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障害のある方の就職事例

就職後も伴走する「定着支援」を利用し、一歩ずつ着実にキャリアアップ

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プロフィール

  • Sさん(左)・Mさん(右)
  • 年代 : 30代
  • 就職先企業 : 株式会社SHIFT
  • 診断名 : Sさん(パニック障害、うつ病)・Mさん(パニック障害)

困りごと

  • Sさん:以前は電車の利用が難しかった・会食が苦手・気分の落ち込みがある・人に気を遣いすぎて疲弊する
  • Mさん:人混みが苦手・緊張状態が長く続くと疲労(倦怠感)があり、生活に支障が出る
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ストーリー

同時期にLITALICOワークス蒲田に通っていたSさんとMさん。現在、ともに株式会社SHIFTのビジネスサポート部にて勤務をしています。

SさんはLITALICOワークス卒業から約3年、Mさんは約2年半が過ぎました。すっかり職場にも定着したいま、おふたりに通所中のこと、就職活動のこと、現在のお仕事についてお伺いしました。

LITALICOワークスの温かな雰囲気に、通所を即決

ーーおふたりはともにLITALICOワークス蒲田を利用されていたんですよね。LITALICOワークスに通い始めたきっかけは?

 

LITALICOワークスの温かな雰囲気に、通所を即決


Sさん:私は大学時代にパニック障害を発症して中退し、その後はアルバイトを転々としていました。実は、LITALICOワークスの前に、別の就労移行支援サービスを利用していた時期もあるんです。でも、就職活動を進める中で、希望する職種での就職がなかなか決まらず悩んでいました。その時に、2年間の就労移行支援の利用期間内であれば別の事業所を利用することも可能だということを知り、当時の支援員の方にLITALICOワークスを紹介してもらったのがきっかけです。

 

Mさん:僕は、Sさんより半年遅れて入ったんですよね。体調を崩して前々職を辞めたあと、転職サービスを利用して再就職したのですが、そこでも体調が安定せず2ヶ月で退職することになりました。そのとき、以前転職エージェントの方が「体調に不安があるなら、LITALICOワークスという支援機関もある」という話をしていたことを思い出し、かけこむようにしてLITALICOワークスの門を叩きました。

 

ーーLITALICOワークスの第一印象はいかがでしたか?
Sさん:きれいで明るい! プログラムについても丁寧に教えていただいて、「ここなら安心して通える」と思いました。

 

Mさん:センター長の笑顔が、もう最高でした。当時、仕事を辞めた直後でボロボロだった僕には、仏さまのように見えましたね(笑)。就労移行支援事業所ってもっと事務的な雰囲気なのかと想像していたら、施設もカラフルだし、きれいだし、ちょっと学校みたいな雰囲気もあって。それで、通所を即決しました。

並走してくれる人がいる安心感が、心の支えに

ーーLITALICOワークスでの通所期間を振り返って、とくに印象深いことを教えてください。

 

並走してくれる人がいる安心感が、心の支えに

 

Sさん:通所期間の最後に、LITALICOワークスのスタッフの方にはっぱをかけていただきながら就活したことでしょうか(笑)。自分のことを自分以上に応援してくれている人がいることを実感して、「頑張らなきゃ!」と思えた瞬間でした。一緒に伴走してくれる感じがすごく心地よかったし、励みになりました。

 

Mさん:LITALICOワークスには委員会活動というものがあり、私は広報をしていたのですが、あれは今振り返っても楽しい思い出です。5〜6人のメンバーで月に1回くらいの頻度で壁新聞を作るんですけれど、みんなで次の記事の内容を話し合ったり、自分でも原稿を書いたり。大人の部活動みたいな感じで新鮮でした。楽しかったなー、戻ってまたやりたいけど……戻っちゃダメか(笑)。

 

Sさん:壁新聞作りたいからって戻ったら、怒られますね(笑)。

 

Mさん:プログラムでいうと、ストレスマネジメントのワークショップは今も役立っているなと思います。ストレスの波が出たときの自分なりの対処法として、コーピングについて学んだのですが、座談会でほかの人のコーピング法をいろいろと聞けたのも参考になりました。中には、キャベツをひたすら千切りするっていう人もいました。人によっていろいろで、おもしろいですよね。

 

 

Sさん:私は実習が決まったとき、1週間の通勤訓練をしてもらったことが印象的でした。私はパニック障害があって、電車に苦手意識があったので、「実習先の最寄り駅まで電車で行く」という訓練をしてから実習に参加したんです。今は普通に電車に乗れるようになりましたし、頓服の服用も必要なくなりました。自分の困りごとに合わせたプログラムを提案していただけたことに、感謝しています。

自分の課題を見つめ、焦らず取り組みながら就活へ

――就職を見据えた時に、まず課題となるのが「勤怠を安定させる」ということかと思います。おふたりは、意識して取り組んだことはありますか?
Mさん:LITALICOワークスでは、睡眠時間や服薬などを記入する体調チェックシートがありますよね。あれが、自分の体調を客観的に把握することにつながったかなと思います。「今ちょっと余裕がないな」とか「短気になっているな」といったサインを感じたら、気晴らしにどこかに行ったりして、ニュートラルに戻すようにしていました。

 

Sさん:私の場合は、まさに勤怠が最大の課題で、最後までなかなか安定しませんでした。LITALICOワークスに通っていた時も、どうしても布団から出られないというような日もあって、このままでは就職活動にも影響してしまう、というレベルで。それでも、なんとか3ヶ月の平均通所率をあげるべく踏ん張って、最終的には8割通所を達成しました。

 

自分の課題を見つめ、焦らず取り組みながら就活へ

 

――通所中は収入が途絶えてしまいますよね。生活面での不安や苦労はありませんでしたか?
Sさん:私は週に1日だけ夜勤のアルバイトをしていましたが、月収でいうと4万円程度。実家暮らしだったので、貯金を切り崩しながらなんとか生活できていましたが、自由になるお金はほぼありませんでした。

 

Mさん:私はLITALICOワークスに通う前に働いていたため、入所してしばらくは失業手当が出ていましたが、支給が終了してから次の就職が決まるまでの間は、貯金を崩しながら暮らしていました。一人暮らしだったので、正直、生活は苦しかったです。ただ、前回は短期間で離職してしまったという経験もあるので、「経済面で焦って次の仕事を探そうとするよりも、今はじっくり体調を整えて、しっかり自分に合う会社を見つけることが大事だな」とも思っていました。

 

Sさん:私の場合は、ちょうど就職活動のステージに入ったころに、コロナ禍に突入したんです。求人も実習もどんどん減ってしまって、焦りはありましたね。このまま就職が決まらなかったら、LITALICOワークスをやめてアルバイトをするしかない、ということも考えました。そんなときに、ちょうどSHIFTが実習の募集を出していたんです。コロナ禍で採用を控える企業が多いなか、変わらずに募集をかけてくれているところにも心意気のようなものを感じて、期待感が高まりました。

実習で社内の雰囲気を肌で感じ、入社へ

ーー実習はいかがでしたか?

 

実習で社内の雰囲気を肌で感じ、入社へ

 

Sさん:最初は「皆さん、バリバリと仕事している!」って思いました。でも、実際に働いてみると、「なにかわからないことある?」「どうした?」って周りの方が優しく声をかけてくれたんです。雰囲気のよい職場だと感じました。

 

Mさん:僕はSHIFTの前に、もう1社実習を受けたんです。実はその会社から内定もいただいていたのですが、SHIFTの実習募集を見て「IT系の仕事をしてみたい!」という気持ちが強くなって。そこで、別の会社の内定を辞退して、SHIFTの実習に参加することにしました。今はSHIFTでテストエンジニアとして働いているのですが、仕事内容に満足しているので、あのとき思い切って決断してよかったと思っています。

 

ーー実習後、面接をへて、入社というステップになったわけですね。
Sさん:はい、最初は勤怠にも不安があったので、アルバイトという形で入社しました。時短勤務から始め、1年くらいで勤怠が安定してからフルタイムへと変更し、入社3年目で正社員に昇格しました。勤怠に関しては、会社からもさまざまなサポートをしてもらっています。LITALICOワークスでやっていたような生活記録表がSHIFTにもあるのですが、理想の生活リズムを書いて、そこに自分を当てはめるようにしてからは、遅刻も欠勤もなくなりました。

 

Mさん:僕も週4日の時短勤務からはじめ、2023年からフルタイムで働くようになりました。現在は契約社員として働いていますが、正社員を目指してがんばっています。

 

就職後も伴走が続く、定着支援

ーーおふたりとも、そろそろLITALICOワークスによる定着支援が満了となりますね。定着支援を利用してよかった、と思うことはありますか?
Sさん:大いにあります。入社当初は、仕事とプライベートを分けておきたくて、あえて社内に親しい人を作っていなかったんです。それもあってか、仕事をする上での悩みなどを発散する機会がなかなか持てず、自分の中に蓄積してしまっていたように思います。でも、それを定着支援の面談で吐き出すことができたので、気持ちのバランスがとれていたかなと思います。今では、休日にも会社の人と出かけたりするようになりましたが、あのときはその余裕がなかった。だからこそ、段階を踏めてすごくよかったと思います。「LITALICOワークスのスタッフなら、ネガティブなことであっても気兼ねなく話せる」という安心感に、支えられていたなと思います。

 

Mさん:定着支援での面談は、自分にとっての仕事の振り返りの場にもなっていました。ときには、生活記録表を見ながら「欠勤が多いね」といった指摘をいただくこともありました。お尻を叩いてくれる人がいたからこそ、生活リズムを立て直し、勤怠も安定させていけたかなと思います。

 

Sさん:LITALICOワークスに通っていたときは、就職することを目指してがんばっていましたが、就職後も勤怠が崩れることはあったりして、すべてがとんとん拍子に進んだわけではありません。でも、会社からのサポートに加えて、LITALICOワークスからのサポートも継続して受ける中で、だんだんと自分に合うやり方がわかってきて。そうして少しずつステップアップしていくことができ、会社から「正社員になってみない?」と言われたときは、うれしかったですね。

 

ーー最後に、今後の夢や目標について教えてください。

 

 

Mさん:私は、仕事で役立つような資格を取得したいと思っています。入社時に「資格取得をする」と宣言したものの、まだ実現できていないんです。自分で言ったからには、ちゃんと回収しなきゃと思っています(笑)。今は契約社員なので、正社員になることも目標! あとはお金を貯めて、旅行にも行きたいなと思っています。

 

 

Sさん:私は、まずは目の前のことを着実にこなしていきたいです。その一歩一歩の積み重ねが、今より高いところに連れていってくれるのではないかなと思っています。大きく落ち込んだり、転んだりせず、地道にやっていければいいな、と思います。

 

企業からのコメント

ビジネスサポート部 大泉様(左) 北川様(右から2人目) 一條様(右)

 

【ビジネスサポート1グループ 佐野様よりSさんへ】
SさんはEPチーム(他部署のアシスタント業務を行うチーム)のチームリーダーとして、メール誤送信チェックや請求書チェック、人材登録など多岐にわたって業務を担当してくださっています。SHIFTは、インシデントを発生させないよう厳重にチェックを重ねているためチーム業務は重要なパートを担っていますが、ミスなく業務を遂行できるよう、チームメンバーと連携しながら毎日お仕事を頑張ってくださっています。また、関係部署との連絡やイレギュラーな案件などにも柔軟に対応していただき助かっています。チームメンバーにもいつも思いやりのある優しい目線で接してくださり本当に感謝しています。
入社してからしばらく勤怠が安定しない時期がありましたが、LITALICOワークスさんのサポートとご本人の努力で、今ではそんな時期があったとは思えないほど安定しています。その甲斐あって、入社当時からの「正社員になりたい」という夢を叶え、チームリーダーとして責任あるポジションを任され、ビジネスサポート部になくてはならない存在にまで成長してくださいました。「さらにキャリアアップしたい」という夢を叶えるために、体調に留意しながらベクトルを合わせて一緒に頑張っていけたらと考えています。

【ビジネスサポート1グループ 宮本様よりMさんへ】
Mさんはご自身の体調と向き合いながら、着実に活躍してくださっている社員の一人です。
所属しているテストチームはテストエンジニアの一員として、案件ごとに異なる内容のテスト実行を行っています。案件の期間は2週間から3か月以上にわたるものまで様々存在し、案件の度にテスト実行に必要な知識を身に着け、実行することが求められます。また、案件のない際は庶務サポートを担っていただくこともあり、業務内容、就業環境共にビジネスサポート部の中でも変化の大きいチームです。
Mさんは環境の変化が苦手というところで時短勤務から開始されていますが、現在ではフルタイムで勤務いただいています。ご自身の苦手な環境や場面であっても、「自分としてできる対策は何か」「今日はここまでやる」という形で、業務と体調管理の目標を決め、LITALICOワークスさんと我々からのフィードバックを素直に受け止めながら成長していく姿が特に印象的でした。今は後輩となる社員も数名入り、Mさんの対策や考え方を見本にする社員もいるほど。謙虚な姿勢で、背中で見せながら組織に貢献する一人として、今後も大いに期待しています。

LITALICOワークス蒲田からのコメント

【Sさんへ】
LITALICOワークスをご利用いただいていた期間は生活リズムが安定せず、お休みや遅刻をされることもありましたが、スタッフからのアドバイスを真摯に受け止められ、スモールステップであきらめずに取り組まれていたことが印象的です。そのご様子にスタッフとしても勇気をいただきましたし、学ぶことがたくさんありました。また、他の方を想うお気持ちがとても優しく、スタッフに対しても常に感謝の気持ちを伝えてくださり、体調が芳しくなくとも笑顔を絶やさないお姿が本当に素敵でした。そのような持ち前の優しさや、努力家であられることが、現在のお仕事で発揮できていらっしゃるのだと思います。正社員になられたと伺った時は、スタッフ一同で大喜びいたしました。引き続き、ご無理せずお過ごしいただけたらと思います。これからも応援しております!

【Mさんへ】
初めて見学にお越しになられた時のことを、今でも覚えております。最初はご不安感の強いご様子でしたが、話を進めていく中で表情が明るくなり、「ここで頑張っていこう」という強い意思を感じましたし、そのお姿にとても感動いたしました。LITALICOワークスをご利用開始された後も、他の利用者様に対して優しく和やかに接されているお姿に、スタッフも元気をいただいていました。さまざまな課題に対するアドバイスを素直に受け止められ、それを克服しようとされているお姿にも心を打たれておりました。就労を開始された後も感謝の気持ちを忘れず、しっかりとご自身の体調を客観視しながら過ごすことができていらっしゃるからこそ、現在の評価にもつながっていると感じております。引き続き、ご無理をなさらず、目標達成に向けて取り組んでいただけたらと思います。これからも応援しております!

インタビュー:2023年11月10日

※掲載内容(所属や役割、診断名など)は
インタビュー当時のものです。

利用していた事業所

東京の就労移行支援事業所 LITALICOワークス 蒲田

大田区「蒲田駅」より徒歩5分│「その不安」を受け止め、決してお一人にせず、一緒に取り組む就労支援です!
JR「蒲田駅」徒歩5分
東京都大田区蒲田5-44-5
蒲田プライム2F
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