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障害のある方の就職事例

自己理解を深めて働く自信を取り戻し、新しい職場で輝けるようになるまで

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プロフィール

  • Nさん(写真 左・30代)・Sさん (写真 右・20代)
  • 就職先企業 : 株式会社ビズリーチ
  • 診断名 : Nさん【持続性気分障害】・Sさん 【ADHD(注意欠如多動症)】

困りごと

  • Nさん:心身共に疲労が溜まりやすい
  • Sさん:集中力が続かない
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ストーリー

前職で働きにくさを感じて退職し、その後LITALICOワークスでの就労支援を通して自信を取り戻した上で、現在は株式会社ビズリーチで活躍中のお二人。その共通する土台には、安心できる環境の中で得た「自己理解」があったと話してくれました。

 

SさんはLITALICOワークス卒業後、ビズリーチに入社し1年半勤務。
オフィスサポートセンター室にて、総務受付をはじめとしたバックオフィス業務や複数の事業部の業務を担当しています。

 

Nさんはビズリーチに入社して約5年が過ぎ、同じくオフィスサポートセンター室にて情報審査業務・請求書チェック・会社説明会への登壇などを担当しています。
入社2年目からは業務リーダーの役割も担うようになりました。

 

すっかり職場にも定着した今、お二人に通所中のこと、就職活動のこと、現在のお仕事についてお伺いしました。

 

働くことに対する挫折

ーーお二人は前職でどのようなお仕事をされていて、そこでどのような困難を感じられていたのでしょうか?

Sさん:私は鉄道会社の整備士をしていました。整備士の業務はスピード感と精密さが求められる仕事で、その中で確認不足によるミスがずっと続いてしまって。その状況をどう努力しても変えることができず、強い不安を感じたり、仕事ができないことで自信を失い落ち込んでいました。

 

Nさん:私も困りごとが似ていて、同じようなミスを仕事で繰り返していました。前職はアパレル関連の服資材を扱うメーカーで、営業事務として3年程勤めたのですが、新人の時は大目に見ていただいていたミスが2年目でも改善されず、後輩も入ってくる中で周囲の自分に対する信用が薄れていってしまっていると感じました。そのストレスとプレッシャーで、3年目の退職の直前には身体が動かないという状態にまでなってしまっていました。

 

ーー仕事でつらくなる中で周囲にも相談することができず、お二人とも一人で抱え込んでしまっていた。そして診断を受けるわけですが、最初に診断が出た時はどのようなお気持ちでしたか?

Sさん:診断名が分かって安堵する気持ちもありつつ、やはり「自分は障害者なんだ」という落ち込みもあって、人と比べてしまう時期が最初はありました。これから先、皆と同じように働くことはもう難しいのかなって。

 

Nさん:私も落ち込みはしましたが、ただ、自分を知るきっかけになったなと思います。どうして仕事で上手くいかないのかが今までは分からなかったのですが、主治医に症状を説明してもらうことでやっと納得することができて、気持ちを切り替えて前を向くようにしました。

 

LITALICOワークスでの再起

ーーそしてLITALICOワークスに通うことになるわけですが、そのきっかけはどのようなものだったのでしょうか?

Sさん:退職してからの療養期間で、自分で転職活動をしていたのですが、履歴書の書き方も分からないところからのスタートだったので、正直スムーズに進まないことも多くて。そんな時に心療内科の先生から、家の近くの就労移行支援所をいくつか教えていただきました。その一つに、LITALICOワークスがあったんです。実際にいくつか見学したのですが、PCスキルに特化した場所もある中で、LITALICOワークスには幅広いプログラムがあって、学ぶきっかけがたくさんあるように感じられました。手厚いサポートが得られそうな印象を持ちましたし、スタッフとの距離が近く目が行き届いている雰囲気にも惹かれました。

 

Nさん:そうそう、私も同じようにスタッフの皆さんが受け入れてくれるという安心感がありました。見学の時も快く迎え入れてくれて、今までは誰かに自分のことを話すと「それは根性が足りないから」と言われてしまうことも多かったのですが、LITALICOワークスの皆さんは、そんな自分の話を真摯に聞いてくれた。この安心できる場所で、また働くための自信を取り戻したいと感じました。

 

ーースタッフとの距離感の近さや安心感がお二人に共通する魅力だったと。実際にLITALICOワークスに通われて、印象に残っているプログラムや良かった点を教えてください。

Sさん:自己理解とストレスマネジメントのプログラムが印象に残っています。みんなで話し合ったり、悩みを共有し合ったりして、自己理解を深めることと他者との関係性のつくり方を学ぶことができました。それはなかなか一人ではできないことだったので、受講して良かったなと感じています。それ以外にも、PC訓練(タイピング・Word・Excel・Googleツールの使い方)や面接練習に積極的に取り組みました。

 

Nさん:自己理解プログラムは、私も印象に残っています。シートで自分自身について整理しながら、第三者からの視点も合わせて、まずは自分の個性と向き合っていきました。また、1ヶ月に1度行われるレクリエーションの企画と運営も担当して、メンバーと企画を話し合ったり役割や段取りを決めたり、仕事にも通じる取り組みもしていました。ボーリング大会や散歩会、ボードゲーム大会、お茶会などの企画を通して、プロジェクトを進める感覚を取り戻していけたような気がしています。

 

スタッフとの印象に残るエピソード

ーーLITALICOワークスのスタッフとのエピソードで覚えていることはありますか?

Sさん:LITALICOワークスに通い始めた時に、スタッフの方に自分の経緯を話したのですが、卒業の直前くらいにその方と会話をしていたら、「そう言えばSさんって〇〇でしたよね」ってその時のことを覚えてくれていて。あぁ、ちゃんと見ていてくれたんだなって嬉しかったことを覚えています。

 

Nさん:私は先ほどもお伝えしたレクリエーションの企画でのことなのですが、今までの人生で、自分が企画をしてみんなで何かをするという経験がなかったんです。スタッフの方と一緒に取り組むことで、「自分にもできるかも」と思えたことが印象深いですね。お茶会のファシリテーターに挑戦もできました。そういう姿を見たスタッフの方が「Nさんは人が好きなんですね」と言ってくれて。自分の新しい一面に気づかせてくれました。この経験は、現在のマネジメントの仕事にも活きていますね。

 

Sさん:就職活動中も面接練習を重ねる中で、「Sさんにはさまざまな経験や知識があるんだから、あとはそれを相手に伝える力をつけていけばきっと大丈夫ですよ」という言葉をもらったことを覚えています。それは今の仕事でも結構活きていて、アウトプットする力を伸ばしていくことを意識しています。だからLITALICOワークスでの時間はまさに人生の分岐点でしたね、ちょっと大袈裟ですが(笑)

 

Nさん:こうして振り返ると確かに、今の仕事にもつながる気づきと学びが、たくさんあったように感じますね。人生を立て直すきっかけを与えてくれる場所でした、私も大袈裟かもしれませんが(笑)

 

LITALICOワークスでの成長

ーーLITALICOワークスに通う前と後で、一番どのような部分が変わったとご自身で感じられますか?

Sさん:最初は自分自身の特性について何も分からないところからスタートしたので、やはり一番は自己理解ですね。何が得意で、何が苦手で、どんな風に周囲に配慮してもらえば仕事で自分がもっと輝けるのかということを、きちんと理解できました。そして理解した自分のことを、人にしっかりと伝えられる。それが今のオープン就労という働き方にもつながっています。

 

Nさん:私も自己理解の深まりは大きかったです。あとは報連相ができるようになったことですかね。前職ではどうしても「こんなことを聞いても良いのかな」と一人で抱え込んでしまうことが多かったのですが、今自分が何に困っているのかを人に相談できるように変わりました。そのおかげで、今の仕事も滞りなく進めていけるようになって、誰かに相談できないから仕事が進まないというスパイラルに陥っていた前職と比べて、明確に変わった部分だなと思います。

 

ーー「自己理解」について共通しておっしゃっていただきましたが、なぜLITALICOワークスでは「自己理解」が進むのでしょうか?

Sさん:就職活動の面接練習の中で、自分自身に対する深掘りをする質問をたくさん投げかけてくれたことですかね。企業の書類選考で落ちることも経験して自己理解の大切さを痛感し、スタッフの方との会話の中で自分を見つけていった感じです。

 

Nさん:通っていたセンターには「自己振り返りシート」というものがありました。すごろく形式で質問に答えていくものなのですが、そんなツールとしてのサポートもありながら自己理解を深めていきましたね。6種類くらいあったのですが全部取り組み、都度スタッフの方から意見ももらいながら、自分という土台を確立してくことができました。

 

現職で働く喜びと、これから

ーーお二人ともオープン就労ということですが、自己理解を経て、社内ではどのような配慮をしてもらっているのでしょうか。

Sさん:耳で業務内容を聞いても忘れてしまいがちなので、マニュアルを用意していただいたり、口頭ではなくチャット等で指示をいただくなど、常に仕事を可視化できる状態にしています。また、集中力持続のため、例えば1時間に1回ほど、休憩もこまめにいただくようにしています。

 

Nさん:私は物音が気になることがあるので、その際にはイヤホンを使用させていただくようにしています。また、初めてチャレンジする仕事では自分が行っているところを見ていただいて、工程に誤りがないか確認してもらうようにしています。

 

ーーやりがいはどのようなところに感じますか?

Sさん:自分の言動や行動が、メンバーにとって良い影響を与えていると感じられることや、成功体験を積ませてもらって評価もいただけていることにやりがいを感じます。できないことに対しても突き放すのではなく、どこがダメだったのかと一緒に考えてくれる環境もあります。何かミスをしても次に繋げやすくなっていて、ビズリーチでの毎日が本当に楽しいです。あの頃が嘘みたいですね(笑)主体的に自分から率先して仕事をしていけるように、変わった気もしています。

 

Nさん:自分がやってきた仕事が形になった時以外にも、チームのマネージメントとしての立場からメンバーの成長を見ることがやりがいになっていますね。実際メンバーが初めての仕事に触れるのを見守りながら、このメンバーが今まではできなかったことができるようになって、数値として結果につながってくることが嬉しくて。メンバーが自発的に業務の改善案を出してきてくれて、それを一緒に形にした時にも、チームで働くことの魅力とやりがいを感じました。

 

ーー最後に、これからの目標についても教えてください。

Sさん:「困ったことがあればオフィスサポートセンター室へ」という共通の認識を、会社の中でつくっていきたいです。そしてもっと言えば、「オフィスサポートセンター室といえば自分」となるくらいに、部署の顔になっていきたいなと考えています。まだまだこれからなので、高い目標ではありますが(笑)

 

Nさん:かっこいいですね!私としては、個人・組織ともに障害者雇用の社会的なロールモデルとなっていきたいと思っています。まだまだ理解や促進が進まない社会の中で、まずは今一緒に働いている部署のメンバーと相互に理解できる関係を構築して、まだ一緒に働いたことがない部署の方や社外の方にも波及していくことで、社会的なイメージを少しずつ変えていきたいです。

 

ーーお二人とも素晴らしい目標ですね!本日は長いお時間ありがとうございました。

 

企業からのコメント

(左)江口様、(右)佐藤様

 

【江口幸子様より Nさんへ】

Nさんは、長く安定して働きたいとの意向でご入社されました。入社後は、弊社サービスの根幹を担う業務を1つ1つ丁寧に着実に実施していただき、入社2年目からは業務リーダーとしてご活躍されています。持ち前の責任感、組織やチームのことを考えながら業務に臨む姿勢、物事を俯瞰的に見ようという常日頃からの努力も合わさって、業務リーダーとして、チームメンバーのフォローやチームミーティングの運営、依頼元部署の方とのやりとりまで幅広く担当いただいています。チームメンバーはもちろん、依頼元部署の方や私たちサポートスタッフからの信頼も厚いです。

心身のコンディションを整えられるよう工夫をし、業務においてもご自身の課題と成長に向き合い、日頃からチームメンバー、オフィスサポートセンター、依頼元部署、会社全体のことを考えることを意識し、ご自身の言動をブラッシュアップしていく姿勢と行動は、社会人としても尊敬できると感じています。
これからも色々な課題が待ち受けているかと思いますが、持ち前の粘りとスタンスで成長しながら、一緒に乗り越えていければと思っています。

 

【佐藤雄太様より Sさんへ】

Sさんは、入社から1年半、我々のチームや業務依頼元の各部署にとっても、業務パフォーマンスと姿勢を通してポジティブな影響を発揮してくれている存在です。

総務受付の業務や、ご本人に第一人者として切り開いていただいた事業部からの業務もご担当いただいております。それぞれの業務・チームMTGの場面でも、持ち前の実行力と丁寧で積極性のあるコミュニケーションを活かし、チーム全体のエネルギーを底上げしてくれています。一緒に業務をする他のメンバーやスタッフ、関わる部署の方々まで、一緒に「よしやろう」「自分も」と引き上げられていく様子が日々感じられていて、各部署やチーム内からの信頼も厚くなっています。

ご本人の活躍の背景にあるのは、きちんと経験を積み重ねていく力だと思います。ご入社以降、ご本人の自己理解力を確認しながら、新たな整理法にも取り組んでいただきました。現状、ご自分の課題間や成長点を日々捉えながら、ご活躍いただいていると感じます。会社全体の成長を支え、引き上げる人材として、これからますますの成長とご活躍を期待していきたいと思います。

LITALICOワークス新宿南口からのコメント

【Nさんへ】

Nさんはとても気遣いができる方で、LITALICOワークスの体験利用の時から、スタッフや他のメンバーさんともすぐに馴染んでいらっしゃったことが印象に残っています。また、センター内でのレクリエーション企画を担当してくださった際には、皆が楽しめるようにさまざまな工夫や提案をしてくださっていました。

ご就職後は、その素敵なお人柄とこれまで培ってこられた経験やスキルを活かし、職場に貢献されています。LITALICOワークスの定着支援が終了した後も、職場のご担当者様と別件でお会いした際に、「変わらずNさんは社内で大活躍ですよ!」とコメントいただくことがあり、我々も誇らしく感じています。

これからも職場で活躍し、愛される存在であり続けるかと思います。日々忙しくも充実感のある日々をお過ごしかと思いますが、自分へのご褒美やケアも忘れないでくださいね。

センタースタッフ一同、これからもずっと応援しています。

LITALICOワークス横浜西口第2からのコメント

【Sさんへ】

Sさんは、LITALICOワークスを利用されているときから、ご自身で目標を立て、その目標に向けて今の自分に必要なことや課題を考えられる方だったと感じております。

現在も企業の中で大きな目標を持ちながら、楽しくお仕事に従事されていることを大変うれしく思います。

今後もSさんの笑顔とお人柄で周りの方を巻き込みながら、より楽しく、より活発に働き活躍されますことを、LITALICOワークス横浜西口第2のスタッフ一同、心より応援しております。

インタビュー:2024年1月24日

※掲載内容(所属や役割、診断名など)は
インタビュー当時のものです。

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