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障害のある方の就職事例

接客業で限界を感じた私が、事務職にたどり着くまで

20421

プロフィール

  • Fさん
  • 年代 : 20代
  • 就職先企業 : 株式会社オープンハウス・オペレーションズ
  • 診断名 : うつ病

困りごと

  • 言われることをすべて受け止めてしまう
  • 自分を責めてしまう
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ストーリー

「今の仕事は自分に合っていないのでは?」

そう感じたのは、新卒で入社した会社での2年目の出来事だったというFさん。

原因は、自身のキャパを遥かに超える仕事量の多さでした。

まわりの人間が「とにかく真面目」と太鼓判を押すほどの性格。それゆえに自分で自分を責めてしまい、ついにはうつ病と診断され、休職に追い込まれてしまったそうです。

「何をするにも無気力で…」

そんな自分を変えるため、一念発起してLITALICOワークスに通うことに。現在は見事に転職を果たし、上司や同僚とも良好な関係を築きながら働いています。

そんなFさんにLITALICOワークスを利用した経緯や事業所内での取り組み、現在の職場での働き方などをうかがいました。

「迷惑をかけている」という思いが自分を追い詰めた

ーLITALICOワークスを利用した経緯を教えてください

前職は接客業だったのですが、お客さんから理不尽に怒鳴られたり、事務処理が追いつかなかったりといったことが続いて…。さらに、ほかの病気で飲んでいた薬の副作用も加わり、仕事を休むことが増えてしまったんです。休んだことで「まわりに迷惑をかけているんじゃないか」というネガティブな気持ちになって、どんどん自分を追い込んでしまいました。

そこから病院に行って、適応障害と診断を受けて休職(後にうつ病と診断)。その後も夜中に目が覚めたり、人混みで気分が悪くなったりと体調が回復しなかったため、やむを得ず退職しました。

その後入院することになり、退院後、次の仕事をどうしようかと悩んでいたときに、病院のソーシャルワーカーさんから就労移行支援を勧められたんです。

LITALICOワークスを選んだ決め手はスタッフの丁寧な対応と事業所の雰囲気ですね。

 

ーLITALICOワークスを見学したときの印象はいかがでしたか?

複数の事業所を見学したのですが、LITALICOワークスが一番自分に合っているなと感じました。

見学では久しぶりに大勢の人がいて緊張しましたが、スタッフが優しく話しかけてくれて、そこからリラックスできたのを覚えています。

Fさんが通っていた LITALICOワークス 横浜西口。横浜駅から徒歩5分で立地も良好。

就職で不安なことはプログラムで解消できた

ーLITALICOワークスにはどれくらいの頻度で通い始められたのですか?

最初は週3日の利用から始めて徐々に増やしていきました。休職からLITALICOワークスに通うまで半年以上の期間が空いていたので…。社会に順応できるのかが不安だったんですよね。

 

ー期間が空くとより不安になりますよね。スタッフにそういった不安を相談されたこともありましたか?

はい。利用当初は「とにかく早く就職したい」という気持ちが強くて。ほかの利用者が企業インターンや就職活動をしている様子が目に入ると、その度に焦りを感じていました。

そのことを相談したら、不安解消のために「焦りの原因」と「ポジティブになれる行動」の両方を書き出す方法を提案してもらいました。

いくつか書き出して試しましたが「ほかの人の行動に焦燥感を覚えたら、おいしいものを食べる」というのが私にはしっくりきて。今でも何かあったときは、ランチで好きなものを食べてリフレッシュするようにしています。

 

ーLITALICOワークスのいい点を教えてください

プログラムの種類が豊富なところです。就職に関して不安に思っていたことも、さまざまなプログラムを受けることで解消できました。

プログラムは数多くあるのですが、私は「職場でのコミュニケーション」「就職活動」「ストレスマネジメント」を中心に受講しました。

 

ーその中で特に印象に残ったプログラムはありましたか?

その中でも「上手に断る」というプログラムが印象に残っています。前職ではお客さんから言われることをすべて受け止めて心にダメージを負うことが多かったのですが、プログラムでうまく断る方法を学ぶことで人間関係にも余裕が持てるようになり、ストレスが減りましたね。

プログラムで使用されるテキスト。自己理解やビジネスマナー、就職活動など、幅広く学ぶことができる。

働く前に一歩手前で練習できてよかった

ーほかに印象に残っている取り組みはありますか?

企業インターン(就業体験)に参加したこと、そしてその前にほかのLITALICOワークスで実習に参加したことです。LITALICOワークスでのインターンに参加することで、企業インターンへのハードルも下がりました。

企業インターンでは久しぶりに実際の職場を経験し、パソコンの操作や一緒に働く人とのコミュニケーションなどを一から学ばせてもらったという感じです。いきなり就職するのではなく、一歩手前で実践できたのはとてもいい経験でした。

今回の就職では事務職を希望していたため、スタッフが事務系のインターン先を提案してくれたことも、本当に有り難かったですね。自分だけで探すとなるときっと大変だったと思うので。

また、私が通っていた事業所には「模擬会社」という部活動があり、利用者がそれぞれ広報部や管理部などの部署に分かれて役割を担っていました。私は事業所内の備品の在庫管理をする部署に参加していて、部活動を通してほかの利用者と連携を取る方法などを学ぶことができ、事務職として働くイメージができました。

 

ー事務職を希望したのはなぜですか?

自分のペースで正確に業務をするのが強みだと思ったからです。それと前職の経験から、接客業だと相手に合わせてしまって自分の力を発揮できないというのもあります。

強みや弱みは自分だけだとなかなか浮かばなくて、スタッフと一緒に考えました。模擬面接プログラムや面談のときにフィードバックをもらうのですが、その際に「丁寧に対応している」だったり、逆に「自己評価が低い」だったりなど、プラス・マイナスの両方を客観的に教えてくれて、自己理解がより深まりました。

実際の就職活動では、志望動機をまとめるのにすごく苦労しましたね。書き方がわからなかったのですが、応募書類のプログラムで記入方法を学び、実際に書いたものをスタッフに添削してもらって、うまく文章にまとめていきました。

上司から褒めてもらえるとやりがいを感じる

事業所の掲示板に張り出されている会社見学会の案内チラシ。

 

ー現在の職場について教えてください

現在は、株式会社オープンハウス・オペレーションズで働いています。企業見学で伺ったときに職場の雰囲気がよく、希望していた事務職ということもあり、ぜひここで働きたいなと思いました。

この会社では月に一度、通院のための休みがもらえる制度があって、それを活用しています。

定期面談も週に一度あって、業務のことや体調面で困ったことを相談してすっきりしたり、一緒に解決策を考えてもらったり。そういった会社からの配慮が働きやすさにつながっているんじゃないかと思います。

 

ーどのような場面でやりがいを感じますか?

上司の方と月に一度「業務推進面談」をするのですが、「絶好調だね」「順調だね」などと褒めてもらえるのがうれしくって。そんなときにやりがいを感じます。ほかにも隣の席の人と一緒にランチに行くことができるのもうれしいですね。

今後の目標は、後輩ができたときにしっかり教えられる人になること。今はデータ入力やそのチェック作業が多いので、まずは目の前の業務をしっかりがんばろうと思っています。

また、プライベートでは旅行が趣味なので、今後は正社員を目指しながら旅行も楽しみたいという目標もあります。

 

旅行が趣味というFさん。ポジティブになれることを実行して、現在もうまくストレスコントロールをしている。

 

ーLITALICOワークスの定着支援も受けられているのですよね?

はい。LITALICOワークスのスタッフにも定着支援として定期的に面談をしてもらっています。

その面談では会社の人には話しづらいことやプライベートでの悩みなどを話しています。LITALICOワークスに通っているときから、面談以外にも雑談としてプライベートなことも話していたので、話しやすい関係性もできていると思います。

 

ーLITALICOワークスはどういう場所でしたか?また、現在、就労移行支援を検討されている方にメッセージをお願いします。

私にとって何でも話せる心の拠り所でした。体調や就職活動の不安などはもちろんですが、雑談で「この映画良かったよ」など、スタッフと気軽にプライベートの話ができたので、すごく通いやすかったです。

現在、就労移行支援を検討している方は、焦る気持ちや落ち込むことが多いのではないでしょうか?そんなときは、とにかく味方を見つけて自分らしく就職活動をしてもらえたらと思います。

企業の担当者からのコメント

Fさんはまわりの言動にも左右されずに、自分のペースを守って勤務してくれていると感じています。ただ、真面目ゆえに「がんばらなきゃ」「ちゃんとできているかな?」という気持ちもあるようなので、そこをサポートするように意識しています。具体的には周りとくらべてできているかではなく、過去の自分と比較して成長していこうということを伝えています。 

 

新入社員が毎月2〜3名入社してくる職場なので、本人が目標としている「教える立場」になるのもそんなに遠くない未来なんです。その立場になったとき、新たに出てくる不安もあるはずなので、そこは本人とも相談しながらじっくり取り組んでいくつもりです。また、年齢や職歴もバラバラなので、人と自分をくらべる機会も多くなるはず。そこもまた悩みが出てくると思いますが、頑張って乗り越えていってほしいです。

 

私たちは年間20名以上採用していますが、ほとんどが就労移行支援事業所出身の方です。課題を自覚して、それを改善しようと思って就労移行支援事業所に通ったと思いますし、そういった取り組みをしてきた方は私たちとしても求めている人材です。

 

就労移行支援事業所の2年間では課題すべてを克服するのは難しいかもしれませんが、自身の課題に対して予防策や対策を身につけるいい機会にし、就職を目指してもらいたいと思います。

スタッフからのコメント

ー LITALICOワークスに通われていたときのFさんの印象は?

すごく真面目な方だなというのが最初の印象です。自分で決めたことを丁寧にコツコツやるとても素敵な方だなと思ったのですが、そこが少し「しんどさ」にもつながっているのではないかな?と感じました。もともと就職への意思が強い方でしたので、当初は焦りもあったんじゃないかなと思います。

事業所で活動をしていくうちに、抱えている不安を私たちスタッフに打ち明けてくれるようになってからは、たくさんの工夫を得ることもでき、自分で自分を追い詰めてしまうことが減っていったと感じました。

当初はあまり他利用者の方とコミュニケーションを取るご様子がなかったFさんですが、事業所に慣れてきた頃には、ご自身よりも後から入ってきた利用者の方にとても丁寧に業務を教える姿がとても印象的で。そういう素敵なお人柄や姿勢は、就職してからもきっと発揮されて活躍されているんじゃないかと思っています。

 

ー Fさんへメッセージをお願いします

Fさんのいつでもまっすぐなところを本当に尊敬しています。就労移行支援に通ってくださっている時の楽しい雑談もいつも楽しみにしていました。Fさんはとてもまじめなのでつい頑張りすぎてしまうこともあるかもしれませんが、LITALICOワークスで身に着けられたたくさんのストレスコントロールの方法を試しながらお仕事に取り組んでくださいね。いつも応援しています。今後ともよろしくお願いいたします!

インタビュー:2025年4月22日

※掲載内容(所属や役割、診断名など)は
インタビュー当時のものです。

利用していた事業所

神奈川の就労移行支援事業所 LITALICOワークス 横浜西口

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JR各線「横浜駅」西口徒歩5分
神奈川県横浜市西区南幸2-20-5
KDX横浜リバーサイド4F
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