うつ病(精神障害)の仕事・就職事例 -品出し・接客-
感謝の気持ちを忘れずに働き続けたい
女性/50代/品出し・接客
うつ病(精神障害)
就労移行支援事業所LITALICOワークス那須塩原を利用して就職したTさん。
2014年12月から小売・スーパーで品出し・接客の仕事をしています。
就労移行支援事業所LITALICOワークスに出会うまで
前の職場で働いていたときに、ちょっとしたきっかけから会社に行けなくなり、その後20年間ほど自宅に引きこもっていました。ずっと体調が悪く、十分な食事もできませんでした。外に出るとお腹が痛くなり、歩くこともできませんでした。
当時は精神障害やうつ病についてあまり知られていなかったこともあり、病院に行っても「何も異常はありません。気のせいじゃないですか?」などと言われていましたね。そんな状況で5年間病院を転々としたあと、保健センターに相談。そこで初めて精神科を紹介してもらうことができました。
最初の頃は自宅まで来てもらって診療を受けていましたが、主治医の先生が変わり、クリニックまで通うようになりました。通院にも慣れ、体調も少しずつ安定してきた頃に、先生から「何かやりたいことはある?」と聞かれました。「パソコンをやってみたい」と話したところ、先生は私が就職することも見据えて、パソコン教室ではなく、LITALICOワークスを紹介してくれました。
就労移行支援事業所LITALICOワークスでの思い出
思い出はたくさんありますが、私にとって特に大きな変化につながったのは、LITALICOワークスの運営会社「株式会社LITALICO」東京本社での企業インターンに参加したことです。企業インターンに申し込んだ頃は、少しずつ外出できるようになっていましたが、公共交通機関には怖くて乗れない状態でした。でも、思い切って参加を決めました。インターンに参加するためには、絶対に電車に乗らなくてはいけません。公共交通機関に乗るのは20年ぶりですので、まずは練習として自宅からLITALICOワークスまでバスで行ってみることに。スタッフに「一緒に来てください」とお願いしていたほど不安が強かったですね。
しかし、スタッフと一緒にバスに乗る練習をする前日、試しにバスに乗ってみたところ、なんと1人で乗ることができたのです。自分でもびっくりしました。スタッフも本当に喜んでくれましたね。その後、東京本社の企業インターンに無事参加することができました。さらに、インターンを通じて働くことへの自信も身につきました。この頃から、私自身大きく変化したように思います。今まで行きたかったライブも、チケットを取ってしまえば頑張れるのではないかと思えるようになりました。チケットを取ってライブに行ったところ、今まで人が多い場所が怖かった私が、気付いたら会場で踊っていたんです。今までの自分では考えられないくらい、一気に色々なことに挑戦できるようになりましたね。
就労移行支援事業所LITALICOワークスのここが役立った
就職に向けたプログラムはもちろん学ぶことが多く今でも役立っていますが、それ以上に、プログラム以外の部分で、人として大切なことを教えてもらったと思っています。
LITALICOワークスに通ってから、人に感謝するということを覚えましたね。対人関係の悩みがでてきたときに、スタッフが本当に親身に相談に乗ってくれたことは、今でも深く心に残っています。人に感謝するようになってから、性格もより明るく前向きになり、笑顔も増え、人と接することが好きだと思うようになりました。就職についてあまり具体的に考えることができなかった私が本気で就職を目指すようになったのは、LITALICOワークスへの感謝からはじまっています。LITALICOワークスに何か恩返しができないかと考えたときに、やはり就職するしかないと強く思いましたね。就職のためのプログラムだけをやっていたら、多分私はここまで変われなかったと思います。それ以外の部分で、スタッフに対して「すごいな」とか「ありがたいな」と思うことがたくさんあったからこそ、ここまでこられたのだと思っています。スタッフや利用者さんなど多くの方々から、いい影響をたくさん受けることができました。
現在の仕事内容とやりがい
スーパーで野菜のカット、袋詰め、品出し、陳列などの業務をおこなっています。
お客さまが私の顔や名前を覚えてくれたときは、とてもうれしいですね。少しずつ顔なじみのお客さまも増えました。私が品出しをしていると「Tさん、それ何ですか?」とお客さまから話しかけてくれることもあります。「これ、栄養あるんですよ!」などと話すと、「じゃあ、買っていこうかな!」と言って本当に買ってくれたりします。人と話すことが好きなので、この仕事はとても楽しいです。
就職を目指している方にメッセージはありますか?
LITALICOワークスで学んだことはすべて役に立つので、しっかりと話を聞くといいと思います。日々のプログラムをはじめ、レクリエーション活動、日常生活でのコミュニケーションも、働く上でいつか必ず役に立ちます。職場で嫌なことがあったときなど、スタッフから過去にもらったアドバイスを今でもよく思い出します。LITALICOワークスで学んだからできるんだなと思うこともたくさんありますよ。
あとは、感謝の気持ちをもつことですね。やってもらって当たり前、なんてことはありません。人に対して常に感謝の気持ちをもっていたら、自然と就職に近づけると思います。
※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。