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障害のある方の就職事例

ADHD(発達障害)のある方の就職事例を紹介|メーカー事務職で働く20代男性

ADHD(発達障害)のある方の就職事例を紹介|メーカー事務職で働く20代男性

ADHDが生きづらさの原因?!適職に出会うまで

男性/20代/メーカー/事務職

ADHD(発達障害)

ADHDの特性?コミュニケーションがうまくいかず、長続きしない仕事

高校3年生の時に就職先が決まり、卒業前からアルバイトとして働いていたTさん。不慮の事故により引きこもりになりました。1年くらい引きこもった後、働かなければと思い直しアルバイトをいくつか経験しました。しかしどの仕事も3ヶ月も続かず「なんでこんなにダメなんだろう……」と生きづらさを感じていました。

 

続かない理由はコミュニケーションがうまくいかないことーー本当は50歳の方が自称25歳と言っていたことをずっと信じて冗談が通じないことや相手を怒らせること、不適切な発言が多かったのですが、何が原因かはわからない状態だったそうです。

 

次こそちゃんと働きたいと思い、実家を離れ社員寮がある企業へ就職。研修の3ヶ月間は何事もなく充実していて楽しい日々を過ごしていましたが、現場配属になってから気分が急下降……周りの人とコミュニケーションが重要な業務でしたが、苦手意識が日増しに強くなっていきました。業務外でも寮では4人部屋のため常に気遣いが必要で、プライベートな時間や空間が一切なく、息が詰まる思いをしていました。

ADHDと診断、生きづらさの原因判明

その後もうつ状態が続いていたため精神科へ行くとADHDとの診断されたTさん。今までの生きづらさの原因がはっきりし、救われた気持ちになりました。ADHDについて調べると「空気が読めない」「発言が率直すぎる」「臨機応変な対応が苦手」など思い当たる節がたくさんあり、診断結果に納得したそうです。

 

仕事と寮生活を続けていましたが、次第に精神的に良くない状態が続き急に涙が止まらなくなるなどの症状が出たため休職することに。精神科を再度受診するとADHDに加え、双極性障害の診断もおりました。このまま働き続けることは厳しいけれどどうすればいいか迷っていたところに、LITALICOワークスのホームページでADHDの就職事例を見つけました。事例を読んで「ここならもしかして自分も……!」と思い、見学に行くことに。Tさんは雰囲気が合っていると思い、利用することを決めました。

 

就労移行支援の利用期限は一般的に2年までと設定されています。Tさんはできるだけ早めに就職したいと思っていたので、様々なプログラムやトレーニングに積極的に参加していました。

 

スタッフは面談で「他人がどう思うかを考えすぎている、自分がどう思うかを考えてみた方がいい」というアドバイスをしたところ、Tさんは他人の目を気にしすぎていることに気づきました。

 

今までどの仕事もうまくいかなかったのは、1人で考え、勢いに任せて行動に移していたことが理由なのでは?と思えるように。Tさんの言動を客観的に見てどう思うかをスタッフから伝えることで、思った以上に自分を発見できることに驚きいていました。Tさんは苦手とするコミュニケーションスキルのトレーニング、その他にも様々なのプログラムに参加しました。その結果、人への頼り方や悩みを話すスキルを身に付け、迷った時に1人で判断したり悩みを抱え込んだりすることが少なくなりました。

 

また、今までは失敗する理由は「自分がダメだから」と常に思ってたTさん。障害理解のプログラムを受け、失敗の原因はTさん自身ではなく「ADHDの特性」であることを理解しました。障害について深く考え知ることで、物ごとをプラスに捉えることができるようになりました。

職場体験で適職に出会う

企業インターン(職場体験)では2つの職種を経験したTさん。今まで身体を使う仕事が多かったので、身体を使うスーパーでの品出しからスタート。思っていたよりコミュニケーションが必要で、「これは正直続かないなと痛感した」とスタッフに正直に伝えてくれました。しかし2社目で初めての事務職を体験すると、「びっくりするくらい集中でき楽しいと感じた」「未経験なので大丈夫かなと不安だったけれど、これだ!と思う適職を見つけることができた」とテンション高めに話をするTさん。あまりに嬉しそうに話す姿を見て、スタッフもうれしくなりました。体験期間が終了すると、事務職への就職に向け、求人検索や志望動機などへすぐ切り替えていました。

 

初めての求人応募では、うまくいかず落ち込んだこともありましたが、気分を入れ替えて書類作成・添削や面接練習を続けるTさん。スタッフも全員でフォローしたことで、気持ちが楽になりトレーニングや就活にも積極的に取り組むことができたとTさんは振り返ります。「1人では難しいことでも、親身になってくれる人がいると自分はこんなにも頑張れるんだ」と新しい自分を発見することができました。

 

仕事が楽しい、今が人生で1番幸せ

請求データの作成など経理要素のある事務職で就職が決まったTさん。前職では電話応対で分からないことがあると、自分で判断してパニックになっていました。しかし、LITALICOワークスでスキルを身につけた結果、今では「少々お待ちください」と保留にして周りの職員に確認してから回答できるようになりました。

 

また、今までの学校生活では他人に興味を持てず友人関係が希薄、前職も年齢が近い男性ばかりの職場で話が合わなかったのですが、今は年齢の離れた方や女性が多い職場で働きやすいと実感しているそうです。職種はもちろんのこと、働く環境も企業インターンで働く前に体験できたことで、働きやすい職場を把握することができました。

 

現在も定着支援サービスでスタッフとの面談機会があります。困っていることがなくても、話を聞いてもらうだけでもリラックスできるというTさん。

「仕事が楽しいと思えるようになりました。お客様に気持ちよく利用してほしい、と思える自分が誇らしいです。今までは仕事だけで精神状態が手一杯になっていましたが、最近では趣味が増えてピアノやギターを弾いたりジムへ通ったりして、仕事だけではなくプライベートも充実しています。今が人生で1番幸せ」と笑顔で語ってくれました。

 

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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