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障害のある方の就職事例

不安障害、パニック障害(精神障害)の仕事・就職事例 -物流・ピッキング-

不安障害、パニック障害(精神障害)の仕事・就職事例 -物流・ピッキング-

初めての就職、不安を自信に変えて

男性/20代/物流/ピッキング

不安障害・パニック障害・強迫性障害(精神障害)

思春期の強い不安や恐怖に悩まされ・・・

Oさんは思春期のころから、「不安障害」と「対人恐怖症」に悩まされてきました。

不安障害とは、自分の置かれている状況や、身の周りの出来事に対して過剰な不安が慢性的に見られる精神障害です。不安障害には「パニック障害」「社会不安障害(SAD)」「強迫性障害」「心的外傷後ストレス障害(PTSD)」などが含まれます。Oさんの場合は不安が数日間にわたって続くときなどに、激しいめまいや動悸などパニック発作に襲われることがあったそうです。

対人恐怖症は、大勢の前に出たり、初対面の人と二人きりになったりすると過度に緊張してしまい、手足の震えや発汗などの症状が見られる神経症です。Oさんの場合は、緊張が高じてくると、うまくしゃべれなくなり、ひどいときには声がまったく出せなくなるということもありました。

今となって振り返れば大学進学に向けての受験勉強で、「志望校に無事合格できるだろうか?」という不安や「もし受験に失敗したらどうしよう?」という恐怖が、Oさんをひどく消耗させてしまったのかもしれません。

Oさんは、大学受験の緊張感にはとても耐えられそうにないと進学を断念しました。また就職するにしても、職場で見知らぬ人たちといっしょに働くことに強い不安を感じていたため、高校卒業後は地域の若者向け就労支援施設である地域若者サポートステーションを利用し、就職に向けてゆっくり心身のコンディションを整えることにしました。

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緊張を和らげる小さな一歩が就職活動への大きな一歩に

地域若者サポートステーションからLITALICOワークスの就労支援を紹介され、利用を開始したOさん。

「緊張しそうになったら、ふっと肩の力を抜く」「自分が安心できるアイテム(香りや手触りなど)を持つ」「不安になりそうになったら、深呼吸する」など、自分に合った緊張緩和法を少しずつ模索していきました。また、スタッフやほかの利用者さんたちと関わりを持つことで、対人恐怖も少しずつ軽減されていきました。

Oさんは、もともと手先が器用で作業スキルの高い人です。他人に対する気づかいも行き届いており、相手の立場・気持ちになって考えることができます。ひょっとして、周囲に対して気を使いすぎることが過度な緊張を引き起こす原因ではないか、と思われるふしもありました。

Oさんと話し合いながら、SST(ソーシャルスキルトレーニング)などのカリキュラムや面談を通じて「何事も完璧でなくていい」「ほかの人はあなたのことを悪くなんか思っていない」ということを、感覚的につかめるよう支援していきました。

そしてOさんは「就職活動をしたい」という前向きな気持ちが持てるようになり、求人に積極的に応募するようになったのです。

初めての就職。自分を過小評価するクセを修正

何度か不採用が続いたものの、Oさんはくじけることなく求人を探して応募を続け、ついに希望の職種で雇用が決まりました。勤務開始後は、初めての就職・初めての社会人経験ということで不安が高まり、何度かパニックになりそうなこともありました。スタッフに「どうしたらいいかわからない」「できない」と訴えることがありました。

そこで、スタッフは企業の担当者と綿密に連絡を取り合い、面談にも同席しました。

Oさんは自分を過小評価する傾向があるので、「周囲の評価はそれよりもずっと高い」ということを何度も説明し、少しずつ認識のズレを修正していきました。こうしてOさんは職場に無事定着することができたのです。

不安を自信に変えて

Oさんは言います。

「いまも、時々壁にぶつかると不安を感じることはあります。でも、職場の仲間と話をしていると、それは誰でも同じなんだ、自分だけが不安なわけじゃないんだということがわかってきました」

最近はすっかり職場にも慣れて、責任のある仕事を任されるようになったOさん。責任は信頼の証しです。「壁を克服できた」という成功体験の積み重ねが自信になり、「次の壁だって乗り越えられるさ」と思えるようになったといいます。

今も多少は気分の波があり、不安を感じることもあるというOさん。しかし、そういうときはひとりで思い悩むのではなく、職場の上司や同僚に自分から相談できるような人間関係も構築できました。

「壁を越えられなかったらどうしようと思うから、怖くなるんですね。それで、怖い、怖いと思っているうちに息が苦しくなって、手が震えてくる。『壁にぶつかった』と思ったら、まず一歩引いて、深呼吸をして、『さて、どうやって乗り越えようか?』ということに意識を向けることで、かなりの確率で不安を抑えられるようになってきました」

Oさんは話しぶりに社会人らしい余裕や自信が見られるようになってきました。今後も、きっと頼もしい社会人として活躍されることだろうと思います。

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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