私らしさを大切に働き続けています
プロフィール
- Mさん
- 年代 : 30代
- 就職先企業 : 関東労災病院
- 診断名 : 適応障害
困りごと
- 臨機応変な対応が苦手
- 人との関わりが苦手
- 援助希求が苦手
目次
目次
- 前職では人間関係やキャリアに悩み 適応障害と診断を受けました
- LITALICOワークスで自分の得意・不得意を知りました
- 明るく積極的。だけどがんばりすぎてしまっていた
- 仕事ができる喜びを感じながら働いています
- 自分らしく働ける職場に出会いました
続きを見る
前職では人間関係やキャリアに悩み 適応障害と診断を受けました
関東労災病院で主に薬剤師の補助業務を行っています。メインの業務はピッキングで他にも仕分け、処方箋の運搬、患者さんの来院確認データ管理、清掃や備品管理など軽作業を中心に幅広い業務を担当しています。横浜にあるLITALICOワークスを利用してから、現在の職場へ入職しました。
前職では介護の仕事をしていました。福祉大学を卒業して人と関わるのが好きだったから選んだのですが、1年たったくらいから新しい業務がなかなか覚えられず、周りの人はできているのに自分はなんでうまくできないんだろうと思い悩み体調を崩してしまい、適応障害と診断を受け入院しました。
病院で検査をした結果、主治医から「臨機応変な対応が苦手だから壁に当たったのではないか」「ルーティンワークがある仕事の方が向いていると思う」というアドバイスを受けました。
介護の職場は好きだったのですが臨機応変な対応が求められ、人の命にも関わるため続けるか悩みましたが、相手のことや自分のことも考えて退職することを決めました。
その後は3ヶ月くらい療養をしてから、再就職へ向けて役所に相談に行ってLITALICOワークスを紹介してもらいました。
LITALICOワークスへ見学に行くときは、周りの人やスタッフとちゃんと話せるかなと緊張しましたが、行ってみたらとても明るい場所でスタッフが丁寧に対応してくれたことで安心したのを覚えています。
利用を決めた後も退職してからブランクがあったので安定して通えるか、人間関係で悩んだ経験から環境になじめるかなど不安があったため、最初は週3日の利用から開始しました。
LITALICOワークスで自分の得意・不得意を知りました
LITALICOワークスに通った当初は朝起きるのが大変だったり、電車が遅れたときに時間通りに到着しないこともあって悩んでいましたが、余裕をもって起きる練習をしたり、電車も早めに乗るようにするなど工夫して安定して通えるようになりました。
事業所内ではパソコンや軽作業に取り組むことで、自分の得意・不得意が見えてきて、特に軽作業を通して主治医の話していた「ルーティンワーク」のイメージをつかむことができました。一つのことを黙々と行うことは、現在のピッキングの業務にも生かされています。
テキストを使ったプログラムでは、ただ書かれていることを教えてもらうだけでなく、スタッフが自身の経験談を交えて講義してくれたので、内容のイメージがしやすかったです。その中でも自分の人間性や障害を知る「自己理解プログラム」と、障害を開示して働くオープン就労・開示しないで働くクローズ就労を学んだ「就職活動プログラム」が印象に残っています。それまでは障害を開示する働き方を知らなかったので、自分らしく働くために障害を開示するという選択肢もあるんだなと感じました。
ただその中で頼りにしていたスタッフが異動する際に動揺してしまい、同時期に私生活のトラブルも重なって体調を崩し一度LITALICOワークスを辞めてしまいました。
そのときは入院もするほど状態が良くなかったのですが、自分の行動や感情を日記に書き出して心の整理を行い、改めて就職したいという気持ちがわいてきたので再利用をすることにしました。
明るく積極的。だけどがんばりすぎてしまっていた
再利用したあとは体調を整えてから企業インターンに参加しました。インターンではオンラインで1社、実際の職場では3社参加して、大変なこともありましたが自分の長所や課題などたくさんのことを学べました。
オンラインのインターンではLITALICOワークスの他の事業所の利用者と一緒にチームを組んで参加しました。
WEBサイトから必要な情報を集める業務をしたのですが、チャットで他の参加者とやり取りしながら進めるため集中力を保つことが難しく、また相談するタイミングがわからなくて業務を抱え込んでしまうことがありました。抱え込むことは前職でもあったので「あ、また出たな」と感じました。
実際の職場でのインターンですが、1社目はスーパーマーケットでの従業員の健康診断キットの準備や仕分け業務でした。他の実習生と3人でチームを組んで、リーダーシップを意識して提案などもしていたのですが、同時に抱え込んでしまう癖もまた出てしまいました。
2社目はカフェでの接客やドリンク作成、レジ対応などをおこないました。接客は久しぶりだったのですが、実習を通してやはり人と接するのは楽しいなと感じました。
3社目は現在働いている病院で雇用前実習として採用の一つとしておこないました。雇用前実習では現在の業務と同じようなことをさせてもらって、業務や職場の雰囲気が合っているかを確かめることができました。
私が通っていたときはコロナ禍でインターンのできない時期があったのですが、そのまま就職をするのには不安があったので、参加できたときはうれしかったです。
4つの企業インターンを通してインターン先から共通して受けたフィードバックがありました。それは、「明るく積極的であること」「積極的な反面がんばりすぎてしまうこと」「周りにヘルプが出せず抱え込んでしまうこと」「不安を抱えるときなど感情によって業務に影響が出ること」です。
明るく積極的なことを認めてもらえたことが、私らしく働くことにつながっていると思います。同時にがんばりすぎてしまう、抱え込んでしまうという課題点もよくわかったので、解消する方法をスタッフと一緒に考えていきました。
現在は「わからないことがあったらその場で聞く」「メモを残しておく」などの対策を取りながら働いています。
仕事ができる喜びを感じながら働いています
くブランクが3年あり、前職やLITALICOワークスでも抱え込むことで体調を崩していて、働くことに不安も強かったのですが、自己分析やインターンを通してやはり人と関わる仕事がしたいと思っていました。
そんなときに関東労災病院の求人を見て、仕事を通して人の役に立てると思い応募して雇用前実習を通して内定をいただきました。
医療分野で働くことは初めてですが、雇用前実習で業務内容・職場の雰囲気を体験できたので早くなじむことができたと思います。
働き始めてからは業務ではミスをしないことと、わからないことがあったらすぐに確認するように心がけています。周りが忙しそうにしているときは声をかけるのに戸惑うこともありますが、そういったときはこの人に聞こうと決めて、気後れせずに話しかけることを意識しています。
私は薬剤師の資格を持っていないので、できる業務は限られていますが、薬剤師さんのサポートを通して、処方された薬を手にした患者さんの安心につながっていると思って仕事をしています。これまでは対人関係に悩んだり、抱え込んで苦しい思いをしてきましたが、今の職場では仕事ができる喜びを感じながら働いています。
また体調を崩した経験から、安定して仕事を続けるために体調を整えることも気を付けていて、現在の業務は目・首・肩に疲労がたまりやすいため以前より長くお風呂に入ることや、ホットタオルで目を休めたりストレッチで疲労を溜めない工夫もしています。
自分らしく働ける職場に出会いました
現在の職場では自分らしさを意識して働くようにしています。私が思う自分らしさとは、「積極的に人と関わって、明るくはっきりと発言するという軸を持つことです。」
今後の目標は長期就労を目指すことです。これまでの仕事は長続きしませんでしたが、現在は自分から積極的に発言をするように意識していて、職場の方も受け入れてくれているので、このまま私らしく働き続けていきたいです。
それとともに勤務時間や業務内容の幅も広げていきながら、薬剤師さんを支えていけるようになりたいと思っています。
LITALICOワークスでは障害に関係なく、自分らしく過ごせた場所でした。通う前は不安もありましたが、支えてくれたスタッフや一緒の目標を持つ仲間がいたことがモチベーションにつながりました。現在も定着支援で毎日スタッフと業務の振り返りをしています。
就職活動では自分の得意・不得意を見つけて自己理解を大切にしながら、何事にもチャレンジすることが大事だと思います。その中で私は自分らしく働ける職場に出会うことができました。
※掲載内容(所属や役割、診断名など)は
インタビュー当時のものです。
企業からのコメント
薬剤部長 河井 様(右)
スタッフからのコメント