適応障害(精神障害)の仕事・就職事例 -商品管理-
仕事に対する誠実な心がまえが認められた
男性/20代/小売業/商品管理
精神障害
パワハラが原因で退職したAさん
穏やかな性格のAさんは、何事もゆっくりペースではありましたが、丁寧でミスのない仕事をする方でした。
「前の職場の上司が、すごく怖いひとでした。だから、辞めることにしました」
事務の仕事をしていたAさんでしたが、ゆっくりとした仕事のペースを上司に咎められ、その言い方に強い恐怖を感じてしまい、夜なかなか寝れなくなってしまったそうです。その後も、無能扱いをされたり、強く叱責されたりと、上司からの風当たりが強く、気持ちが耐え切れずに少しずつ会社に行くことが出来なくなり離職しました。
メンタルクリニックに通いながら、これからの仕事について悩んでいました。
そんな時、主治医の先生からLITALICOワークスを紹介してもらい、利用を開始することとなりました。
毎朝5時、無遅刻無欠勤で採用を掴む
LITALICOワークスを利用開始してからは、作業トレーニングを中心に取り組みました。丁寧な仕事ぶりで、ほとんどミスもありません。
Aさんの丁寧さがいかせる仕事を、と就職先を探す中、就業・生活支援センター経由でスーパーでの商品管理の求人がきました。Aさんは5日間の雇用前実習を行うことになりました。
スーパーの朝は早く、また勤務先がAさんの自宅から遠い場所にありました。そのためAさんは毎日5時前に起きて、バスと電車を乗り継いでの通勤となります。
しかしAさんは1日も遅刻することなく、元気に通勤。現場の担当の方もやわらかい物腰の女性で、注意を受けても恐怖心が生じることはなく、「前の職場より働きやすいです」とのびのび仕事をしていました。
無事、5日間の実習を終えたAさん。実習での頑張りが認められて採用が決まりました。
ボロボロのメモ帳は、誠実さの証
仕事を覚えるのは、ややゆっくりのペースだったAさん。まずはパートとして働くことに決まりました。働き始めて1か月後、スタッフが様子を見に行くと、元気に働くAさんの姿がありました。担当の社員さんにAさんの様子をきくと、「ありがたいです」との言葉が。
「1日も休まず、誰よりも早く職場に来てくれるので助かっています。アドバイスしたことは全部メモ帳に書いているみたいで、次からちゃんと守ってくれるんですよ」
1年経った今でも、Aさんは余裕を持った通勤と、アドバイスをメモにとることを続けているといいます。
「教えてもらったことは、ちゃんと覚えたいからメモに書いています。毎日業務を振り返って、明日の目標を立てるんです。時々、間違えることがあるから、ちゃんとしないと」と語るAさんのメモ帳は分厚く、ボロボロになっていました。
勤務形態がフルタイムになってからも、スタッフと担当の社員さんとで連携を図りながら、Aさんが少しでも自信を持って働き続けられるような環境作りを心掛けていきました。
「あのメモ帳は、Aさんの誠実さの証だね。あれを見ると、自分も頑張らなきゃ!って思うんですよ」と、職場の社員さん達の励みになっているというAさん。
少しずつ自信を掴んでいくAさんの姿は、「自分もAさんのように働こう!」とLITALICOワークスの利用者の皆さんの励みにもなっています。これからも、焦らず少しずつ、Aさんが着実に仕事を覚えていけるようにサポートを続けていきます。
※プライバシー保護のため、一部の文章について事実を再構成しております。
※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。