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障害のある方の就職事例

うつ病から立ち直るのは難しいと思っていたけれど、再スタートできた

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プロフィール

  • Sさん
  • 年代 : 30代
  • 就職先企業 : デル・テクノロジーズ株式会社
  • 診断名 : うつ病

困りごと

  • 寝つきが悪く睡眠が取れない
  • 気分が落ち込む
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うつ病になり、何に対しても無気力になってしまった

——Sさんの障害について教えていただけますか?
診断はうつ病です。新卒で働き始めて、仕事をうまく覚えられずに、どうしたらいいんだと悩みを抱えながら毎日職場に向かっていました。
入社後3ヶ月くらいには食事が喉を通らなくなり、何に対しても無気力な状態になりました。そこで医療機関を受診したところ、うつ病と診断されました。その時は、自分に対しても興味を持てなくなっていたので、「どうでもいい」という気持ちでした。

——就職が大きなきっかけだったんですね。その後お仕事はどうされたのでしょうか?
仕事は半年間休職し、同じ職場にパートタイマーとして戻り、2年ほど働きました。その働き方について「これでいいのか」と周囲から声掛けされたことがあり、今後のキャリアについて考えました。勉強して転職しようと決め、退職することにしたんです。

元々興味のあった業界の求人を見つけて、そこで働くために必要な資格の勉強をし、携帯電話関係の仕事に転職しました。そこでは9年間働きました。

うつ病発症後、11年を経て就労移行支援の利用へ

——9年間。長く働き続けることができたんですね。
はい。ただ、その会社で働いていた最後の方で、大きく体調を崩して退職をすることになりました。しばらく休養をとっていたのですが、復職するには体調面に不安があると感じ、主治医に相談したんです。
そこで、就労移行支援事業所の存在を教えてもらい、LITALICOワークスを利用することにしました。

——主治医の先生のアドバイスがきっかけだったんですね。LITALICOワークスはどんな印象でしたか?
インターネットで就労移行支援事業所を調べてみて、印象に残ったのがLITALICOワークスだったんです。実際に見学に行ってスタッフの方とお話をしてみると、利用にあたって気になっていることが大体解決でき、安心しました。
体験利用では、ストレス対処や自己分析のプログラムを受講しました。これは有意義な時間になりそうだと思い、利用することに決めました。

LITALICOワークスを利用して考えた、自分に合う働き方。障害者雇用で働くという選択肢

——うつ病と診断をされてかなり時間がたってのLITALICOワークスの利用だったんですね。どのように利用されましたか?
最初は週3日の利用からスタートし、だんだん日数を増やして週5日の利用になりました。さまざまなプログラムの中でも、緊張をときほぐす方法を学んだことが今でもとても役立っています。

また、前職では計算ソフトを使う仕事が多かったのですが、実務から離れていたため、自主的にExcelやスプレッドシートを使った作業に取り組みました。

スタッフの方に提案していただいた、実践的な業務に近いシートを作成するプログラムは、いいリハビリになったと思います。ただ、いざ就職を考えると、体調面でフルタイムかつ残業もある前職のような働き方をする自信がありませんでした。

——体調面での不安を続けて持っていらっしゃったんですね。デル・テクノロジーズに決めた理由はありますか?
そうなんです。障害者雇用の枠で障害に理解をいただいた上で、働いた方がいいのではと思い、就職活動についてもスタッフの方に相談しました。
いくつかの会社説明会に出てみようという話になり、参加した説明会の1つが、今働いているデル・テクノロジーズ株式会社でした。デル・テクノロジーズはIT系の企業ですが、これまでの技術的な仕事の経験を生かしながら学び続けたいと思い、入社することにしました。

——就職活動の過程で苦労されたことはありましたか?
これまでの仕事について転職経験は少ないのですが、異動が多くさまざまな職務を経験をしていました。そのため記載する内容が複雑になってしまい、職務経歴書を分かりやすくまとめることに苦労しました。

見やすい職務経歴書を作成するために、スタッフの方に添削してもらい何度も作り直しました。

LITALICOワークスと、研修型障害者雇用を活用。社会人生活の再スタート

——現在は、どんなお仕事をされていますか?
テクニカルサポートの業務を行っています。エンジニアの業務をレポートにしたり、お客様からの問い合わせへの対応をしていたりします。

——心配されていた、体調面の不安はどうですか?
デル・テクノロジーズ株式会社には、研修型雇用といって、最初の1年間は社内のキャリアサポートセンターで研修を受けられる仕組みがあります。
トレーニングを受けながら体調を整える機会があったことはとても心強く、体調面の不安もおおむね払拭することができました。

今の仕事は、ほぼ在宅勤務で業務を進めることに不安があったのですが、同僚とテレビ会議システムを活用して相談しやすい環境を作ったり、お客様対応で大変なことがあった際は報告書を見た同僚がねぎらいの言葉をかけてくれたりと、お互いに持ちつ持たれつで働ける職場だと感じています。
LITALICOワークスの利用がコロナ禍であったため、一部オンラインツールを使っての在宅プログラムになった、という経験がありました。私は事業所に通って利用したかったのでもどかしかったのですが、今思えば在宅勤務のいい練習になりました。

——安心して働かれていることが伝わってきます。Sさんのインタビューを読まれる方に伝えたいことはありますか?
私自身がうつ病になったのは、16年前です。
途中で大きく体調を崩したことが2回あり、小さく崩すことも複数回繰り返していて、もう立ち直るのは難しいんじゃないかと思っていました。けれど、自暴自棄にならずに、主治医の先生や、LITALICOワークスのスタッフのサポートを得て今があると思っています。
「自暴自棄にならずに、周囲に頼ってみたほうがいいよ」と伝えたいです。

——最後に、これからチャレンジしたいことを教えてください。
業務時間中に自己学習として活用できる時間もあるので、技術的な知識を身に付けて会社に貢献できるようになりたいと思っています。

また、仕事とプライベートのメリハリをしっかりつけて、公私ともに充実させていきたいです。

インタビュー:2023年1月25日

※掲載内容(所属や役割、診断名など)は
インタビュー当時のものです。

企業からのコメント

デル・テクノロジーズ株式会社 人事本部キャリアサポートセンター(東京)トレーナー (左)新濃様 (右)遠藤様

Career Support Centerの東京第1期のトレーニング期間中から現在のテクニカルサポートの部門の業務に携わっていただき、そのまま部門移行され最前線でサポート業務を担当いただいています。 Sさんの存在なしには、テクニカルサポートチームの業務は成り立たないといっても過言ではありません。そのパフォーマンスの背景には、当事者として責任をもって仕事に取り組む意識と、ご自身が歩みたいと考えているキャリアのイメージ、そしてなにより、業務において必要な知識やスキルを学び続ける姿勢があるのだと思います。 今後もCSCの修了生のロールモデルとして、弊社での活躍はもちろん自身のキャリアをさらに発展させていってほしいと思います。 また、定期的な1on1の際に最近の業務についてのお話や、日々の生活のアップデートなどを聞かせてもらえることを楽しみにしていますね。

スタッフからのコメント

Sさんとは、体験利用から現在の定着支援まで関わらせていただいています。常に手を抜かずに、業務・プログラムに真剣に取り組まれている印象が強くあります。「そんなに頑張らなくてもいいのに」と心配に思うこともありましたが、プログラムを通してストレス対処法や自分に合う働き方をみつけたことが現在のご活躍に繋がっているのではないかと感じています。Sさんと企業担当の方と、月に1回三者面談を実施していますが、企業からの評価や期待も高く、私たちも嬉しく思っています。
LITALICOワークス 高田馬場

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東京の就労移行支援事業所 LITALICOワークス 高田馬場

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