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障害のある方の就職事例

うつ病(精神障害)のある方の就職事例を紹介|支援員で働く30代女性

うつ病(精神障害)のある方の就職事例を紹介|支援員で働く30代女性

うつであることをプラスに

女性/30代/幼児教室/支援員

うつ病(精神障害)

重なるプレッシャーでうつに

職場でリーダーへ昇格したことで業務量が多くなったり、プライベートでは結婚があったりと、両方ともしっかりしないといけないと強いプレッシャーがかかっていたことが体調不調のきっかけになったMさん。休日出勤や残業が増える一方で眠れない日々が続きました。次第に眠れないまま仕事に行くことが多々あったそうです。

 

仕事を休んではいけないと思い、電車内で気分が悪くなり早退や遅刻が増えることに……。その分残業時間を増やして乗り切ろうとしましたが、効率は悪くなる一方でいっぱいいっぱいになりそんな自分に自己嫌悪に陥るという悪循環が続きました。

 

体調が悪くなるばかりだったため、精神科を受診することにしたMさん。うつと診断され、「そうだろうな」というのがその時の気持ち。少し休めば元に戻れるという思いで、落ち込むことはなかったそうです。

 

休職することに決め、毎日寝て過ごしていると布団から出られずトイレに行くことすらしんどくなっていきました。しばらくして少し体調が良くなった頃、近くのカフェや駅まで行ってみることに。しかしカフェで少し過ごすことや駅のホームへ行くだけで体調が悪くなり、このままでは復職は難しいと思い退職を決意しました。

うつ状態から「働きたい」と思えるように

ずっと家で寝ていることに罪悪感を抱き、散歩で通勤経路以外の場所へ出向いてみると……今までのように体調が悪くなることがなく、「もしかしたら働けるかも、働きたい!」と思えるようになったMさん。

 

働きたいと主治医に相談すると、就労移行支援事業所に通うことを提案されました。複数のパンフレットをもらった中に徒歩で行けるLTIALICOワークスがありました。興味を持つものの連絡する勇気がなかなか出ず、電話をするのに2週間以上かかったそうです。

 

勇気を振り絞り、連絡しすぐに見学することに。LITALICOワークスへ行った時、パンフレットやホームページで見る以上に明るい雰囲気だと感じたMさん。話をしているうちに通勤練習にもなると思い、自宅から少し離れたLITALICOワークスへ通ってみたいとスタッフに相談してくれました。

 

近くのLITALICOワークスに連絡、オンラインで繋ぎました。画面越しにスタッフがみんなで手を振る姿や実際にいろいろと話をしてみて、Mさんは自分に合っていると実感。他の事業所も見学する予定でしたが、その日にLITALICOワークスを利用することを決意しました。

うつと向き合うために、自己理解を深める

はじめは生活リズムを整えるため、週4~5日の午前中のみで利用をスタート。前職の通勤経路でなければ電車に乗れることが分かっていたので、お休みをすることはほとんどありませんでした。他の利用者と話をしていて、多くの人が得意不得意を理解していたことに衝撃を受けたMさん。自分は何が得意なのか、何に対してストレスを感じるのかなど分からなかったため、積極的にプログラムに参加、特に自己理解プログラムに注力しました。

 

スタッフは自分のことをわかっていないと焦るMさんに、体調など自分を深く知るために「記録を付ける」ことを提案しました。体調やトレーニング内容、どのタイミングで休憩を入れることが自分に合っているかを記録してもらいました。

 

すると作業に取り掛かって集中するまでに時間がかかることや、少しずつ休憩を入れるより集中して作業してからゆっくり休憩を取る方がよいと分かりました。体調についても記録をつけていたので、頭痛が体調不良のサインということも理解でき、苦手なパソコン作業のときは必ずストレッチなどを取り入れて休憩することを身に付けました。

 

LITALICOワークスを利用し始めた頃は「前の自分に戻ろう!」と思っていたMさん。しかし自己理解を深めていくことにより、うつを自分の一部と認めて共に生きていこうと思えるようになっていきました。

 

企業インターン(職場体験)では、いろいろなことを経験してみたいという気持ちを大切に企業へアプローチを進めるスタッフ。しかしコロナ渦になったばかりの頃で、なかなか思うように企業の受け入れが進まない状況でした。そんな時でも笑顔を絶やさず、スタッフを気遣ってくれる姿に心を打たれました。

 

うつをプラスに変え、就職

就活をはじめた頃には「うつであることをプラスに変えて」仕事がしたいという思いが強くなっていき、企業インターン(職場体験)でおこなった就労移行の支援スタッフとして働きたいと思い求人を探すMさん。

 

しかしコロナ渦ということもあり応募求人が見つからず、スタッフから「子どもを対象とした支援スタッフはどうか」と提案。すると興味があったMさんは快諾し、書類選考・面接に進みました。

 

面接練習ををたくさんしたので面接当日、Mさんは緊張していると言うものの笑顔でリラックスして挑むことができました。結果は見事内定。自分の強い気持ちが反映された就職だったため、採用通知を聞いてMさんはもちろんスタッフも大きく喜びました。

 

支援員として働きはじめて半年以上が経ったMさん。最初は子どもたちとどう関わればいいかスタッフに不安を漏らしていました。しかし徐々に慣れていけるよう、職場ではMさんのペースを大切にしてくれています。また合理的配慮として、毎日その日を振り返る時間を設け、その日の不安はその日のうちに解決できるようにしていただいています。

 

定着支援で月1回ほど、LITALICOワークスのスタッフと面談する機会があります。仕事やプライベートであったことを聞いてもらうだけで自分の考えを整理できるので、とても貴重な時間に感じるというMさん。

 

職場では仕事で煮詰まったように見える時は先回りして声をかけていただいているようで、ストレスをため込まずに楽しんで仕事ができていると評価をいただいています。

 

「半年以上経っても体調を崩すことなく働いている自分が順調すぎて恐いくらい」と笑うMさん。「私がうつであることをプラスに変え、健康で働いている姿を見てもらい多くの方々に良い影響を与えたいと思っています。現在同じ障害で悩んでいる方にも、的確な配慮があれば働けるということを伝えたいです」と明るい笑顔で話してくれました。

 

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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