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障害のある方の就職事例

アスペルガー症候群(発達障害)・うつ病(精神障害)の仕事・就職事例 -洗車・事務補佐-

アスペルガー症候群(発達障害)・うつ病(精神障害)の仕事・就職事例 -洗車・事務補佐-

必要な人に障害開示、希望を素直に伝えるということ

男性/20代/自動車販売/洗車・事務補佐

アスペルガー症候群(発達障害)、うつ病(精神障害)

就職活動ではじめて分かった障害

Wさんは、一見すると障害の特徴がまったく感じられません。人とは異なる部分にこだわったり、コミュニケーションが少しギクシャクしたりということはありますが、「ちょっと風変わりな人」という程度の印象で、学生時代は周囲から「真面目すぎて融通がきかないタイプ」だと思われていたそうです。
大学卒業後、Wさんは東京・神奈川を中心に就職活動をはじめました。しかし、どこも面接が通らず、不採用が続く日々。内定が貰えないことを焦り、そしてそのストレスから抑うつ状態になりました。そのことを大学の保健室で先生に伝えたところ、病院を紹介されました。そして、紹介された病院でアスペルガー症候群だと診断されました。
アスペルガー症候群は広汎性発達障害の中に位置づけられており、自閉症に含まれるタイプの1つです。成長とともに対人関係の不器用さがはっきりとしてくるのが特徴です。言葉の発達の遅れがないことが自閉症と違うところになります。
アスペルガー症候群についてどういったものなのか、治るものなのか、もう普通の生活を送ることはできないのか。「さまざまな不安が頭をよぎった」と当時を振り返りながらWさんは語ります。友達や親にも話せない中、唯一相談できたのは病院を紹介してくれた保健室の先生でした。
進路の悩みや病気の悩みなどの相談にのってもらっていたところ、先生からLITALICOワークスの就労支援を紹介されました。

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得意なこと・苦手なことを整理して挑む就職活動

LITALICOワークスの利用がはじまりました。LITALICOワークスではさまざまな内容のトレーニングをおこないますが、Wさんは真面目で素直にプログラムに取り組むあまり、頭の中が混乱してしまうことがあったといいます。また考え方がまっすぐ過ぎて、ほかの利用者の言動が許せないと感じることもあったようです。やることが明確な作業に関しては集中して誰よりも成果を出していましたが、複数同時におこなわれる指示に対しては、柔軟な対応ができないことも多々ありました。
就職活動の面接でも、面接官の質問の意図が汲み取れずに失言をしてしまうなど、苦戦する日々が続きました。そこで、スタッフとの面談を重ねる中で、Wさんにはできるだけ指示が変更されることの少ない仕事が向いているのだと理解した上で、そのような仕事を探していくことになりました。
もともと車が大好きであったWさんに、神奈川県にある自動車販売会社の洗車と事務作業補佐の求人を提案したところ、応募することになりました。

周りがフォローしてくれるから仕事を続けられる

自動車販売会社の面接で、店長と採用担当者に、Wさんの障害特性について説明しました。そしてアスペルガー症候群やうつ病の特性について理解を得た上で、採用が決まりました。
また全従業員に自分の特性を伝える必要はない、とのWさんの意志が尊重され、Wさんは必要な配慮を目立たない形で受けながら、一見して他の人とほぼ変わらない形で働いています。
たまに不安定なときもあるようですが、事情を知っている店長がフォローを入れてくれるおかげで、上手く働き続けているそうです。
自分ひとりではなかなか乗り越えることが難しい壁も、周囲の適切な理解とサポートがあれば、乗り越える方法はきっとみつかるはずです。Wさんの場合、本人が勇気をもって保健室の先生に相談し、LITALICOワークスのスタッフとともにトレーニングに取り組んだことによって道が開けました。もちろん、理解ある職場と出会えたことも大きかったと思います。しかし、そのような出会いを呼び込むことができたのも、Wさんが自分の障害と向き合い行動できたからではないでしょうか。

 

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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