パーソナリティ障害は、青年期から成人早期までに発症する精神疾患です。
大多数の人とは違う反応や行動をすることで生きづらさを感じたり、仕事や日常生活で周囲と溝や軋轢が生まれることがその特徴だといわれています。
そのためパーソナリティ障害のある方は対人関係のトラブルを抱え、仕事がうまくいかなくて悩む方も少なくありません。
この記事では、パーソナリティ障害のある方の症状、仕事で抱えることの多い悩み、安心して長く働き続けるために大切なことをお伝えします。
パーソナリティ障害は、青年期から成人早期までに発症する精神疾患です。
大多数の人とは違う反応や行動をすることで生きづらさを感じたり、仕事や日常生活で周囲と溝や軋轢が生まれることがその特徴だといわれています。
そのためパーソナリティ障害のある方は対人関係のトラブルを抱え、仕事がうまくいかなくて悩む方も少なくありません。
この記事では、パーソナリティ障害のある方の症状、仕事で抱えることの多い悩み、安心して長く働き続けるために大切なことをお伝えします。
目次
まず、パーソナリティ障害は3つの群・10のタイプに分類されており、それぞれ症状が少しずつ異なります。
パーソナリティ障害でA群に分類される症状は妄想性パーソナリティ障害、統合失調質パーソナリティ障害、統合失調型パーソナリティ障害の3つです。他者とのかかわりに非積極的な傾向があります。
パーソナリティ障害でB群に分類される症状は境界性パーソナリティ障害、自己愛性パーソナリティ障害、反[非]社会性パーソナリティ障害、演技性パーソナリティ障害の4つです。感情の起伏が激しく演技的な表現をする傾向があります。
パーソナリティ障害でC群に分類される症状は依存性パーソナリティ障害 、強迫性パーソナリティ障害、回避性パーソナリティ障害の3つです。内向的で不安が強い傾向があります。
パーソナリティ障害のある方が仕事でいちばんよくある悩みや困りごとは「対人関係」です。
仕事をする上で、周囲の人を困惑させる発言をしたり、こだわりの強さが衝突を招いたりする場面が続くと、仕事仲間や取引先との関係が悪化します。
仕事の場面では、周囲の人との衝突を繰り返すうちに職場に居づらくなっていく場合も多いです。
その場合、パーソナリティ障害は二次症状として、うつ病などの精神障害を引き起こしやすくなります。
また「生活リズムが変わりやすい」「よく体調を崩す」「勤怠が安定しない」といった日常生活、仕事ともに影響が出る傾向があるといわれています。
パーソナリティ障害は、放置していると悪化する可能性もあります。仕事などで周囲の人と衝突を繰り返し、ストレスが積み重なるからです。
その結果、パーソナリティの偏りがさらに強くなったり、別の種類のパーソナリティ障害の症状が表れることも考えられます。
適切な治療を受けることでパーソナリティの偏りを改善し、仕事などでの困りごとを減らしていくことは可能であるといわれています。
安心して仕事を続けるためにも、治療を続けることが重要となります。
会社や上司など仕事をする上で関わる人に、パーソナリティ障害の治療中であることを伝えるかどうかは、非常に悩ましいテーマです。
しかし、職場の人に伝えることで、次のような配慮が得やすくなる場合もあります。
パーソナリティ障害のことを伝えることで、突発的な体調不良や人間関係のトラブル面などにおいて、周囲の理解を得られるメリットがある一方、問題のある言動や行動に理由があれど問題解決や障害理解への困難が生じるデメリットもあります。
パーソナリティ障害のある方にとってストレスを溜めないことも重要です。
ストレスをためない生活の第一歩は十分な睡眠と健康的な食事です。
十分な睡眠は脳の状態がリフレッシュされるので、寝る前には悩みや不安を感じていても起きたら気持ちが楽になる効果があります。
普段から睡眠時間や食事内容の確認などを心がけておくと、体調を崩したときの理由をたどる指針となるかもしれません。また、「ストレスがたまっている」「体調が悪い」と感じる時は、十分な睡眠や食事を大切にしましょう。
パーソナリティ障害のある方は対人関係が不安定になりやすいため、相談相手や相談先を多く持っておくことが心の安定のために大切です。
家族・同僚・友人もそうですし、病院やクリニック、産業医やカウンセラー、行政機関の支援窓口なども活用しましょう。
パーソナリティ障害によって心身が疲れきっている場合は、療養が最優先です。
短期の療養でも、長期にわたる療養が必要な場合も、まず医師に相談しましょう。
服薬や体調管理に気をつけていても、何かの拍子に体調をコントロールできなくなることもあるでしょう。そうなった際に備えて、日頃からその日の体調をメモで残しておくといいでしょう。
医師は、本人からよく話を聞いた上で、症状や就労状況、職場や生活の環境などを総合的に踏まえ、休職すべきかどうか判断します。
その内容を上司に伝え、医師が設定した療養期間について相談するといいでしょう。
パーソナリティ障害の治療のために通院中の人や、治療により症状が安定し再発の予防目的で通院中の人の医療費の自己負担額を軽減する制度です。
疾患の種類や所得に応じて、1ヶ月当たりの負担の限度額が設定されます。
パーソナリティ障害のある方は、精神障害者保健福祉手帳を取得することができる場合もあります。申請には各種条件がありますので、まずは主治医へご相談ください。
障害者手帳を取得すると、疾患の種類や程度に応じて様々な福祉サービスや税金の控除、公共交通機関の運賃や公共施設利用料の割引などを受けることができます。
また、障害者雇用といって症状に対する理解や支援を得られやすい職場で働く選択肢も選ぶことができます。
障害や疾患のために、生活や仕事に支障が出たときに支給される年金です。
働いていた場合でも、症状により仕事が制限されていると判断された場合は、生活の一部を支援する額が支給されます。
怪我や疾患などにより働くことが難しく、収入が不十分で生活に困った場合に、健康で文化的な最低限度の生活を保障するための費用が給付される制度です。
受給には各種条件がありますので、まずはお住まいの市区町村にてご相談ください。
疾患や怪我で仕事を長期間休むときに無収入になってしまうことを避け、生活を保障する目的で支給される手当金です。
ただし、労災保険の給付対象とはならない、業務外の理由による休職に限られます。
保険組合の加入期間によって、その人の平均収入額の3分の2の額、または月額28~30万円のいずれかが、最長1年6ヶ月まで支給されます。
LITALICOワークスでは障害のある方の休職・退職からの復帰を多数支援しています。
パーソナリティ障害など精神障害のある方で復帰された方もたくさんいらっしゃいます。
実際に休職・退職からの復帰を目指す場合は、ぜひ専門機関の支援の利用を検討してみてください。
パーソナリティ障害をきっかけに療養が必要となり、休職・退職に至った場合は、医師から職場復帰の許可が出たのちに就職先を探すことになります。
前職で自分に適していなかった要素を分析し、それらの要素を含まない仕事を選ぶと良いでしょう。その際には、パーソナリティ障害をはじめ疾患や障害のある人の就職活動を支援する機関を利用することをおすすめします。
障害福祉や就労について、幅広い知識と経験を持つスタッフのサポートを受けながら仕事探しをおこなう方法もあります。
ハローワークには、障害や疾患のある人の就労を支援する窓口「専門援助部門」があり、パーソナリティ障害のある方も対象となります。
また、就職に関する相談やカウンセリングの実施のほか、障害や疾患のある人を対象にした求人の紹介などをおこなっています。
就労移行支援事業所とは、一般企業への就労を目指す障害や疾患のある方の求職から就職までの一連の過程をサポートする事業所です。
利用者は事業所に通い、職業訓練や、面接や履歴書対策などの就職活動のサポート、就職後の定着支援などを受けることができます。
LITALICOワークスは、「企業に就職したい」「働きたい」という思いを持っている方に対して、ビジネススキル向上のためのワークショップ、ご本人にマッチした求人開拓、就職後の対人関係サポートまで、一人ひとりの自分らしい働き方の実現に向けて、一貫したサービスを提供しています。
障害特性への理解があるスタッフにより、精神障害・身体障害・知的障害のある方に限らず、発達障害や難病のある方など幅広い方に利用いただける環境を整えています。
また、自分に合った働き方を見つけるために数多くの企業で実習できる機会を提供しています。ぜひ、お気軽にご相談ください。
パーソナリティ障害は、ものの捉え方や考え方、感情のコントロール、対人関係といった広い範囲のパーソナリティ機能の偏りから障害(問題)が生じるものです。
そして、適切な治療を受け、パーソナリティの特徴に適した環境を整えることで、困りごとを減らしていくことは可能です。
もし、退職後に療養を経て復帰を目指す場合は、ぜひ専門の支援機関をご利用ください。
LITALICOワークスでは「就労移行支援」「就労定着支援」「相談支援」の3つのサービスを提供しています。
ぜひいつでもお気軽にご相談ください。
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