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障害のある方の就職事例

うつ・不安障害(精神障害)の仕事・就職事例 -フラワーコーディネーター-

うつ・不安障害(精神障害)の仕事・就職事例 -フラワーコーディネーター-

「やりたいこと」を仕事にしたい

女性/20代/フラワーコーディネーター/花屋

うつ・不安障害(精神障害)

生きがいを仕事にしたい

元々、気分が沈みがちで、うつの傾向を抱えていたMさん。地元の大学に進学後、就職活動のストレスからうつ病と診断されました。加えて、不安障害と睡眠障害の症状にも強く悩まされていました。
大学は何とか卒業できたものの、うつの病状はひどくなっていたため、治療のためにクリニックへの通院を続けました。そんなMさんに、主治医の先生から「何か自分の心を癒してくれるものを見つけましょう」とアドバイスされました。最初は何もピンとこなかったMさんでしたが、ある日道端に咲く一輪の小さな花に心癒されいる自分を発見しました。
それ以来、Mさんは四季折々に咲く植物との出会いを楽しみはじめました。体調がいい日は、散歩に出かけたり植物園にいったりすることが何よりの生きがいになりました。
そうしてMさんは、花と植物に関わる「フラワーアレンジメントの仕事をしたい」という夢を抱きました。1人で就職活動をする自信がないMさんは、クリニックでLITALICOワークスを勧められ、利用することに。Mさんの夢を叶えるべく、スタッフは職業相談窓口や職業訓練施設に相談してみたところ、フラワーアレジメントという仕事の専門性の高さやMさんに接客経験がないことから、現状の就職は難しいと言われたり、該当する障害者雇用枠の仕事がなかったりと暗礁に乗り上げていました。

障害のある方の技能を競う、アビリンピックに挑戦

ある日、LITALICOワークスと付き合いのある行政担当者から、「今度、私たちの県でアビリンピック(全国障害者技能競技大会)が開催されるのですが、もし参加資格に該当するLITALICOワークスの利用者がいらっしゃるなら、参加を勧められてはいかがですか?」というお誘いがありました。

アビリンピックとは、障害のある人たちが日ごろ培ってきた技術を競い合う晴れの舞台です。英語で「能力」を意味する「アビリティ」と「オリンピック」を合わせた造語から生まれ、障害のある人たちの技術向上と、企業の雇用促進、障害のある人たちへの理解を社会や企業に広めることを目的に、1972年から全国各地で開催されている大会です。
アビリンピックでおこなわれる種目には「電子機器の組み立て」や「ホームページの作成」「パソコンのデータ入力」「歯科技工」「プログラミング」の他、接客技術を見る「喫茶サービス」「ビルクリーニング」など、多岐に渡っています。その中に、Mさんが将来仕事にしたい「フラワーアレンジメント」があることを知ったスタッフは、さっそくMさんにアビリンピックへの出場を勧めてみました。

スタッフはMさんにフラワーアレジメントの知識と経験を積むにはぴったりの機会であることを説明しました。最初は自信なさげな表情をしていたMさんでしたが、スタッフと面談を繰り返す中で「夢を叶えるために挑戦してみたい」と前向きな気持ちになり、Mさん自らアビリンピックにチャレンジすることを決めました。
Mさんをサポートするべく、スタッフがいろいろ調べてみると、アビリンピック出場者には、技能・技術向上にかかる様々な費用に対して、県から上限50万円まで助成金が出る制度があることを発見しました。ところがさらに詳しく調べてみると、その助成金は先に出場者が費用を支払ったのち、事後に報告書を提出して請求額が認められたら、後払いで出場者に入金される仕組みとなっていました。しかし、今すぐフラワーアレジメントの勉強に使えるお金を持ち合わせていないMさんには、どうにも利用しにくい制度でした。

いろいろと考えた後、スタッフがフラワーアレジメントの勉強資金の立替えができないか、本社に提案・交渉をすることに。その交渉のために、Mさんとスタッフで面談を繰り返し、なぜ資金が必要なのかを文書にし、それを持ってスタッフが交渉にあたりました。その結果、Mさんとスタッフの熱意が認められ、資金の立替えが決定し、フラワーアレンジメント講座を受講できることになりました。

自信と能力を高めて、見事手にした賞状&就職

専門性の高いフラワーアレンジメントの講座は、LITALICOワークス内で学ぶことはできないため、外部のフラワーアレンジメント教室の先生と連携し、Mさんの技術向上に向けたトレーニングがおこなわれました。
Mさんはアビリンピックが開催される前日まで、LITALICOワークスでのカリキュラムと外部フラワーアレンジメント教室での勉強を毎日のように粘り強く頑張り、めきめきと力をつけていきました。
そして、いよいよアビリンピック。気にあるMさんの結果は……県の予選を勝ち抜き、アビリンピック全国大会で見事、上位入賞を果たしました!表彰状を手にし、晴れやかな笑顔でステージに立つMさんに、LITALICOワークスのスタッフ一同も心から感動しました。

Mさん自身が「やりたいこと」を見つけ、資金難や体調のことなど、いろいろなハードルがありながらもあきらめずにチャレンジし続けたことが、まさに報われた瞬間でした。
アビリンピック上位入賞が自信となり、フラワーアレンジメントを仕事にしたいという気持ちが大きくなり、スタッフに「業務経験はないけれど、アビリンピック入賞というスキルで働ける企業はありませんか?」と相談をしました。スタッフはすぐにエリア・本社と連携し、「花屋でのフラワーコーディネーター」の仕事を見つけ、早速Mさんに提案しました。その話を聞いたMさんは、「ぜひ面接を受けてみたい……けれど、面接が不安」と自信なさげに回答しました。
面接を受けたことのないMさんのため、応募書類の作成~模擬面接のプログラムを集中的に組み、書類作成も模擬面接も何度も繰り返しました。その努力が実って書類が通り、いざ面接へ。面接日当日、Mさんは「大丈夫です。頑張ります!」と意気込んで挑んだ結果、見事採用されました。
雇用前実習で結婚式場の装花をおこない、企業担当者から「センスがある」と評価され、接客や花の仕入れは担当せず、フラワーコーディネートの仕事のみの週5日フルタイムで働くことに。LITALICOワークス最終日、スタッフに「短期間でフラワーアレンジメントのスキルを身に付けられ、希望の職種に就職できて幸せです!」と涙ながらに語ってくれ、スタッフも一緒に涙を流してMさんを送り出しました。
1ヶ月後、スタッフとの面談で「今、大規模な式典のフラワーアレンジメントを造っていて、毎日充実しています」「もっとスキルを身に付けて、いろいろな仕事に関わりたいです」とうれしそうに話してくれました。

 

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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