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障害のある方の就職事例

障害者雇用の企業事例

物流管理業務を中心とする障害者雇用から、多様な職種でファッション業界を盛り上げる取り組みに

株式会社ZOZO 採用企画・推進部 (写真左から)今村様/高橋様

株式会社ZOZO 採用企画・推進部 (写真左から)今村様/高橋様




ZOZOはどんな会社ですか?

ファッションを軸に、テクノロジーの力で世界中を笑顔にすることを目指している株式会社ZOZO(以下ZOZO)では、障害者雇用において働きやすい環境づくりをするだけでなく、「働ける場所と働く人を増やす」ということにも力を入れています。その障害者雇用の形の、特長や想いについてお話を伺いました。

 

 

ZOZOは、企業理念に「世界中をカッコよく、世界中に笑顔を。」、経営戦略に「MORE FASION × FASHION TECH ~ ワクワクできる『似合う』を届ける ~」を掲げ、ファッションとテクノロジーの力で、世界中をカッコよく、笑顔にすることを目指しています。

 

多くの方にとって、ZOZOと聞いて最もイメージしやすいのはファッションEC「ZOZOTOWN」だと思いますが、「服を買うならZOZO」から「ファッションのことならZOZO】を目指しファッションにまつわるさまざまなサービスを展開しています。

例えば、ファッションブランドさま向けの生産・実店舗・物流支援や、ファッションコーディネートアプリの運営やさらには表参道にある無料の超パーソナルスタイリングサービス「niaulab by ZOZO」の運営など、「売る」以外にも、ファッションの「作る」「伝える」「届ける」の全工程にかかわるサービスを開発・提供しています。

 

ZOZOでは、会社の急成長に合わせて従業員数も急増した2011年より障害者雇用も本格的にスタートしました。障害者雇用を促進するために、社内で種をまき続けて、10年かけてようやく実を結び花が開いてきた実感があります。

 

障害者雇用のメンバーと仕事内容

ZOZOには、2023年11月末時点で141名のスタッフが、障害者雇用で在籍しています。障害種別と業務内容の内訳は、以下の通りです。

 

障害者雇用のスタッフの障害種別割合

身体障害:39%

精神障害:48%

知的障害:13%

 

業務内容の内訳

フルフィルメント本部(物流拠点)で入荷~出荷までの物流管理業務

人自(※)本部・経営管理本部で人事・総務・労務業務

ホスピタリティ本部で庶務業務、カスタマー対応業務

技術本部・品質管理本部でエンジニア補助業務

 

※ZOZOでは「人事」のことを、「人事(ひとごと)」ではなく、スタッフ一人ひとりが他人の事も自分の事として考えるという意味を込めて、「人自」と表記します。

 

障害者雇用で入社したスタッフは、主に物流拠点「ZOZOBASE(ゾゾベース)」のオペレーション業務を担う「フルフィルメント本部」に配属されています。全体のうち約9割のスタッフがこの本部に在籍して、さまざまな業務で活躍しています。具体的には、ZOZOTOWNで販売される商品の荷受けや検品、棚入れ・ピッキング、発送などの業務に従事しています。物流拠点は千葉県の習志野市と茨城県のつくば市にあり、たくさんの障害のあるスタッフが、ZOZOの屋台骨とも言える物流拠点で活躍中です。

 

「支援部」を立ち上げてサポート体制を強化

フルフィルメント本部には、障害のあるスタッフの採用や就労支援、研修など、物流拠点内での障害者雇用を促進していく「支援部」という部署を設けています。障害のあるスタッフの、採用から入社、その後の定着支援などのフォローも含めて支援部と密にコミュニケーションを取りながら、働きやすい環境づくりに努めています。

 

「支援部」ができる以前は、会社の規模が大きくなる中で、現場で働く障害のあるスタッフの悩みに寄り添いにくいという課題を抱えていました。実は、障害者雇用で入社したスタッフが、本来のパフォーマンスを発揮できずに退社してしまったこともあったんです。その経験から、障害者雇用のスタッフと現場、現場と人自担当のコミュニケーションの橋渡しをする役割が必要だということで立ち上げたのが「支援部」です。

 

支援部と現場、人自担当と支援部で定期的に定例会をしながら、複数の視点で情報共有をすることで、障害のあるスタッフが安心して働ける環境をつくりやすくなりました。合理的配慮の要望にも対応できることが増え、会社としての障害者雇用の土台が築けたように思います。

 

近い未来に、働ける場所と仲間を増やしていく

ZOZOでは現在、障害者雇用のスタッフを各本部に配属することを原則としています。フルフィルメント本部に在籍する一部のスタッフは、これまでは1つの部署に集約する形で勤務していただいていましたが、2023年10月以降、各現場に分散して新たな環境での業務に就いていただくチャレンジをしています。これは、社内のダイバーシティ、エクイティ&インクルージョンの推進はもちろん、障害者雇用で働くスタッフ本人たちの成長も考慮しての取り組みです。

 

さらに、1人ひとりの成長と障害者雇用の促進に力を注いでいくために、今後もより多様な部署で働いてもらえるような体制を構築していきます。エンジニア職やデザイナー職など、部門を問わず障害者雇用を促進していくつもりです。

 

障害者雇用での考え方と配慮

障害の有無に関わらず、一致団結してZOZOを盛り上げていきたい!そのための仲間を増やしたい!そんなシンプルな想いが、障害者雇用における私たちの原動力です。

 

だからこそ、「障害があるから」という点で「分けて考える」というのではなく、1人ひとりの「個性(特性)」と捉えることが大切だと思っています。そもそも仕事において仲間との協力は必要不可欠で、障害の有無に限らず相手を理解することは大切ですよね。

 

そうした想いに基づく取り組みの1つとして、障害や障害者手帳の有無に関わらず、希望するスタッフに「ヘルプタグ」というものを配付しています。これは、持病や必要な配慮などについて、一緒に働く仲間に周知していただくための取り組みです。ヘルプマークを模したデザインにすることで、ヘルプマーク自体の社内認知の促進もできればと考えています。また、聴覚障害のあるスタッフのアイディアから始まった、「耳が聴こえないことの周知」を目的とした耳マーク版のヘルプタグも取り入れています。

 

持病や聴覚障害などは外見からは見えづらいこともありますが、ヘルプタグを使って社内で可視化することで周囲が自然と配慮できるようになったり、それが決して特別なことではないのだという意識につながることを期待しています。

 

採用に関して大切にしていること

フルフィルメント本部の障害者雇用では、入社前に数日間の実習をすることで、働き方のイメージを描いていただけるようにしています。実際の仕事現場を見て、1日の仕事のサイクルを体験してもらうことで、ちゃんとここに通って働けるかを感じていただき、入社後のミスマッチがないように意識しています。

 

また、実習に参加していただくことで、疲労度や無理なく取り組める仕事の範囲などについてお互いに確認することができます。それも踏まえて面接をし、最終的な採用の判断をしていきます。入社前からしっかりコミュニケーションを取って、体調面も含めた業務との相性も確認しながら、適切な配属先を決定させていただきます。

 

入社後も、現場での面談で働く上での困りごとや改善できることに向き合うほか、支援部や現場社員、外部の支援機関との面談も行うことで、現場には直接言いにくい悩みごとなども受け止められるようにしています。チームとして複数の視点からサポートすることで、障害のある方の採用と定着に取り組んでいます。

 

障害者雇用を考えている方へメッセージ

私たちが障害者雇用を通じて実現したいのは、互いの個性を尊重し、個々が公平に能力を発揮できる、まさに当社のコーポレートロゴのコンセプトでもある『Be unique. Be equal.』の実現です。そのために、1人ひとりの障害に寄り添った配慮を考え、今後もより多くの部署での受け入れや、ここで長く働きたいと思ってもらえるような取り組みをしていきたいと思っています。

 

まだまだ道半ばではありますが、当社のサービスや企業理念に共感していただける方に、ぜひご応募いただけたらと思います。

 

ファッションが好き、仲間と何かをやることが好き、前向きにチャレンジしてみたいという方、一緒にファッション業界を盛り上げていきませんか?

 




今回訪問した企業様の会社概要

株式会社ZOZO

企業名

株式会社ZOZO

従業員数

1,718名 ※グループ全体(2023年12月末時点)

事業内容

ファッションEC、ファッションコーディネートアプリなど各種サービスの企画・開発・運営、計測テクノロジーの開発・活用、物流拠点の運営

ホームページ

https://corp.zozo.com/

インタビュー:2024年1月12日

※掲載内容(所属や役割など)はインタビュー当時のものです。

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