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障害のある方の就職事例

意欲が評価され、仕事を任されることがやりがいにつながる

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プロフィール

  • Yさん
  • 年代 : 30代
  • 就職先企業 : 株式会社NTT西日本ルセント
  • 診断名 : 双極性障害(双極症)

困りごと

  • 気分が落ち込みやすい
  • 過度のストレスに弱い
  • 過集中になりやすい
  • 睡眠が安定しない
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ストーリー

20代で双極性障害(双極症)を発症したYさん。体調などの不安がある中、LITALICOワークス京都駅前を利用し、株式会社NTT西日本ルセント(以下NTT西日本ルセント)に就職しました。現在は事務やチーム管理の業務で活躍するYさんに、障害者雇用に決めたきっかけや仕事のやりがい、受けている配慮などを伺いました。

長く働くことを考えるからこそ、障害者雇用を選択

ーー障害について教えてください

発症したのは20代のころです。父の死がきっかけで仕事に行けなくなり、転職しましたが、気分の落ち込みや睡眠の不安定などつらい状態が続きました。病院を受診し、最初はうつ病と診断されましたが、その後に双極性障害(双極症)と診断されました。

 

診断を受けたときは「自分の体に問題を抱えてしまった」と思って落ち込みましたし、仕事に就けるのか、今後の生活はどうなるのか、経済面への不安も大きかったですね。

 

ーーLITALICOワークスに通うきっかけを教えてください

LITALICOワークスを最初に知ったのは、前職を辞めた後、就活もうまくいかず体調にも不安がある中で、インターネットで情報収集をしていた時です。ステップアップしながら就活できる場所を探していたところLITALICOワークスの情報に出会い、そこからほかの事業所も含めて見学と体験をして、一番通いやすいと思ったので利用することにしました。

 

できるだけ早く就職したいという希望があったので、通所してからすぐに就活を始めました。スタッフからも、履歴書の添削や面接の練習など、手厚く支援してもらったことを覚えています。

 

就職活動では、自分でインターネットなどを使って求人を探し、現在の職場以外にも5、6社応募しました。

 

ーー障害者雇用で働くことを決めたきっかけは?

LITALICOワークスに通い始めた頃は、一般雇用と障害者雇用のどちらで働くか迷っていました。その後、LITALICOワークスのスタッフから双方のメリットとデメリットを教えてもらったことで、障害者雇用で働こうと考えるようになりました。

 

イメージとしては、一般雇用で働くと、100メートル走をずっと走り続けるような感じがしました。それよりも、長距離走で休憩を取りながら働く障害者雇用の方が、自分には合っていると感じたんです。半年くらいなら一般雇用でも働けたかもしれませんが、長く働くことを考えて障害者雇用での働き方を選んで良かったと思っています。

入社して感じた「働く環境が整っている」という感覚

ーー入社後の印象を教えてください

NTT西日本ルセントに入社してみて、まず「働く環境が整っている」という印象を受けました。障害に関しても理解があり、急な体調不良があったときなどに休みやすい雰囲気がありました。入社前は「体調が悪くても、ちゃんと働かなきゃ」という気持ちが強かったので、そうしたプレッシャーを感じすぎることなく、安心できています。

 

私は冬の時期に体調を崩しがちで、朝起きられないことが多くなります。そのことは職場にも相談済みなので、体調に合わせて1時間単位の休みや半休を取らせてもらうという配慮を受けています。

 

また、自分のやる気があれば仕事を任せてもらえるという風土なので、やりがいを感じながら働けています。体調に合わせて働けますし、ステップアップもできる環境だと思います。

 

ーー入社してから取り組んだ業務を教えてください

現在は入社3年目ですが、1年目は仕事を覚えようと必死で、体調的にきつくて休んだ時もありました。でも、休んでも必要以上に罪悪感を感じなかったのは、現在の職場の環境のおかげで「無理はしなくていい」ということに気づけたからだと思います。

 

最初は、未経験の業務内容に不安を感じていましたが、「報連相を徹底する」ということを意識したおかげで乗り越えられました。

 

2年目はルーティーン業務を覚えたので、それを発展させたり、ほかの人にレクチャーしたりして仕事の幅を広げていきました。

 

入社してからできるようになったことは、主にオフィスソフトの機能拡張などで使用する、VBAというプログラミング言語です。もともと、ある程度エクセルが使える状態で入社しましたが、VBAのことは先輩に聞きながら勉強して身につけていきました。あまり苦にならなかったので、適性はあるのかなと思っています。

 

ーーほかに受けているサポートはありますか?

職場の上長と、月に一度1on1ミーティングで面談をしているほか、半年に一度は職場の専門カウンセラーの方であるアドバイザリー担当と面談をしています。あとはLITALICOワークスのスタッフの方とも、定着面談として月に一度話をしています。

 

こういった面談があると、自分のことを振り返るいいきっかけになるのでありがたいです。

チームのバランスを考え、予定通りに納品できた時にやりがいを感じる

ーーやりがいを感じるのはどういった時ですか?

入社当初は、雇用保険に関する業務に携わっていました。その仕事ができるようになってきてからは、上長と相談をして、申請者リストなどを扱う管理の仕事も増やしました。それと並行して、自分の業務の効率化にも取り組んでいきました。

 

リスト管理の後は情報管理を行い、さらに現在ではチームの進捗管理の仕事にも携わるなど、業務の幅を広げているところです。チームの進捗管理では、さまざまな特性がある方がいるのでそれぞれの仕事の量やスピードなどを見ながら、上長とも相談してバランスが取れるように意識しています。

 

チームの作業バランスが偏らないように気を付けながら、予定通りに納品させることができたときにやりがいを感じています。

 

ーー仕事での今後の目標を教えてください

今後は、自分の作業領域をさらに増やしていきたいと思っています。それとともに、今は局所的に見ているものをもっと視野も広げていき、全体的な作業のやり方がわかっている状態を目指していきたいと考えています。

 

そのためにもまずは、次年度で作業領域を一部増やして、経験を積みたいと思っています。そこからできたことを軸に、さらにステップアップしていくことを考えています。

環境さえ整えば、みんな能力を発揮できる

ーー仕事外でのリフレッシュ方法は何かありますか?

一番の癒しになっているのは、飼い猫ですね。それと、美味しいご飯を思いっきり食べるということ。特にお肉を食べることは、私には効果があります。

 

以前から、猫や食べることは好きだったのですが、「リフレッシュ方法」として明確に意識したのは、LITALICOワークスのストレスコントロールのプログラムを受けてからです。ほかにも、自己理解系のプログラムも受けて、自分の意識の深いところが分かってきたなと思っています。体調が良くなる時と悪くなる時のきっかけが洗い出せましたし、それをもとに配慮してもらいたいことを職場にも伝えられたので、仕事をする上でも役に立ちました。

 

ーー生活での今後の目標を教えてください

その時にやりたいことを、躊躇せずにできる状態になりたいと思っています。何か明確な目標があるわけではありませんが、やりたいことが浮かんだときに実行できるだけの体力面や精神面、金銭面の余裕が維持できているといいのかなと考えています。

 

「自分が生きたいように生きたい」というのはずっと思っていて、今はその状態に近づけているかなと感じています。

 

ーー最後に、働くことに悩んでいる方へのメッセージをお願いします

先ほどもお話したように、私は冬の時期に体調を崩して朝起きられないことがあり、これは多くの会社では遅刻扱いになると思います。でも、現在の職場ではこのような場合も、事情を伝えた上で時間休を取ることができるので、過度なストレスなく働くことができています。

 

環境さえ整えば、みんな能力を発揮できると思います。

 

インタビュー:2024年1月26日

※掲載内容(所属や役割、診断名など)は
インタビュー当時のものです。

企業からのコメント

【京橋第一センター センター長 進士治様より】 Yさんは、弊社に入社されてから、自らVBA(プログラミング言語)の勉強をされるなど高いチャレンジ精神をもって業務に取り組んでいただいております。従来の業務フロー等についても、手作業での処理フローだったものに対し、VBAプログラムを使った自動化処理を実施していただくなど、弊社業務の効率化と高品質化に大きく貢献していただきました。 入社3年目からはチームリーダーに就いていただき、チームメンバーと連携して業務を実施していただくなど、弊社にとって重要な戦力として活躍してもらっています。 最近では、当センター内で職場体験を受け入れる機会がありましたが、その際にYさんに体験メニューの作成や、実際に体験に来られた方へのサポートでもご活躍いただきました。 Yさんには今後、弊社の主力としてさらに活躍いただくことを期待していますので、LITALICOワークスさんと一緒に、より一層成長していただけるよう引き続きサポートしていきたいと思っています。

スタッフからのコメント

Yさんは着実にスキルアップしてこられ、今後の展望も持ちながらお仕事に向き合っておられる姿勢が素晴らしいと思います。ご自身の特性を会社に伝えて理解を得た上で、長距離走の感覚で長期就労されている点を、支援者としても大変喜ばしく感じております。 これからも、Yさんの「働く」を陰ながら応援させていただきたいと思います。
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