うつ病・気分障害(精神障害)の仕事・就職事例 -運輸・事務-
50代で再就職、挑戦し続けることが大事
男性/50代/運輸/事務職
うつ病(気分障害・精神障害)
就職活動がうまくいかない中で出会ったLITALICOワークス
Fさんの仕事は、長年、東京都内の企業で営業職1本で働いてきました。しかし、雇用先の業績不振と、長年の仕事の疲労やストレスによる持病の悪化が重なり、やむなく退職することになりました。
病院で、Fさんは気分障害だと診断されました。気分障害とは、気分が大きく高揚したり、沈んだりすることが一定の期間続いてしまう状態のことをいいます。気分障害は精神障害の1つとして分類されています。また気分障害の主な症状に、「うつ」と「躁うつ」があり、Fさんは前者のうつの傾向にあると診断されました。
うつ症状もあり、何をしても前向きに考えることがなかなかできず、就職活動をしても採用面接でまともに受け答えをすることができなくなっていました。ご家族の方からの進言で就職活動から距離をとってみても、焦りから気持ちは一向に晴れません。
そんなとき、病院の先生から「今の病状や自分の適性を考えて、これまでとは違った視点から仕事探しをしてみては?」とアドバイスされ、LITALICOワークスの就労支援を紹介されました。
やみくもに頑張るだけの就職活動では疲労が蓄積していくばかり。「今までの自分を変えたいが、どう変えればいいのかわからない。LITALICOワークスでそのヒントが得られれば・・・」という思いから、就労支援を利用することになりました。
無理ない形での仕事探しの再スタート
Fさんは苦手だったパソコンのプログラムにも取り組み、最初は事務職の仕事も視野に入れてカリキュラムを組んでいましたが、「再就職先でも営業をやりたいです!」と自分が今までやってきた仕事の経験と実績から、営業職への強い想いを打ち明けてくれました。
LITALICOワークスに通い始めてから3ヶ月 、弱音を一切吐かずに求人への応募を繰り返してきたある日、Fさんから相談を受けました。
「実は最近眠れないんです」
話を聞くと、自分の感情を抑えることが普通になってしまい、知らず知らずのうちにストレスが溜まり、身体のバランスを崩していることが原因のようでした。
これまでは営業職への応募を繰り返してきましたが、医療機関とも連携をして、Fさんの症状や適性に合わせた、無理のない形での仕事探しを再スタートすることにしました。
希望を捨てずに就職活動し続けることが大事
初めは落ちついたペースでの就職活動に慣れていないようでしたが、徐々に慣れてくると以前とは違い、毎日きちんと寝られるようになったそうです。
寝ることで以前よりスッキリした顔になったFさんは、次第に自信を持てるようになってきました。そして、ハローワークから紹介された会社に雇用前実習を打診、実習をおこないました。その結果、見事その会社に雇用が決まりました。
仕事は当初希望していた営業職ではなく、事務職での就職です。パソコンが苦手だったFさんでしたが、持ち前の粘り強さから苦手を克服することができました。また、かつての営業職での仕事の経験をいかした丁寧な対応は、職場の周りの人たちのお手本となっているようです。
「人生においてどんなことが起きるかなんて誰にも想像がつかない。まさか自分が50代で仕事をなくして、再就職に苦労することになるなんて思ってもいなかった。けれど、希望を捨てずに挑戦し続けること、それが大事なんだと学びました。だって50代の自分がパソコンを使えるようになって、今までやったことのない新しい仕事で就職することができたんだから。」
Fさんが自分の就職活動での経験を茶話会などでお話ししてから、この話はLITALICOワークスの利用者さん達に、大きな希望となり、支えとして語られています。
※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。
※茶話会:月1回、定期的に開催している利用者さんやOBの方が集まってお話しする会
※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。