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障害のある方の就職事例

知的障害の仕事・就職事例 -バックヤード-

知的障害の仕事・就職事例 -バックヤード-

料理の手伝いが好き!はじめての就職

男性/20代/飲食業

知的障害

「就職したい」と漠然と思っていた

「どこに行けばいいのか、何をすればいいのか、よく分からなかったんです」

物静かな性格のHさんは、特別な趣味があるわけでもなく、高校では穏やかな日々を過ごしていたそうです。漠然と「働きたい、就職したい」と思ってはいるけれど、何かしたいことがあるわけでもありませんでした。そんな中、学校からの助言で知能検査を受けて療育手帳を取得。働くためにはどうすればよいのか分からなかったため、担任の先生に相談したところLITALICOワークスを紹介され、就労支援の利用を開始しました。

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「困った」と口に出せないことが課題

Hさんの希望もあり、パソコンのカリキュラムはタイピングや入力程度にとどめ、作業トレーニングやワークショップに重点を置いて活動をスタート。企業見学や実習に行き、Hさんの合う仕事についてスタッフと一緒に考えていきました。

最初は、好きか嫌いか、苦手か得意か、うまく答えられなかったHさん。しかしスタッフと話し合う中で、料理の手伝いが好きなことが分かってきました。

温厚なHさんは、苦手なことや、嫌なことがあっても、それを上手に口にできないという課題もありました。特に、不慣れな場所、大勢の人がいる場所では、混乱したまま黙って耐え忍んでしまうことも判明しました。
さらに、混乱すると口数が少なくなり、周りには無表情で愛想がないように映ってしまっていることも分かってきました。

就労における課題が分かったうえで、本格的な就職活動を開始。Hさんの特性についても理解を得られた外食産業のバックヤードで、正規雇用前の実習を行いました。その結果、見事採用となったのです。
しかし、採用の結果を聞いたHさんは不安からなのか、無表情のまま固まってしまいました。

「困っている時は、困ったと口に出してみてください。大丈夫ですから」

スタッフのアドバイスにも、表情を変えずに頷くHさん。仕事の面では真面目でミスも少ないので心配はなかったのですが、スタッフは一抹の不安を抱えたまま、Hさんを送り出しました。

「限界です……」のヘルプと仕事の業務改善

順調にすべりだして半年が過ぎ、任される仕事や就労時間も徐々に増えていったHさん。しかし、困ったことがあっても頑張って仕事をこなしていました。
本人の負担や疲れがどんどんと増えていってしまっているのでは、と不安に感じたスタッフ。改めてHさんと話をしてみることにしました。

「Hさん、どんどんお仕事を任せてもらっているみたいですけど、無理していないですか? 困っているときは、困っていると言っていいんですよ」

すると、Hさんの目からポロリと涙が。
「勤務時間が長くなり、任される業務も多くなり、どうしてよいか分からない。限界です……」

やっと出てきたHさんからのヘルプに、スタッフは急きょ現場の担当者に問い合わせました。業務について確認すると、「何も言わずに業務をこなしていたので、問題ないものだと思っていました」とのこと。
そこで再度、業務時間や仕事内容の見直しをはかっていただき、できそうなことであっても、早急に増やすようなことはしないように配慮していただくことになりました。

「あの時、LITALICOワークスに相談して、本当によかったです。今は担当の方ともよく相談して、働きやすい環境にしてもらっています」
現在は業務時間や仕事の内容が改善され、問題なくいきいきと働いていらっしゃいます。

※プライバシー保護のため、一部の文章について事実を再構成しております。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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