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障害のある方の就職事例

アスペルガー症候群(発達障害)の仕事・就職事例 -在宅ライター-

アスペルガー症候群(発達障害)の仕事・就職事例 -在宅ライター-

誰にも言えなかった高校時代の「夢」

女性/30代/在宅ライター

アスペルガー症候群(発達障害)

学生時代は成績優秀、1人で読書する日々

小学校の頃から友だち付き合いが苦手で、なかなか集団の輪に馴染めなかったTさん。
入学当初は、同級生と昼休みや休日に遊ぶこともありましたが、自分の思ったことをすぐ口にしてしまったり、自分のこだわりや関心があることを一方的に話してしまう特性からか、だんだんと同級生と遊ぶこともなくなっていきました。図書室や自分の部屋、本を読んだり絵を書いたりして1人で過ごすことが日課になっていきました。
高校生になってもその生活は変わらず。同級生と関わることは少なく、休み時間はいつも図書館で本を読み続ける日々。この頃から、本を読んだ後はその感想をブログに投稿してみたり、人のブログを読んでみたりと、自分の心情を言葉で表現することに興味を持つようになりました。
当時のTさんは、人とのコミュニケーションや友だち付き合いは苦手でしたが、勉強はでき成績は優秀。日常生活において、困りごとはほとんどありませんでした。

大学時代、増える困りごとと衝撃の診断

大学進学後、うまくいかないことが徐々に増えてきました。
その1つに、「授業の履修」がありました。高校までは授業が曜日・時間ごとに決められていて、その通りに授業に出ていればよかったのですが、大学では自分で授業を選択しなくてはなりません。
もともと計画を立てるのが苦手で、なおかつ人とのコミュニケーションも苦手だったTさん。1年が過ぎた頃、ほとんどの単位を取得することができませんでした。
困っていることをネットで検索したら、似たような特性で悩む人のブログを見つけ、食い入るように毎日見続けました。自分が障害であるとなかなか受容ができずにいたものの、病院に行くことで解決するのではないかと思いました。母親と一緒に行った病院で「アスペルガー症候群」と診断されました。Tさんも母親も、はじめは現実を受け入れるのは難しかったそうです。

「アスペルガー症候群」の特性を学び、対策を立て、なんとか大学を卒業したTさん。
家族の意向もあり障害のことは伏せて一般枠で就職を決め働きはじめました。
しかし、「あいまいな指示がわからない」「雑談が苦手で人間関係がうまくいかない」などの理由で2回転職をしましたが、どれも1年と続きませんでした。

3回目の転職は障害者雇用でした。
障害者雇用で、上司や同僚から配慮をもらい、「これでやっと続けていける」と思っていた矢先に上司の異動。新しい上司からは障害の理解や配慮を得ることができず、退職することになってしまいました。
通院先の病院に相談をしたところ、就労移行支援事業所という存在をはじめて知り、LITALICOワークスに通うことを決めました。

本当にやりたい仕事はライター

LITALICOワークスに通いはじめた頃、「地元の名古屋で、事務職やCADを使う仕事に就きたい」と話していたTさん。LTIALICOワークスのプログラムや就職活動をこなし、早々に事務職で内定が1社出ましたが、急に辞退したいとのこと。

気になったスタッフが改めて本人と話す時間を設け、Tさんの心の声を聞かせてほしいと話したところ「私には自発性がない、今までも親の希望する人生を歩んできただけです」「家族は障害と夢について理解がなく、金銭的な理由で早く仕事を決めてほしいと言われている」「本当は高校の時からライターになりたかった」と泣きながら話してくれました。

スタッフはやっと本人の心の声を聞くことができたとうれしく思い、ライターになるための方法を急いで模索しました。LTIALICO本社にライター経験のあるスタッフがいることが分かり、すぐにネット面談を実施。メールマガジンのために書かれた文章を添削するインターンの機会をつくりました。内容によっては採用枠も作ってもらえるとTさんに伝えると、張り切って業務に励みました。

「高校生からの夢」と「家族の理解」の両方をGet!

インターンの結果、採用には至りませんでした。不採用なったことに重ねて、早く就職してほしいという家族からのプレッシャーから体調が悪化。LITALICOワークスも休みがちになってしまいました。スタッフは、通院同行とご家族との面談を重ね、ライターの職が長年の夢であったことや、事務職からライター職へ変更してからの変化、Tさんの取り組みを応援してほしいという旨を何度も伝えました。Tさんの夢を知らなかったご家族は、夢があったことに驚くと共に、「夢を実現できるのであれば、本人の好きにやらせてみたい」と話してくれました。
ご家族の理解を得られ、関わり方にも変化が生まれたことで、Tさんの体調はだんだんと戻り、ライターになるための勉強に邁進していきました。
そしてLITALICOワークスの求人イントラネットで、在宅ライターの仕事を見つけました。もともと対人関係に苦手意識があったので、自宅にいながらライティングの仕事ができることに魅力を感じました。早速応募しましたが本社が東京にあったため、スタッフが東京本社に赴き在宅ワークの説明を受けました。本人と相談し、遠隔でのインターンを2週間実施しました。
インターンでは、本人が今まで学んできたことの成果が出たのか、採用1名という激しい競争の中、見事に内定をもらうことができました

それから就職して2年。
定着支援で月に1度お会いするTさんは、現在も在宅ライターとして活躍しており、「今度は自分のように悩んでいる人を少しでも助けられるような記事を書きたい」と楽しそうに仕事の話をしてくれました。

 

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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