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障害のある方の就職事例

統合失調症(精神障害)の仕事・就職事例 -学校・司書-

統合失調症(精神障害)の仕事・就職事例 -学校・司書-

障害をオープンにしない就職

女性/30代/学校/バックヤード・受付

統合失調症(精神障害)

「仕事をしたい、就職したい」という意欲から就労移行支援を利用

Tさんは「統合失調症」と診断されています。

統合失調症とは、精神機能のネットワークがうまく働かず、感情や思考をまとめることが困難になる精神障害です。統合失調症の代表的な症状としては、幻聴や妄想などの「陽性症状」、感情の平板化や意欲の低下などが見られる「陰性症状」、状況に臨機応変に対応しにくい「認知機能障害」などが挙げられます。

Tさんの場合、現在も病院に通院しながら治療を続けており、症状は安定して良好に過ごしています。元々物静かな性格で口数が少ないということもあり、ちょっと話しただけでは病気のことはわからないくらいです。しかし非常に疲れやすく、ちょっとしたストレスから調子を崩してしまうということがよく見られました。

Tさんは「少しずつでも仕事をしたい」という意欲を持っており、LITALICOワークスの就労移行支援を利用することを決めました。

病気であることを明かさずに働きたい!就職したい!

本人の希望による就労移行支援の利用開始でしたが、最初のころは環境の変化による疲れのせいか、しばしば欠席を繰り返していました。

最初だけであれば精神的な疲れによる欠席は環境の変化によるものとして起こりうるものですが、問題なのは「通うだけでこんなに疲れては、まともに働くことなど無理なのではないだろうか?」と、Tさんが働く自信を失いかけたことでした。

スタッフはTさんと面談を繰り返しました。
まずは就労移行支援事業所の環境に慣れることによって、徐々に疲れは軽減していくだろうということを理解していただきました。欠席してしまった日も、自信を失ったり落胆したりする必要はなく、ゆっくり心身を休めてほしいということを説明し、Tさんがあまり疲れないよう、多めに休憩を挟むなどの工夫を凝らしました。

このような工夫やTさん自身のがんばりもあり、少しずつ欠席も減り就労に対して意欲的な姿勢が見られるようになってきました。

次に、スタッフはTさんと「どんな仕事がしたいか、どのような働き方がしたいか?」といったことを話し合いました。

最初は漠然と「仕事したい、働きたい」と思っていたTさん。しかし仕事に対する自信が持てるようになると、「周囲から病気だと思われないくらい安定して仕事をしたい」と考えるようになりました。そしてさらに、「できることなら、病気であることを明かさずに働きたい」とも希望するようになりました。

自分の好きな仕事に打ち込むすばらしさ

統合失調症であることを明かさずに働きたいというTさんの意向によって、求人応募は一般枠に絞りました。また、Tさんの疲れやすさを考慮し、勤務時間の短い仕事の求人を探すことにしました。

やがて「学校の図書館のアルバイト」という仕事が見つかりました。シフト制で1日5時間の勤務なので、身体に負担が少なく、時間的に無理なく通院もできるという点で、Tさんにはぴったりの求人でした。また、Tさんは元々読書好きで、本に囲まれて静かな環境で仕事ができる点も気に入ったようです。

統合失調症のことを職場に知らせずに勤務をスタートしたため当初は心配もありましたが、Tさんは生き生きと働き始めました。就職直後は頻繁に行っていた面談や電話相談も、半年後には徐々に簡単な経過報告だけで問題なくなっていきました。

「大好きな本に囲まれ、静かで落ち着きのある職場で、集中して仕事に打ち込める。すばらしい職場に巡り合えました!」とTさんは子供のように目を輝かせます。 自分に合った職場環境と、自分の好きな仕事に巡り合えたTさん。今もTさんは自身のペースで好きな仕事を続けています。

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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