肢体不自由(身体障害)の仕事・就職事例 -アパレル・データ入力-
介護と両立しやすい仕事
女性/30代/アパレル/データ入力
肢体不自由(身体障害)
高いスキルをいかしたいのに、見つからない就職先
障害のある方々が、日ごろ培ってきた能力を発揮し、競い合う大会があるのをご存知でしょうか?
その名も、全国障害者技能競技大会、通称「アビリンピック」です。全国の事業主や市民一般の方々に、障害のある方々の職業能力についての理解と関心を深めてもらうことを目的として、各地で開催されるようになりました。
そのアビリンピックのCAD(コンピュータ支援設計)部門で優秀な成績をおさめたことのあるOさん。
CAD部門は、2D/3D CADツール(AutoCAD)を使用して機械図面を作製する競技になります。指示事項を正確に把握したり、正しい図形を描いたりすることはもちろん、CAD機能を駆使しながら時間内に完成させるスピードも重要です。
当初Oさんは、その高いスキルをいかせる建設業で働きたいと考えていました。しかし、技術が高くとも社会人経験が少ないためなのか、なかなか就職が決まらないと悩む日々を送っていました。
また、同居している祖母の介護もありました。急な欠勤への配慮してもらえる仕事を探しており、条件の厳しさから、なかなか就職先の候補が見つけられずにいました。
「1人で就職活動をするのも、そろそろ限界かもしれない」と、就労移行支援を探す中で、LITALICOワークスを見つけ、利用することになりました。
偶然出会ったデータ入力業務
就労移行支援の利用開始後も、Oさんの希望に沿って求人を選定してみましたが、なかなか良い求人が見つかりません。時間だけが過ぎ、スタッフもOさんも、焦りが募ってきていました。そんな時、LITALICOワークスが開拓した在宅でのデータ入力業務の求人情報を耳にしました。
望んでいるCADの仕事ではないけれど、少なくとも介護と両立できる仕事です。スタッフは、希望にあった求人ではないことを承知のうえで、Oさんに提案してみました。
Oさんは3日間悩んだ末、「とりあえず面接だけでも……」と、求人に応募してみることになりました。
面接では、看病のための急な休みにも配慮いただけることを確認しました。
「CADの仕事ではないけれど、入力の正確さやその速度の素晴らしさをいかしてほしい」
企業からそう言われ、採用が決定しました。
未練と悩みから、自分らしいライフスタイルへ
就職して1ヶ月ほど、OさんはやはりCADの仕事に未練があったそうです。
「自分の選択が正しかったのか、やはり悩みました。自分でいうのも変ですが、こんなに高い技術があるのに、もったいなくないかなって」
そう語るOさんですが、実際には介護と両立しやすい仕事であることを実感。通勤の不便さもないことから、その悩みも少しずつ軽減してきたといいます。
「私にはCADしかないと思っていました。でも、それに伴う能力の方を買ってもらえて、それがすごくやりがいにつながっています。祖母の介護とも両立できて、働きやすさに不満はありません」
今では、生活に支障のない範囲でデータ入力以外の仕事も任されるようになり、自分らしいライフスタイルを確立しつつあります。
※プライバシー保護のため、一部の文章について事実を再構成しております。
※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。