもの障害」ですが、大人になってから悩む人もいます。

 

愛着障害は、適切な対処をすることで克服へと近づくことはできます。

 

うつ病などの二次障害を防ぎ、症状へ対処するためにも、まずは専門機関へ相談するようにしましょう。

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更新日:2022/05/25 公開日:2022/02/18

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