股関節機能障害(身体障害)の仕事・就職事例 -事務補助-
前職での経験をいかし、60歳の再就職!
男性/60代/保険/事務補助
股関節機能障害(身体障害)
営業が得意だったWさん
大手ゼネコンで営業や人事や経理など、様々な仕事を経験したWさん。40代の頃に独立し、土木・建築関係の会社を営んでいました。最も得意としていた営業の能力をいかし、社長であるWさん自身が精力的に外回りをする毎日。しかしある日、股関節に違和感が生じるようになりました。
「痛みがあるけれど、自分が外回りしてお客様の元に行かなければ、誰が仕事をとってくるのか」
代表である責任感から、痛みがあってもだましだまし仕事を続けていたWさん。しかし、とうとう痛みが激しくなり、手術を受けることになりました。その間、少しずつ世の中の景気も悪くなっていき、ついに会社は借金を抱えて倒産。職を失うことになります。
「営業以外の仕事をしたことがないし、体は思うように動かない。イライラしっぱなしだったよ」
60歳になったばかりだったWさん。今からひとりで就職活動をすることにも不安があり、ハローワークに相談に行ったところ、LITALICOワークスを紹介してもらい、そのまま利用を決めました。
細かなところまで洗い出し、適切なジョブマッチングを目指す
歩き回ることができなくなったため、希望職種は必然的にデスクワークに絞られたRさん。ところが営業で外回り中心の仕事をしていたため、「パソコンは若者に任せていた」とのこと。
実際、タイピングは人差し指一本で、ひとつずつキーを叩くのが精一杯の様子。両手でキーを叩けるようになるために、地道にいちからブラインドタッチを覚えるプログラムを始めることになりました。
また、同じ姿勢で座りっぱなしの状態も股関節にはかなりの負担になることが判明。こまめな休憩が必要になります。
「駅から遠いと歩かなければいけないし、休憩しやすい環境でないといけない……こんな職場あるのかね?」
不安げなWさんの声に、スタッフは「大変ですが、大丈夫です。求人票だけでは分からないところを確認して、事前に確認しないといけませんね。細かい作業になりますが、できない作業じゃありません。一緒に頑張りましょう!」
それからというもの、ジョブマッチングは慎重に行いました。応募する前には職場の物理的な環境を確認し、こまめな休憩をはさめる配慮をもらえるかどうかなど、求人票からでは窺い知れないポイントを、スタッフと一緒に丁寧に洗い出しました。
そして、ようやく条件と折り合う、しかもゼネコン時代の知識や経験がいかせる仕事に採用決定したのです。
「定年まで勤めあげてみせる!」
職場では、長時間座ったままだと痛みが生じるなど、あらかじめWさんの状態を伝え、対応をお願いしていました。就労環境について事前に細かく確認していた甲斐あって、「とても働きやすいよ」とWさんは笑顔で仕事のことを話してくださいます。
「職場じゃ、かなり融通をきかせてくれて、ありがたい限りだよ。定年までわずかしかないけれど、それまで勤め上げてみせるさ!」
気合十分で話すその声は、60代とは思えない、働き盛りの青年のような若さに満ちていました。
※プライバシー保護のため、一部の文章について事実を再構成しております。
※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。