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障害のある方の就職事例

適応障害(精神障害)の仕事・就職事例 -IT企業・事務-

適応障害(精神障害)の仕事・就職事例 -IT企業・事務-

素を出せずストレスがたまる

男性/20代/IT企業/事務職 

適応障害(精神障害)

働こうとすると現れる症状

幼少期から大人しい性格で、小学生になると人目をとても気にして学校では話さず、自宅でよく母親にその日の出来事などの話をしていたSさん。中学では体の線が細いことをクラスメイトにいじられたことをいじめだと思い、学校に行くことが辛くなってしまったそうです。

高校ではいじめられたくないという一心で部活に入らず、どうしたら体型をカバーできるかなどファッション誌を購入し研究したりアルバイトをして洋服を買ったりしていました。

高校卒業後、アパレル物流センターへ就職。そこでは業務を教わる先輩から叱責を受ける日々でした。不規則な出勤時間や夜勤も重なったことが原因で、入社から1ヶ月後には頭痛・動悸・めまいが起こり出勤することが難しく、休職を余儀なくされました。

それからしばらくしてから心療内科を受診したところ「適応障害」と診断されました。診断された時には、退職し少し仕事はお休みをしていた時期でした。しかし外出したり友だちと会ったりしていたため、父親が「仕事ができない状況には見えない、働きなさい」と一言。

急いで就活をして機械部品の組立・検査の工場で働くことに。Sさんはわからないことを質問せず、仕事を進めては注意されることを繰り返しました。再び頭痛やめまいなどの体調不良に陥り、退職してしまいました。

小さい頃から家族の中で父親に権威がありました。また障害に対しての理解がなかったため、2社とも半年未満で退職し父親に呆れられると思うと、動悸が続き強い不安に襲われました。

「適応障害でも働ける仕事」についてインターネットで検索していると、就労移行支援事業所でサポートを受けながら就職活動ができることを知ったSさん。自分に自信がなくなってはいるものの、今度こそ自分に合った職場で長く働きたいと思い、家族には内緒で相談・見学へ行くことにしました。

人目が気になり素を出せない

複数の就労移行支援事業所に相談・見学へ行きました。事業所内の雰囲気や就職するまでの流れが自分に合っていると思い、LITALICOワークスへ通うことに決めました。就職後の悩みや葛藤、どういった時に体調が悪くなるかを確認すると、父親と会話をした日は体調を崩すことがわかりました。

SさんがLITALICOワークスを利用しはじめてからのことです。サービス管理責任者(利用者に合わせた個別支援計画の作成などを担う障害福祉サービス提供のまとめ役)との面談で、Sさんのこれまでの取り組みへの評価を話すことがありました。

その時は顔に出てはいませんでしたが、実は強いストレスがかかっていたことがわかりました。また、人からどう思われるかばかり気にしてしまいなかなか自分の思いを吐露することができないSさん。

他の利用者と分け隔てなく話はできましたが、人の顔色をうかがって本音を打ち明けられていないとスタッフは判断。そこで、日報に気になったことを書く欄を設けたり、スタッフと面談を1週間に1回以上設定し、1時間話をする機会を作ったりして、Sさんが思っていることやストレスを吐き出す練習をしました。

はじめは日報に記入していた内容に話題を向けると「やっぱりいいです」と話を終わらせたり、Sさんのことを聞いている際に自分以外のことを話してしまったりしていました。

何度も面談するうちに、自分のことを隠さずさらけ出していいと思えるようになりました。「みんなより就活が遅れているのではないか」「お昼1人で過ごしたいけれど、誘われたら一緒に行かないと裏で何か言われているのではないか」など実は気になっていたこと、ストレスになっていることを話せるようになりました。

周りの目が気になり誘いを断れないSさんに勧められたのは、ストレス対処法・上手な断り方などのプログラム。それらを学び「人は人、自分は自分」「無理して付き合うことはない」などと考えられるようになりました。

知らない人の目は気にならないのでカフェでゆっくり過ごすことが息抜きに適しているとわかり、自身の苦手なことやその対策、ストレス解消法を身につけていき、徐々に就職活動へステップアップすることができました。

事務未経験で内定Get

グループワークなどで議事録を取ったりみんなの発言をまとめたり、マニュアルを作成したりすることを自然にでき、他の利用者やスタッフから信頼が厚く自分に自信が持てるようになっていたSさんは模擬面接も修正がほとんど必要ないくらい完璧になっていました。

自身の特性をよく理解した上で、マニュアルがありイレギュラーなことが起こらない職場での事務職を希望していました。事務職が未経験のため、企業インターンで事務職を2社経験。企業からの評価が高く、Sさん自身も事務職が自分に向いていると確信できました。

そんな折、Sさんが通っている事業所でミニ企業説明会が開催されました。積極的に質問していた所を見ていたIT企業の人事担当者から「Sさんと少し話をしてみたい」との声がかかりました。

ミニ企業説明会終了後にSさんからも「あのIT企業で働きたい!」との申し出がありました。スタッフはすぐに人事担当者へ連絡をして、企業インターンのスケジュール調整をしました。

Sさんとスタッフは合理的配慮事項をまとめ、5日間の企業インターンへ臨みました。企業インターンでは、数々な発見がありました。思った以上に配慮してもらえること、最寄り駅が始発で座って通勤できること、ここでなら長く働くことができると思ったことなど具体的に働くイメージがついていました。

人事担当者からも面接の依頼が来るほど高評価でした。面接当日、Sさんは緊張するもしっかり思いを伝えられたと手ごたえを感じ、その後予感は当たり内定の連絡を受けました。

仕事もプライベートも充実

現在もIT企業で事務職として働いているSさん。はじめは週5日、6時間勤務からスタートしましたが入社後3ヶ月でフルタイム勤務、今では仕事を1人で任せてもらっているとのこと。プレッシャーがかからないように配慮してもらえ、自分の意見も取り入れてもらえているとスタッフにうれしそうに語っています。

企業からの評価も主体性があり他の社員と遜色なく、モチベーションが高い状態を保って働いてくれていると高評価!

 

先日LITALICOワークスで開催された「卒業生が体験談を語るプログラム」に登壇した際は、冗談を交え笑いを取りながら楽しそうに語るSさんの姿がとても印象的でした。

卒業生の体験談以外にも月2~3回土曜日に事業所で過ごすことが多く、スタッフや利用者と過ごす時間・カフェで1人で過ごす時間が何より楽しい、再就職できて本当に良かったと話してくれています。

 

※プライバシー保護のため、一部の文章について事実を再構成しております。

※掲載内容(所属や役割、診断名など)はインタビュー当時のものです。

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