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障害のある方の就職事例

広汎性発達障害(発達障害)の仕事・就職事例 -事務-

広汎性発達障害(発達障害)の仕事・就職事例 -事務-

苦労の末に見つけた、自分に合った仕事

男性/30代/営業事務/IT企業

広汎性発達障害(発達障害)

初めて聞いた「発達障害」という言葉

Oさんが大学を卒業後、はじめての仕事は運送会社のドライバー。コミュニケーションが苦手なOさんは、面接でうまく話すことができず、就職活動はほぼ全滅。途方に暮れていたとき、求人誌でドライバーの契約社員の募集を見つけ応募しました。もともと車の運転が好きだったので、配送の仕事は自分に合っているという確信がありました。
しかし、「道が覚えられない」「配達先を間違える」「時間内に配送を終えることができない」など、勤めだしてからは苦労の連続。
上司には毎日のように怒鳴られ、職場に行くことがつらいと思う日々が続きました。それでもなんとか3年ほど頑張りましたが、朝起きるのがつらくなり、会社に行っても体調不良……だんだんと仕事に行くことができなくなってしまい、そのまま退職に至りました。
退職後は昼夜逆転の生活になり、家から出ることができなくなっていました。引きこもり状態が続き、心配した家族と共に心療内科へ。心療内科では、「広汎性発達障害」と「うつ病」と診断されました。
それまでに、「うつ病」という言葉は聞いたことがありましたが、「発達障害」ははじめて耳にした言葉で、大変混乱したそうです。当時はインターネットも今のように発達しておらず、全く情報がなく困っていました。

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障害を開示して働いてもうまくいかないこともある

心療内科の医師から「生活習慣を見直すように」と言われ、デイケアに通うようになりました。最初は外に出ることも苦手なため、通うことに前向きになれませんでした。しかし、デイケアで自分と同じ障害に悩む人たちと話すことで、なんとなく自分の気持が安らぐようになりました。1人また1人と働くためにデイケアを卒業する方を見送るうちに、Oさんの中で再び働きたいという気持ちが湧いてきました。デイケアの職員に相談して、「障害を開示して働いてみてはどうか」と提案されました。
最初は、知らない人に自分の障害を話すことに悩みましたが、次こそは自分に合った環境で働きたいと思い、人材紹介会社を活用。障害を一部の方に開示し物流倉庫で働くことになりました。
面接担当者は、「何かあったら相談すればいい」と言ってくれましたが、現実はそう甘くありませんでした。
物流倉庫の仕事は日々時間に追われています。そのスピード感についていくことができず、仕事上でのミスが続きました。そして何度教えられてもそのミスは直りませんでした。上司や同僚からは「なぜこんなにミスをするのか」と怒られてばかり。Oさんの障害を知っているのは会社の一部の人間のみで、障害のことを相談できる環境はありません。結局、就職から1年も経たず退職に至りました。

考えたこともなかった「事務職」という選択肢

前職で障害を開示してもうまくいかなかったことから、「自分1人ではうまくいかない」と気付いたOさんは、就労のサポートをしてくれる場所を探していました。ネットで検索していると、障害のある人の就職をサポートしている「就労移行支援」の存在に行き着きました。今の自分に必要なのはここしかないと思いLITALICOワークスへ連絡。見学・体験を経て、サービスを利用するようになりました。

LITALICOワークスで、特にOさんの役に立ったのはパソコンプログラムです。それまで、プライベートでも仕事でもOさんはパソコンに触れる機会がありませんでした。LITALICOワークスでゼロから学んだことで、操作にも慣れました。その後Oさんは、Word、EXCEL、PowerPointなどの事務系ソフトも勉強するようになりました。

スタッフからOさんに対する評価は高く「Oさんのデータ入力のスピードは大変早く、ミスが誰よりも少ない。もしよかったら事務職の企業インターンをやってみませんか?」と事務職のインターンを勧められました。
未経験の事務職が務まるか不安がつのりましたが、過去利用者の平均速度と正確性のデータとOさんの現在を比較してみると、いつの間にか自分はパソコンが得意になっていたことに気づきました。

自分の学んだスキルが本当に仕事でいかせるか試すため、企業インターンは4社経験しました。どれも事務職です。インターン先では、データ入力や社内資料の作成、営業事務の方のサポート業務に取り組みました。どれもはじめての経験で、新鮮な毎日が楽しく感じました。

現在、最後にインターンをした会社で、障害者雇用枠の営業事務として働いています。
隠された才能や適職を1人で見つけることは難しくても、LITALICOワークスと一緒に探せば見つかるかもしれません。「LITALICOワークスに通う中で、新しい可能性を見出すことができました」と楽しそうに話してくれました。

 

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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