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障害のある方の就職事例

高次脳機能障害(精神障害)の仕事・就職事例 -医療・事務-

高次脳機能障害(精神障害)の仕事・就職事例 -医療・事務-

職場環境に配慮「働きやすい環境です」

男性/40代/医療/事務

高次脳機能障害

高次脳機能障害から肉体労働を断念

建設業で毎日肉体労働に汗を流していたOさん。しかし、若くして脳梗塞を発症し、後遺症から同じ仕事を続けられなくなってしまいました。
「肉体労働一辺倒で、むしろそれを誇りにしていたんだ。今更、事務職なんてやってられるか……と思っていたんだよ」
当時を振り返り、Oさんはそのように語ってくれました。

実際、事務職で就労していくにはパソコンのスキルに不安があり、収入面などの理想と現実とのギャップも大きく、なかなか自力での就職活動が進まない状況でした。そこで、地域の障害者職業センターからの紹介でLITALICOワークスの存在を知ります。スタッフと相談する中で、「ここで頑張ってみよう」と決め、利用していくことになりました。

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スキルアップから、Oさんにあった仕事内容と感情コントロールを

Oさんの課題は、記憶障害や注意欠陥以上に、感情のコントロールにありました。思うように体が動かないことからくるストレス。記憶力の低下による同じ間違いの繰り返し。集中力の低下もあって、特にパソコンのスキルがなかなか向上しませんでした。

「やってられるか!」
プログラム中、イライラが爆発し、大声で怒鳴ってしまうこともしばしばありました。

「怒鳴ってすまない。悪いとは思っている。でも、何度やってもうまくいかない」
時間をおいてスタッフと顔を合わせると、Oさんは毎回きちんと謝罪します。

「これは提案なのですが、Oさんにもっとあった仕事探しと、感情のコントロールを中心にトレーニングしていきませんか?」
誠実な人柄であることの良さを企業へアピールしていきたいと考えたスタッフの提案に、Oさんは少しだけ不安な表情を見せました。

「もともと、なんのスキルも持っちゃいないんだ。仕事は見つかるのか? 大丈夫だろうか?」
「世の中にはいろいろな仕事があります。Oさんに合った仕事を探すのも、私たちの仕事です。もちろん、Oさんにも協力してもらわないといけませんが……」
スタッフの言葉に少し考えてから、
「わかった」と、Oさんはうなずきました。

その日から、パソコン等のスキルアップを目指すのではなく、Oさんにあった職場探しと感情のコントロールを身につけていくようにトレーニングしていきました。

働きやすい職場で、笑顔の増えたOさん

順調にトレーニングを行っていき、その後、ハローワークとも連携し、ファイリングやメール対応などの総務事務の仕事に応募し、見事に就職が決まりました。

メール対応などのパソコン作業はやはり苦手のようで、ミスが目立っていました。しかし、ゆっくり入力すれば正確にできることを職場でも理解してくれるようになり、「ゆっくりで大丈夫です。正確に入力するようにお願いしますね」と、比較的スピードを求められない業務を任せてもらうようになりました。Oさんに合った仕事内容の調整はその後も続いているそうです。

定期面談でOさんは、緊張のとれた顔をしていました。
「苦手なことや、できないことを相談しやすい。調整もしてくれる。働きやすい職場です」
と笑顔のOさん。現在も、自分のペースで仕事を続けています。

※プライバシー保護のため、一部の文章について事実を再構成しております。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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