Close
障害のある方の就職事例

障害者雇用の企業事例

多様性のある風土で一人ひとりが力を発揮し、チームの効果を最大限に

ランスタッド株式会社 (左)人事本部 小原様/(右)首都圏集中プロセスセンター 石井様

ランスタッド株式会社 (左)人事本部 小原様/(右)首都圏集中プロセスセンター 石井様




ランスタッドはどんな会社ですか?

人材派遣サービスや人材紹介サービスなどを中心に、総合型の人材サービスを展開するランスタッド株式会社(以下、ランスタッド)では、多様性を大切にする風土の一環として、障害者雇用に力を入れています。その特長や想いについてお話を伺いました。

 

ランスタッドはどんな会社ですか?

 

ランスタッドは1980年に創業した、総合型の人材サービスを行う会社です。世界39の国と地域に拠点を構える、世界最大級の総合人材サービス企業ランスタッドが、日系の企業と経営統合して現在の形になりました。日系企業の良さもありながら、外資系企業の風通しの良さもあるという社風です。

 

世界各地にあるランスタッドの拠点では、「※ED&I(エクイティ、ダイバーシティ&インクルージョン)」、つまり多様性、公平性、包括性を大事にしようという価値観を大切にしており、日本法人でも同じ価値観のもと運営をしています。

 

例えば、採用や人材育成において、障害の有無や国籍、性別、新卒や中途入社といったバックグラウンドの違いは考えないという大前提があります。その一環で、障害者雇用もより推進していこうというのが現在の会社の方針です。もちろん、障害者雇用だけでなく、女性の活躍推進、男性の育休取得率の向上、キャリアサポートなど、一人ひとりが輝ける制度を作っていこうとしている状況です。

 

Great Place to Work® Institute Japan(GPTW)から、2年連続で「働きがいのある会社」に認定されるなど、すべての社員にとって働きがいのある環境を作ることを目指しています。

 

社員に多様性があることで、組織が凝り固まったものにはならず、いろいろな考えが出てビジネスとしても成長していけると思っています。「さまざまな考えがあって当然」という組織であれば、一人ひとりが持つ力を伸ばすこともでき、その掛け合わせが効果を最大限にしていくと考えています。

障害のある方の働き方

障害のある方の働き方

障害者雇用で働いている社員は、精神障害、身体障害、知的障害などを含めて2023年11月現在で200名以上です。池袋の首都圏集中プロセスセンターや完全在宅勤務のコーディネーターチーム、全国の支店でのセールスサポート、管理部門の事務業務などで活躍しています。

 

業務内容としては、首都圏集中プロセスセンターでは主に派遣スタッフの労務管理を行っています。具体的には、社会保険の手続きや契約書の発行、請求給与(派遣スタッフの給与支払いの業務)などを担当しています。

 

コーディネーターのチームは完全在宅勤務で、全国さまざまな場所にいながら、派遣スタッフの方に対する求人マッチングの業務を担当しています。いちコーディネーターとして、派遣スタッフの方に仕事を紹介するだけでなく、Web面談や電話でのやりとりも行っています。

 

ランスタッドの障害者雇用では、社内にたくさんのポジションがあります。まずは短時間からスタートして、慣れてからフルタイム勤務を目指すという方もいれば、コーディネーターとして最初からバリバリ働きたいという方もいます。

 

以前から一部の部署では在宅勤務をしていたのですが、コロナ禍に緊急事態宣言が出たことを機に、全社員にノートパソコンを支給して在宅勤務ができる体勢を整えました。今後も、在宅勤務と出社しての勤務は併用していこうと考えており、その人が自分のパフォーマンスを発揮する働き方であれば、ある程度は自主性に任せています。

独自の採用フローや入社後サポートを取り入れる、首都圏集中プロセスセンター

独自の採用フローや入社後サポートを取り入れる、首都圏集中プロセスセンター

池袋の首都圏集中プロセスセンターでは、まずはオンライン説明会に参加していただき、会社が求めていること、マッチする人物像、現場の様子などを見てもらったうえで応募するかどうかを判断してもらいます。その後は通常の採用フローと同じで、書類選考や面接に進んでいきますが、入社前には雇用前実習として、数日間現場で働く機会も設けています。入社された方には長く活躍してもらいたいと考えているので、仕事をあらかじめ体験してもらい、配慮事項のすり合わせなどもしながら、ミスマッチが起きないように時間をかけて丁寧に進めています。

 

社内には、障害者雇用を促進するための定着支援者も数名在籍しています。配慮事項の相談や、応募者が利用している支援機関との調整なども担っています。

 

配慮事項はWeb上で管理し、開示範囲も選択できるようになっており、内容によっては上長だけでなく、同僚全員が閲覧可能です。首都圏集中プロセスセンターで働くメンバーは、自分が配慮を受ける側であるとともに、配慮をする側になることもあるので、お互いのことをきちんと理解した上で仕事を進めていくためです。

 

また、定着支援者のみが閲覧する日報もつけてもらっています。毎日の体調や睡眠時間、仕事内容などと合わせて、「面談をするほどではないが、定着支援者に知っておいてもらいたいこと」なども書いてもらっています。これは、障害者雇用で働く方が、定着支援者と頻繁にやり取りするための仕組みです。

 

この他にも、マニュアルの整備や休憩室の設置、定期的な面談、トラブルがあった場合の調整なども行っています。必要があれば、主治医やご家族とも連携して対応しています。

 

休憩スペース

 

障害者雇用で働く方の中には、過集中となったり、疲れやすかったりする方もいます。そこで首都圏集中プロセスセンターでは、昼休憩のほかにも、合計20分間の小休憩を業務内で取れるようにしています。細切れに小休憩を取る方もいれば、昼休みを延長して取るという方もいます。

 

首都圏集中プロセスセンターは、社内で初めて、障害のある方が活躍できるオフィスとして設置されました。配慮面でも先駆けとなっており、うまくいった取り組みは、首都圏集中プロセスセンター以外の他部署にも展開しています。

障害のある社員のキャリアアップ

障害のある社員のキャリアアップ

社内には公募制度があり、障害の有無に関わらず応募することが可能です。ポジションの空き状況は社内で見える化されていて、応募して選考に合格すればそのポジションにつくことができます。年間で200人ほどエントリーをするのですが、最近は事務職として勤めていた障害のある方が、公募制度を利用してコーディネーターになったという例もあります。

 

また、時短勤務からフルタイム勤務に変更するという方もいます。最初は体調安定のために週30時間勤務から始めて、契約更新のタイミングで徐々に勤務時間を伸ばしていき、現在はフルタイムの正社員で働いている方もいます。

 

このようなステップアップの事例は多くあり、こうした契約内容の見直しをしやすくするためにも、契約更新を短めの3か月というスパンに設定しています。

定着支援者の役割

現在、社内に定着支援者が4人在籍していて、そのうち2人は精神保健福祉士などの資格を持っています。

 

定着支援者は、採用の段階からかかわりを持ち、入社後もきめ細かなサポートを行っています。日報でのやりとりを通して必要だと判断したときや、眠れていない様子があれば面談の設定やチャットでの相談に対応するなど、臨機応変に対応しています。

 

コミュニケーションを取る時には、言葉の選び方や伝え方にも工夫をしています。相手の意図を汲みながらも、必要なことをしっかり伝えるということは難しい面もありますが、言いにくいことでも本人のプラスになるように伝える、何でも受け入れるのではなく必要なことは理由も含めて説明する、ということを大事にしています。そのためにも、普段からお互いに言いたいことを伝えやすいような空気感を作るように心がけています。

 

作業に使うものの表示は、分かりやすくシンプルに

作業に使うものの表示は、分かりやすくシンプルに

従業員主導型のグループについて

ランスタッドには、ERG(Employee Resource Group)という、従業員主導型のグループが複数あります。これは、参加したいグループがあれば所属に関係なく自由に参加できるという制度です。その中の一つに発達障害のグループがあり、発達障害の当事者と、支援をしたいという方が集まって、さまざまな活動をしています。例えば、ランチタイムに交流会をしたり、外部機関と連携して専門の先生を呼んで講演をしたり、それを社内に発信したりといった活動内容です。

 

ほかにも、障害に関するグループが複数あります。こういったものが自然と存在しているのは、ランスタッドならではのことだと考えていて、ED&I(エクイティ、ダイバーシティ&インクルージョン)に力を入れているという社風を肌で感じてもらえると思います。ヨーロッパ系の会社だからということも影響しているかもしれませんが、経営陣の中にも自身がマイノリティであることを公表している方がいるくらいオープンな会社で、社員にもそういった文化が浸透していると感じています。

LITALICOワークスの印象と今後の展望

LITALICOワークスの印象と今後の展望

LITALICOワークスは、求職者側の立場に寄りすぎるでもなく、企業側の立場に寄りすぎるでもなく、「第三者」としてしっかり橋渡しをしてもらえるという印象です。採用の段階で連携する時も、企業側の意図を汲んでコミュニケーションを取ってくださるように思います。

 

ランスタッドでは、今後もより一層、障害のある方の採用に力を入れていく方針です。そのためにも、定着支援でのLITALICOワークスとの連携を強化しつつ、またランスタッドとしても、首都圏集中プロセスセンターでの定着支援やキャリア支援を全国的に広めていきたいと考えています。

障害のある方と障害者雇用を促進したい企業へのメッセージ

障害のある方と障害者雇用を促進したい企業へのメッセージ

実際に働く前には、障害者雇用についてイメージすることが難しい面もあるかもしれませんが、LITALICOワークスのような就労移行支援所を通して支援を受けたり、プログラムを体験してみたりするのもひとつだと思います。

 

前向きでチャレンジ精神がある方は、ランスタッドの社風に合っていると思います。ランスタッドにはたくさんの選択肢があり、どのような選択をするかも、社員の方に任せている部分が大きい会社です。いろいろな経験を積みたい、何かに挑戦したい、自分で改善しながら仕事を進めていきたいという方と、ぜひ一緒にお仕事をしたいです。ご応募をお待ちしています。




今回訪問した企業様の会社概要

ランスタッド株式会社

企業名

ランスタッド株式会社

事業内容

人材派遣サービス、人材紹介サービス、テクノロジーサービス、アウトソーシング事業、人事サービス

ホームページ

https://www.randstad.co.jp/

障がい者採用特設ページ

https://www.randstad.co.jp/recruit/challenged/

インタビュー:2023年12月6日

※掲載内容(所属や役割など)はインタビュー当時のものです。

障害者雇用の企業事例

まずはお気軽にご相談ください。

障害者雇用についてのご相談は
こちらからお願いします。

0120-951-712 受付時間 平日10:00〜17:00

このページに関連する
おすすめコンテンツ

ページトップへ