「人のためにがんばろう」という思いが仕事の原動力
プロフィール
- Tさん
- 年代 : 30代
- 就職先企業 : NTTクラルティ株式会社
- 診断名 : 強迫性障害
困りごと
- 何もしてないことへの罪悪感
- 責任を感じやすく体調を崩す
- 人との関わりが苦手
何もしていない日々を変えたかった
小学校、中学校と不登校で、中学生後半から通院をはじめ、10代後半に1年間入院していました。
退院後は、子供のころから知っている近所の方に誘われてグループホームでスタッフとして働きながら、通信制の高校を卒業しました。グループホームでは主に事務や利用者の相談などを担当していました。スタッフの人数が徐々に減っていき業務が増え、もともと責任を感じやすい性格だったこともあり、体調を崩して辞めることになりました。
子どものころから学校に行かず、そのことを他人から注意されたことがあります。それからは自分が何もしてないことに対して罪悪感みたいなものを持つようになりました。
今まで就職活動した経験もなくて、どのように就職活動をしたらいいのかわからず、障害福祉課に相談に行きました。そこで、初めて就労移行支援を知りました。いくつかの就労移行支援事業を見学した後、目的別カリキュラムなどトレーニング内容を自分で決めて進められる事が、今後仕事に就く上で役立ちそうだと思ったことや、スタッフや利用者の雰囲気で1番いい距離感だなと思ったことからLITALICOワークスに決めました。動機として不純かもしれないのですが、当時は自分の立場や働いていない事への後ろめたさから逃げたかったのだと思います。そういう気持ちを少しでも緩和していきたいという思いから就職したいと思いました。
外出する理由と目的がある
LITALICOワークスに通いはじめたころは、人と話すことに抵抗がありましたが、周りの利用者から声をかけてきてくれたので溶け込んでいくことができました。
慣れていくにつれて、人との距離感が難しいと思うこともありました。自分でも気づかないうちに近づき過ぎてしまうこともあったと思うし、ご飯に誘われてもなかなか断れないこともありました。困った時はスタッフと面談したり、少し話を聞いてもらったり、SST(ソーシャルスキルトレーニング)の時に相談し、練習することもありました。
LITALICOワークスに通うようになってから、自分に少し自信が付いていきました。もともと人との関わりが苦手でしたが、人と接するときの恐さが少しずつ減っていきました。
また、日中に出かける目的があって、そこで何かしら活動しているというだけで、外に出やすくなったと感じています。生活する上での後ろめたさがなくなり、LITALICOワークスは自分にとって「居てもいいんだと思える場所」になりました。家族からは「どこかへ出かけているし、良かったよ」「結構忙しく動いているみたいだね」と言われました。
LITALICOワークスでは、さまざまな企業インターンを経験しました。どれもとても面白かったです。黙々と整理するのは好きな方ですし、事務仕事のときも自分で何か工夫しながら業務を進めました。LITALICOジュニアの実習前研修にも参加し、そこでは「人によって接し方や伝え方をいろいろ工夫しなくちゃいけない」ということを学びました。それまで小さい子に接するのは苦手でしたが、その経験をいかし適度に接することができるようになりました。
就職活動は10社程求人に応募しました。今働いている会社は雇用前実習を2週間程度体験しました。障害のあるなしに関わらず一緒に働ける環境だというのが第一印象です。社員同士が雑談しているのを見て、明るい職場でいいなと感じたので決めました。働きはじめてからも、職場はやっぱりいい雰囲気で、話題を振ってもらうときもあり、僕にとってすごしやすい場所です。
「人のためにがんばる」が仕事の原動力
働くようになってから、大きく2つの変化がありました。
1つ目は、生活習慣が変わったこと。朝の起床が早くなりました。遅くまで起きていると体調を崩すことがあるため、極力早めに寝て仕事に支障が出ないようにしています。
2つ目は、気持ちが楽になったことです。LITALICOワークスに通っていた時は2年間という期限があったので、その間にどうにかしなきゃという焦りがありました。就職してからは、そういった焦りがなくなったので楽になりました。
就職活動は、基本的に自分のために動いているので、実行したことは自分に返ってきます。しかし仕事は、必ずしも自分のためだけでなく、自分が仕事をすることで誰かの助けになることもあるということに気が付きました。まだ新しい部署に配属されたばかりで教えてもらうことが多いですが、少しでも自分でできることを増やしていきたいと思っています。
今は「人のためにがんばろう」という思いが仕事の原動力や、やりがいに繋がっています。
LITALICOワークスを利用しているときのことです。ある利用者の「障害があるけど働ける、ということを証明していきたい。それが次の就職者に繋がるんじゃないか」という言葉が強く印象に残っています。自分も、長く仕事を続けていけるようになりたいと思います。
※掲載内容(所属や役割、診断名など)は
インタビュー当時のものです。
企業からのコメント
フロントサービス部 神奈川料金問合せセンター 課長代理 須藤 吉久様
スタッフからのコメント