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障害のある方の就職事例

「物事に真摯に取り組む」が自分の強み。周囲に相談しながら、安定した勤務を実現

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プロフィール

  • Sさん
  • 年代 : 20代
  • 就職先企業 : 株式会社MIXI EMPOWERMENT
  • 診断名 : 双極性障害(双極症)・吃音

困りごと

  • 気分に波がある
  • 小休憩を取らずに業務をすることが苦手
  • 言葉をスムーズに話すことが難しい時がある
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ストーリー

大学時代に双極性障害(双極症)を発症し、就職活動がうまくいかない中でLITALICOワークス仙台みやぎのを利用したSさん。

LITALICOワークスで各種プログラムや就職活動に取り組み、現在は株式会社MIXI EMPOWERMENT(以下、MIXI EMPOWERMENT)で働いています。通所中のことや就職活動のこと、現在のお仕事についてお伺いしました。

「ここなら就職できそう」と思い、利用を決めました

ーーLITALICOワークスを利用し始めた時のことを教えてください

私は幼少期から吃音の症状があり、加えて大学生の時に双極性障害(双極症)の診断を受けました。当時は躁状態の時に夜眠れなくなったり、人に迷惑をかけたりすることがあって困っていました。また、就職活動もしていたのですが、1人で進めていくのは難しいと感じて、あまりうまくいきませんでした。

 

そのような状況の時に、LITALICOワークスのことを知りました。就労移行支援という言葉自体は知っていたので、インターネットで「就労移行支援 仙台」と調べたところ、「LITALICOワークス仙台みやぎの」が目に留まりました。

 

他の就労移行支援事業所も2つ見学しましたが、LITALICOワークスはスタッフの方が対等に接してくれたという印象があり、利用を決めました。また、事業所がきれいで通うモチベーションになりそうだと思ったこと、プログラムが充実していて「ここなら就職できそう」と思ったことも決め手でした。

 

ーーLITALICOワークスで印象に残ったことを教えてください

就職までに約1年半、LITALICOワークスに通所したのですが、最初は週3日のペースから始めました。フルタイムで働くことを目標に掲げていたため、スタッフの方と相談して徐々に通所回数を増やしていこうということになり、1年くらいかけて週5日の通所へと増やしていきました。

 

LITALICOワークスでの取り組みでは、ストレス対処法やコミュニケーションを学ぶプログラムに参加したことが印象に残っています。ストレス対処法はもともと身に着つけたいと思っていたのですが、プログラムを通して、「事前に『お風呂に入る』『好きな音楽を聴く』など対処法となる行動を決めておき、ストレスが溜まってきたらそれを実行する」というやり方を身につけることができました。

 

ほかにも、ビジネスマナーのプログラムで社会人としての基礎スキルを学んだり、コミュニケーションのプログラムでは、ほかのメンバーさんとテーマを決めてディスカッションをしたりしました。それまでは人と会話することが少なかったのですが、LITALICOワークスでの取り組みを通して、人とどのように話していけばいいのかがだんだんとつかめてきました。

「物事に真摯に取り組む姿勢」が、自分の強みだとわかった

ーー就職活動について教えてください

就職活動の前に、企業でのインターンに参加しました。事務系の業務を中心に3~4社のインターンに参加し、「働く」ということの感覚をつかむことができました。また、実際に就職した後にどのような困りごとが起きそうかも分かったので、貴重な経験だったと思います。

 

就職活動では、LITALICOワークスで、履歴書の添削や志望動機の作成サポートをしていただきました。自分なりに作成した履歴書をスタッフの方に添削してもらい、その添削をもとに自分で修正をする、ということを繰り返して、納得のいく履歴書を仕上げていきました。スタッフの方には、何度も細かいところまで指摘してもらって助かりました。

 

志望動機の作成には、かなり苦労しました。応募したい企業のホームページなどから求める人物像をイメージし、それに合った自分のスキルについて、自分で考えたりスタッフの方に相談したりしながら作成を進めていきました。何度もスタッフの方と話していくうちに、自分の持っているスキルや強みも分かってきて、今では「物事に真摯に取り組む姿勢」が私の強みだと言えるようになりました。

 

また、就職活動では障害のことをオープンにして働くことを選択しました。自分の特性をあらかじめ伝えたうえで働いた方がいいと考えたためですが、おかげで納得のいく形で就職活動できたかなと思っています。

 

ーー入社の経緯を教えてください

現在の職場であるMIXI EMPOWERMENTは、LITALICOワークスに通っていたときに、企業インターンに参加した会社です。その際に、実習内容や雰囲気などが自分に合っていると思ったことが、入社の決め手になりました。特に、実習内容がすごく考えられていたのが印象的でした。

 

ほかの特例子会社にもインターンに行きましたが、中にはひたすらデータ入力をするといった単調な業務内容のものもありました。でも、MIXI EMPOWERMENTでは自分の頭で考える必要がある業務が多かったので、やりがいを感じました。自分には、淡々と仕事をするというよりは、考えて動いていく仕事が合っていると感じています。

 

また、業務に就いて考える時も、気軽に相談がしやすい環境だったので、モヤモヤしたまま帰宅するということがありませんでした。すっきりと1日の実習を終えることができたという経験も、就職を決める上で大きかったと思います。

やりがいを感じるのは、自分が一から関わった賞品がお客さまのもとに届いたとき

ーー現在の勤務内容を教えてください

私は、週5日8時間のフルタイム勤務をしています。不安もありましたが、LITALICOワークスもずっと休まずに通っていたので、自信を持つことができました。

 

現在の業務は多岐に渡ります。まず、本社で行っているアプリやゲームなどのキャンペーンで、お客さまからの応募を抽選し、当選者に賞品を梱包して発送するという業務があります。この業務では個人情報を扱いますが、チームで対応することが多く、ダブルチェック体制を作って、住所や梱包内容に間違いがないか確認し合っています。お客さまのもとに、自分が一から対応した賞品を届けることができた時が、一番やりがいを感じます。

 

ほかにも、本社の各種ワークフロー対応で、身分証と入力内容の照合作業をしたり、音声を聞いて文字起こしをするといった業務も担当しています。

 

業務は基本的には自分たちで考えながら取り組んでいきますが、会社にはコーチングスタッフという方がいるので、困ったときにはコーチングスタッフに相談してアドバイスをもらっています。

 

また、私は紙に書かないと業務を覚えられないタイプなので、これまでやってきたことをノートにまとめて書き出して、それを見ながら「どうすればもっとうまくできるか」を考えて取り組んでいます。文字起こしをする時には、自分の間違いの傾向をメモしておき、次からは同じ間違いをしないように気をつけています。

 

さらに、MIXI EMPOWERMENTには昼休憩などの長い休憩時間以外にも小休憩をとれる仕組みがあるので、この時間も活用しています。疲れたら休憩して体調を整えたり、適度に水分を取ったりするなどの工夫をしていますが、私は気分の波があるので、この仕組みがあってすごく助かっています。

 

定着支援は「自分が見落としていた困りごと」に気づける振り返りの機会

ーー就職後に受けているサポートを教えてください

働き始めてからも、定着支援として、LITALICOワークスのスタッフの方と定期的に面談を行っています。私の場合は仕事の話はあまりせずに、私生活のことを中心に相談しています。LITALICOワークスの方は私の特性や傾向を理解してくださっているので、それを踏まえて、私生活を安定させるためにどうしたらいいのかを一緒に考えてもらっています。

 

私生活の安定が、仕事の安定や収入の安定にもつながると考えているので、こうしたサポートを受けながら、規則正しい生活習慣を続けられるように心がけています。

 

また、定着面談の中で仕事や生活での困りごとについて一緒に確認していく中で、自分が見落としていた困りごとに気づくこともあります。そのため、良い振り返りにもなっていると感じます。

 

もちろん、MIXI EMPOWERMENTの社員の方に困りごとについて相談することもあります。例えば、私はリモート勤務が苦手なので、「自宅でも集中力を持続させるにはどうしたらいいか」ということを相談したことがあります。休憩時間を分割してこまめに休むことを提案していただき、例えば1時間作業したら5分休憩するといったように対応しながら、集中力が持続しやすいように工夫しています。

 

ーー今後の目標を教えてください

今後は、会社の方が気持ちよく仕事ができるようなサポートをしていきたいと思っています。現在も多くの仕事を任せてもらっているので、新たに業務を増やすというよりは、今ある仕事に一生懸命取り組んでいくことを目指しています。

企業からのコメント

【同僚:スタッフA様より】

作業1つ1つ丁寧に取り組んでくれます。

定期的に作業の振り返りを行い、自身のスキルアップにつなげていただいています。業務への理解を深める姿勢は、仕事をする上で見本になります。

また、作業で不明点や不安な点があると、すぐに確認や質問をしてくださる姿勢も素晴らしいです。そのため、作業の抜け漏れなどにもすぐ気付いてくれて、より精度の高い成果物を収めることができています。Sさんの広い視野と細かい気配りに、とても助かっております。

 

【同僚:スタッフB様より】

作業中に抜け漏れがあると、さりげなくフォローしてくれます。いつも助けられています。

 

【同僚:スタッフC様より】

Sさんは物腰や話し方が柔らかく、柔和でお話しやすいです。人懐っこく、お昼休憩の際「一緒に食べていいですか?」と声をかけてくださいます。自己理解が深く、落ち込むことがあってもポジティブな視点を保とうとする姿勢は本当に尊敬しています。

休憩時間や帰り道でご一緒する際には、お茶目な一面を見せてくれ、大胆な笑いも提供してくださいます。以前私が「日直でみんなの前で話す時、いまだに緊張する」と話したことを覚えてくださっていて、別の機会に「今日も手が震えていたので、緊張しているのかと思いました」と、やさしい声をかけてくださいました。

業務面では、全体像をつかんだ上で順序立てて作業されているので、安心してさまざまな業務を任せることができます。細かい部分まで目が行き届く方なので、他のスタッフの作業のチェックもお任せしています。また、ご自身が安定して業務をするために「スケジュールは前日のうちに確認しておく」等の対策をしていらっしゃることや、作業工数を前もって把握し、頭であらかじめ考えておく力が素晴らしいと思います。

コミュニケーションスキルも高く、迷ったときや確認したいことがあるときはすぐに質問してくれます。また、他者へのアドバイスを行う際にも、相手を不快にさせないコミュニケーションをしてくださる方です。非常に広い視野をお持ちで、他スタッフのことも気にかけて業務されています。

 

【担当コーチングスタッフ:小野寺様より】

弊社で展開しているキャンペーン業務をメインに担当していただいています。臨機応変さが求められますが、休憩時間の使い方を工夫しながら、安定して業務に取り組んでくださっています。

人とコミュニケーションをとるのが非常にお好きなようで、チャットツールでもユーモアのある発言をしてくださいます。他スタッフからのコメントにもありますが、自分で業務の振り返りを行い、スキルアップに努める姿勢は一緒に働くメンバーの見本になっています。今後後輩社員が入って来た際には、育成にも携わっていただけるような人材だと思っておりますので、引き続きよろしくお願いいたします。

インタビュー:2024年2月13日

※掲載内容(所属や役割、診断名など)は
インタビュー当時のものです。

スタッフからのコメント

LITALICOワークスを利用されていた時は、初めての就職に向けて迷いながらも、スタッフにたくさん相談をしながら歩みを進めていかれたことを覚えています。センター内の有志活動にも参加してくださり、同じ活動に後から参加した方にも、先輩としてしっかり活動内容をレクチャーされていました。 お仕事でも、日々向上心を持って取り組まれております。今後は、後輩も入ってくるかと思いますので、引き続き無理のないよう頑張っていただけたらと思っています。応援しています!
LITALICOワークス 仙台みやぎの

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宮城の就労移行支援事業所 LITALICOワークス 仙台みやぎの

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