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お役立ち仕事コラム

ADHD(注意欠如多動症)とは?特徴や診断基準・対処法について解説

更新日:2024/06/20

集中力が長続きしない、ケアレスミスが多い。
落ち着きがない、思い立ったことをすぐ行動してしまう。

 

日常生活や仕事をする中でそのようなお困りはありませんか?

あなたがもし、「不注意」「多動性」「衝動性」について悩みを抱えているとしたら、ADHD(注意欠如多動症)という発達障害が原因かもしれません。

これらの症状は、周りの人からはなかなか理解してもらえず、誤解を受けてしまうことがありますが、これは決して本人の甘えや努力不足によるものではありません。

この記事では、ADHD(注意欠如多動症)の特徴・症状や診断基準、対処法について解説していきます。

ADHD(注意欠如多動症)とは?

ADHD(注意欠如多動症)は、「脳機能の発達のかたより」が原因といわれている発達障害の一つです。

 

下記のような行動や特性がみられることがあります。

  • 「不注意さ」集中力が続かない、忘れ物が多い。
  • 「多動性」落ち着きがなく、じっとしていられない。
  • 「衝動性」思いついたままに行動してしまう、考えてから行動することができない。

その場に応じて、自分の行動をコントロールすることが苦手なため、周囲の人よりもミスや不注意が目立ち、指摘されたりなど、日常生活や仕事などで困難や苦痛を感じることがあります。

ADHD(注意欠如多動症)は大人になってから診断されることもある

ADHD(注意欠如多動症)は、大人になってから診断されることもあります。

 

大人になると、就職などを転機に、子どもの頃とは違う環境に身を置くことになります。

 

すると、それまではあまり問題にならなかった不注意・多動症の症状が周囲より目立ち、指摘されることがあります。

 

このような状況が続いたことをきっかけに、病院を受診した時に、ADHDであると診断されるケースがあります。

 

また、ADHD(注意欠如多動症)の症状から生じる人間関係・対人関係の悩みや変化によって、こころのバランスを崩してしまい、うつ病や不眠などの二次障害を伴いやすくなるのも、ADHD(注意欠如多動症)の特徴の一つです。

ADHD(注意欠如多動症)の特徴・症状

ADHD(注意欠如多動症)は、不注意、多動性、衝動性などの特性があり、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。

特性のあらわれ方によって

  • 不注意の傾向が強いタイプ
  • 多動・衝動性の傾向が強いタイプ
  • 多動・衝動性と不注意が混在しているタイプ など

主に3つに分けられ、これらの症状が12歳になる前に出現します。不注意、多動・衝動性について、それぞれどのような特徴が表れるのか、について説明します。

不注意の傾向が強いタイプ

  • よく物をなくす
  • 物を置き忘れることが多い
  • 約束を忘れてしまうことが多い
  • 注意力・集中力が長続きしない
  • スケジュール管理や片づけが苦手 など

仕事や授業など、一つのことに集中し続けることが苦手だったり、物をなくす、忘れることが多かったり、些細なことがきっかけとなり注意力が散漫になってしまうといった特徴があげられます。

 

その一方で、自分の好きなこと、興味・関心のある物について考えたり、取り組んだりする際は、話しかけられても気が付かないことがあります。

 

本人に悪意はまったくありませんが、相手からすると「無視された」と誤解をされてしまうケースもあります。

多動・衝動性の傾向が強いタイプ

  • 落ち着きがない
  • 一方的に話続けてしまう
  • そわそわする
  • 感情が高ぶりやすいため、イライラしがち
  • 順番待ちが苦手
  • お金の管理が苦手で、衝動買いをしてしまいがち など

じっとしているのが苦手で終始落ち着かなかったり、無意識に身体を動かしたり、自分の欲求や感情をうまくコントロールすること、お金の管理が苦手などといった特徴があります。

 

集団生活の中で、その場に適していない言動をとってしまうことを指摘されるケースがあります。

ADHD(注意欠如多動症)の診断基準

ADHD(注意欠如多動症)は、アメリカ精神医学会の『DSM-5-TR』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』)の診断基準などをもとに診断していきます。

 

診断方法としては、主に主治医による問診がおこなわれます。問診では、今の生活や仕事の中で困っていることや悩みなどについて聞かれます。また、ADHD(注意欠如多動症)は12歳になる前から出現するといわれているため、子どもの頃の様子、家族関係などについても聞かれる場合があります。そのため、母子手帳や連絡帳、通知表なども持参するといいでしょう。

 

ほかにも、医師が必要と判断した場合には知能検査や心理検査、血液検査などの検査をすることもあります。

ADHD(注意欠如多動症)の治療方法

ADHD(注意欠如多動症)の治療は、「完治」を目指すのではなく、「日常生活・社会生活を問題なく過ごすことができるようになること」を目標におこないます

 

焦らず、継続的に治療に励むことで、日常生活や職場でのADHD(注意欠如多動症)による困難や苦痛といった負担を徐々に減らしていくことができます。

 

ADHD(注意欠如多動症)の治療方法は、大きく分けて3つあります。

  • 環境調整
  • 認知行動療法
  • 薬物療法

それぞれの治療方法について、詳しく解説していきます。

環境調整

環境調整とは、自分自身の特性(できること・できないこと)を理解したうえで、苦手なところを補うために生活環境や人間関係などを見直す方法のことです。

 

例えば、下記のような環境調整があります。

  • 集中が続かない場合
    10~15分程度の集中できそうな時間に区切って作業する
  • 約束を忘れてしまうことが多い場合
    スマートフォンのリマインダー機能や手帳を使う
  • よく物を紛失する場合
    スマートフォンから検索ができたり、音が鳴る機能がある「スマートタグ」をつける
  • 遅刻をすることが多い場合
    ・家を出る時間から余裕をもってアラートをセットする
    ・5分前に到着することを目指す
  • 業務の優先順位をつけることが苦手な場合
    優先順位を上司と一緒につける時間をもらう

こういった対策は一例ですが、自分の症状を正しく理解することで、自身に合った対応策をとることができます。

 

苦手なことに対して、カバーできるように環境を調整していきます。

認知行動療法

認知行動療法は、考え方のクセや価値観、行動パターンのあり方を見直して、状況や場面にふさわしい行動がとれるようにする心理療法の一つです。

社会的スキルや不安・うつなどの症状に対しておこないます。

 

自身のこころや行動のあり方を見直すことで、気分を軽くする効果も見込めます。

薬物療法

薬を服用し、ADHDの症状(主に注意や衝動制御)を緩和・改善することを目指します。

 

1日の適切な服薬回数や副作用などは人によって異なります。

 

自己判断で服用をやめたり、薬の量を増減させることはせず、必ず主治医と相談しながら治療を進めるようにしましょう。

ADHD(注意欠如多動症)の対処法はある?

最後に、ADHD(注意欠如多動症)のある方が、日常生活の中で工夫できるADHDの対処法について解説します。

こまめにメモをとる

ADHD(注意欠如多動症)の代表的な症状に、「忘れやすい」、「スケジュール管理が苦手」という特徴があります。

 

これらの対応策として有効なのが、とにかくこまめにメモをとり見返す習慣を身につけることです。

 

人から言われたこと、自分で気づいたこと、大切だと思ったこと、これらをノートやスマートフォンなど必ず形に残るようにメモをとり、見返すクセをつけるとよいでしょう。

リマインダー機能/チェックリストを活用する

仕事上やるべきこと、提出期限や納期などは、チェックリストを作成したり、リマインダー機能を使ってスケジュール・〆切を管理しましょう。

 

一通り抱えている仕事を書きだすことで、全体像が把握でき、業務を整理することにも繋がります。

 

また、可能であれば、上司にもチェックしてもらうことでより見落としが減るでしょう。

 

「見える化」することは、自分だけでなく、周囲の人が遅れや間違いに気づいてくれることにも繋がります。

 

事前に自分の特性を周囲の人に伝える

ADHD(注意欠如多動症)の症状により仕事に支障が出ている部分について、可能な範囲で、事前に「自分にはこういう特性がある」ということを、上司や同僚に、正直に伝えておくとよいでしょう。

 

はじめは打ち明けることに勇気がいるかもしれませんが、事前に共有することで、周囲の人もあなたのことを理解し受け入れやすくなるはずです。

まずは、自身の症状を理解することからはじめましょう

繰り返しになりますが、まずは自分自身の症状を正しく理解することが大切です。

 

理解することで、必要な対策を立てることができるようになります。

 

そして、これらの対策を一人で進めることが難しいと感じた場合は無理せず、主治医や周囲の人に協力を求めながら進めていくとよいでしょう。

ADHD(注意欠如多動症)のまとめ

ADHD(注意欠如多動症)の症状は、事情を知らない周囲の人からすると、なかなか理解してもらいにくく、誤解されてしまうことがあります。

 

ですが、ADHD(注意欠如多動症)の症状は、決して本人の甘えや努力不足が原因ではありません。

 

ADHD(注意欠如多動症)は、治療することで症状を緩和させ、日常生活・職場環境における困難や負担を減らすことが可能です。

 

もし、ADHD(注意欠如多動症)に関して不安なことや気になることがある場合は、専門の医療機関や発達障害者支援センターなどの専門機関に相談してみるようにしましょう。

ADHD(注意欠如多動症)のある方の就職サポート

ADHD(注意欠如多動症)などで働くことにお悩みのある方への支援として、「就労移行支援」があります。

 

就労移行支援とはADHD(注意欠如多動症)をはじめとする障害のある方の就職をサポートする福祉機関のひとつです。
LITALICOワークスでは各地で就労移行支援事業所を展開し、障害のある方が自分らしく働くためのサポートをおこなっています。

LITALICOワークスではADHDのある方の就職実績も豊富にあります。自分自身の症状を正しく理解し、必要な対策をとり、自分に合った仕事を一緒に見つけましょう。
働くことでのお悩みがありましたら、ぜひ一度LITALICOワークスにご相談ください。

【無料】ADHD(注意欠如多動症)で働くことの悩みをLITALICOワークスに相談してみる

更新日:2024/06/20 公開日:2022/02/18
  • 監修者

    鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授/LITALICO研究所 客員研究員

    井上 雅彦

    応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。

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