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障害のある方の就職事例

不安障害(精神障害)の仕事・就職事例 -保育補助-

不安障害(精神障害)の仕事・就職事例 -保育補助-

障害者手帳を取得せずにはじめての就職【不安障害(精神障害)】

男性/20代/保育補助/学童保育所

不安障害(精神障害)

一般枠での就職を決意

Hさんは子どもの頃からの夢であった保育に関することを学べる大学に進学。ゆくゆくは保育士資格か幼稚園教諭免許を取得し、卒業後は保育園や幼稚園で働く夢を抱いていました。しかし、人前で過度に緊張してしまう「社交不安障害(SAD)」の症状に悩み、志半ばで大学を中途退学することを余儀なくされました。

社交不安障害とは、見知らぬ人の前や注目を集める場などが極端に苦手で、強い不安を感じてしまい、動機やめまい・手足の震え・発汗・言葉が出ないなどの症状に悩まされ、社会で孤立してしまうこともある障害です。しばしば、うつ病やパニック障害を併発することもあります。

Hさんの場合は、クリニックの主治医による診断で精神障害者保健福祉手帳を取得するまでには至らない状況であること、またHさん本人も手帳の取得を希望しないことから、一般枠で働ける職場を求めて主治医の勧めでLITALICOワークスを利用することにしました。

「やりたい仕事」を具体的にイメージ

LITALICOワークス初日に、緊張からか言葉がなかなか出てこず、おどおどしていたHさん。過去に同じような症状が出ていた利用者の1人が「はじめはみんな同じ感じだよ」という言葉をかけ、こわばった表情が少しほころびました。その後も周りの利用者に日々声をかけてもらい、徐々にLITALICOワークスに慣れていきました。

Hさんは就職すること自体が初めてのため、ビジネスマナーや自己理解などのプログラムからスタートし、段々と社会人になるイメージがついてきました。そして、スタッフや他の利用者と談笑するなど、初めの頃とは別人のように不安感や緊張から言葉が出てこないなどということがなくなっていきました。
そしてスタッフとの面談において、Hさんに希望する仕事について尋ねると、「自分が働いている姿をイメージすると、やっぱり保育園や幼稚園で子どもたちと一緒にいる自分の姿が浮かぶ……」と、何度も言っていました。元々の夢であった「保育園や幼稚園で働きたい」という強い希望を変わらずに持っていることがわかりました。

しかし、いざ求人情報を探すにあたって、希望する仕事の対象年齢を保育園や幼稚園に該当する小学校入学前の「幼児期」に限定して検索すると、Hさんが保育士資格や幼稚園教諭免許を取得していないこともあり、働ける職場の数がかなり限られていました。そのため、希望する対象年齢を幼児期だけでなく小学生の児童まで広げた上で、職種をHさんが一番に希望する保育補助に絞って仕事を探すことにしました。

児童まで対象年齢を広げたことで、学童保育(学童)での保育補助の求人が見つかりましたが、当初Hさんは学童保育についてあまり知識を持っておらず、「本当にやりたい仕事なのか」となかなか自分が学童保育で働く具体的なイメージを持てず、知識のなさ故に不安が強まりました。
そこでスタッフはHさんとおもにインターネットや本などで学童保育の仕組みや活動内容を一緒に調べ、知識と理解の強化をサポートしました。Hさん自身も自宅で学童保育についていろいろと調べ、学童保育について漠然としていたイメージを細分化し、Hさんの言葉で「学童保育の基本的な仕事内容は、学校を下校して、学童に通ってきた児童が遊んだり宿題をしたりするのを見守り、安全を確保すること」と語ることができるようになり、次第に自分が学童保育で働く具体的なイメージを持つことができました。そして、「学童保育に強い興味を抱き、関心が芽生えた」と伝えると、スタッフが「ちょうど学童保育での保育補助の求人がある」ということを伝えると、「ぜひその求人に応募したいです」という回答をしました。

障害を開示して一般枠で働くための「企業インターン」

希望する学童保育所は一般枠での求人を出していたので、スタッフがまず担当者に電話をかけ、LITALICOワークスが取り組んでいる就労移行支援の説明とHさんの障害状況や真面目な人柄、応募に至る経緯を説明しました。
担当者との会話で手応えを感じたため、「電話で具体的にHさんの障害を説明することは難しい」「実際会って、Hさんの人柄をみていただきたい」と伝え、採用面談のアポイントを取りました。

採用面談にスタッフも同行しました。学童保育所の担当者とHさんのお互いが働くにあたって疑問・不安に感じたことを伺い、スタッフがHさんの今までの障害状況などを交えて回答しました。面談の最後に、お互いが抱いている不安が解消できるよう、企業インターンの期間を設けていただけるかをスタッフが交渉しました。すると、担当者からも「実際にHさんにお会いしてみて不安が払拭できた」「学童保育という仕事への適性を判断するため、5日間の企業インターンの期間を設けたい」という、うれしい回答がありました。

さっそく実施された5日間の企業インターン中に、Hさんの熱意と真面目さが発揮され、高評価を得られました。こうしてインターン終了後、保育補助の内定をもらうことができました。

就職後、初めてスタッフが学童保育所を訪れると、力いっぱい元気な子どもたちと遊んでいるHさんは児童に慕われみんなの心優しいお兄さんとして働いていました。面談でも「夢を諦めなくてよかった。子どもたちと遊んでいる時間が一番楽しいです」と晴れやかな表情でスタッフに話してくれました。

 

※プライバシー保護のため一部の文章について事実を再構成しています。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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