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お役立ち仕事コラム

保健所とは?役割や業務、保健センターとの違いを説明します

更新日:2024/06/26

保健所は、地域住民の健康を支える中核となる施設です。

「保健所」というと「新型コロナウイルス対策や食品・環境衛生などに関する業務をおこなうところ」というイメージが強いかもしれません。

 

しかし、保健所によっては健康や医療などについての相談も受け付けています。医師や精神保健福祉士などの専門職が対応してくれるため、どこに相談していいか分からない場合にまず利用できる相談先でもあります。

 

この記事では、保健所の役割や、保健所で相談できること、利用方法に加え、保健センターや精神保健福祉センターとの違いについても説明します。

保健所とは

保健所とは「地域保健法」という法律にもとづき、公衆衛生行政を実施する機関のことです。都道府県や指定都市、中核市や特別区などが設置する機関で、2022年4月1日現在で全国に468ヶ所あります

 

保健所は、健康づくりや健康問題への対応、健康危機管理などの地域における拠点として位置づけられます。

 

具体的には、難病や精神疾患などに関する相談を受け付けているほか、結核や感染症などの対策、薬事・食品衛生・環境衛生に関する指導など、専門性の高い業務を幅広くおこなっています。

 

このため、保健所に配置されている職員も多職種にわたります。保健所の規模によっても異なりますが、医師や保健師、薬剤師や獣医師、栄養士や 精神保健福祉士などが勤務しています。

保健所の役割

地域保健法には、保健所の事業として14の項目が定められています。

 

実際には、保健所の事業内容は地域の実態に沿った形となっており、保健所の規模によっても異なりますが、主に以下のような事業をおこなっています。

医療・薬事

  • 医療に関する相談
  • 医療関係許認可、医療従事者免許 など 

 

健康危機管理

  • 感染症対策 
  • 災害時健康危機管理
  • 被害者への適切な医療の確保 など 

 

健康増進と病気の予防

  • エイズ、肝炎相談
  • 食生活・栄養・栄養成分表示相談
  • 生活習慣病・がん・たばこ対策 など 

 

食品・環境衛生

  • 食品衛生、飲料⽔に関する相談
  • 食中毒の予防・検査
  • 水質調査に関すること
  • 旅館・理美容所等の許可等指導
  • 狂犬病予防、動物愛護業務 など

 

環境保全

  • 環境保全に関する相談
  • 公害、浄化槽関係の届出の受付、監視指導 など 

 

保健・福祉の相談サポート

  • ⼦育て・療育相談・不妊相談
  • 児童虐待・DVなど⼥性相談
  • 知的·身体・精神・難病など相談 
  • 生活保護・⺟⼦・⽗⼦・寡婦福祉の相談サポート など

保健所で相談できること

保健所は、基本的には対人保健サービスはおこなわない位置づけとなっています。

 

しかし前述のように、保健所により事業内容や勤務している専門職の職種も異なるため、対応している相談内容も保健所により異なります。相談内容によっては、地域住民からの相談を受け付けている保健所もあります。

 

具体的には、以下のようなことを相談できます。

 

精神保健福祉相談

  • 精神疾患に関すること
  • 難病・エイズ・不妊
  • 未治療・医療中断の方の受診相談
  • アルコール・薬物依存症に関すること
  • 思春期・ひきこもりに関すること など

 

福祉に関する相談

  • 児童虐待DV など

保健所では保健師や医師、精神保健福祉士などの専門職が対応し、医療や福祉に関するアドバイスや情報などを提供します。相談内容が外部に漏れることはありません。

 

自治体のWebサイトに、保健所が対応している相談内容が記載されている場合があります。自分の悩みを地域の保健所に相談できるか知りたい場合は、お住まいの自治体の情報を確認してみてください。また、保健所の相談は、本人のほか、家族や関係者なども利用対象となります。

保健所の相談方法

保健所での相談方法は、電話と面談があります。相談は無料ですが、電話の場合は通話料がかかります。また相談者の希望に応じて、保健所のスタッフが家庭を訪問して相談をおこなう場合もあります。

 

面談による相談を希望する場合は、事前の電話予約が必要な場合があります。また相談日も決まっている場合もあるため、まずお住まいの地域の保健所に問い合わせてみてください。

 

問い合わせは電話が中心で、メールやSNSでは受け付けていない保健所が多いようです。

 

保健所の開庁時間

保健所により異なりますが、午前9時前後から午後5時30分前後までとなっていることが多いようです。土曜日・日曜日、祝日、年末年始は閉庁しています。

地域の保健所の探し方

全国の保健所とその管轄区域は、厚生労働省の以下のWebサイトで検索することができます。

あるいは、自治体のWebサイトや、市区町村の広報誌に情報が掲載されている場合もありますので、確認してみてください。

保健所と保健センター、精神保健福祉センターの違いは?

保健センターとの違いは?

保健センターは市区町村が設置する施設で、地域住民に密着した対人保健サービスを総合的におこなう拠点です。2022年4月1日現在、全国に2,432ヶ所あります。(参考:厚生労働省「都道府県別市町村保健センター設置数:令和4年4月1日現在」)

 

保健所は公衆衛生や健康危機管理業務などを担うのに対し、保健センターは健康相談・保健指導・乳幼児健診・予防接種・各種検診など、地域住民により身近な対人保健サービスを主な業務とします。

 

保健所と保健センターの役割分担は自治体により異なるため、悩みをどちらに相談すればいいのか知りたい場合は、お住まいの自治体の保健所と保健センターの情報を確認してみてください。お住まいの地域の保健センターの情報は、市区町村のWebサイトなどにて確認することができます。

精神保健福祉センターとの違いは?

保健所や保健センターのほかにも、こころの健康について相談できる公的機関に「精神保健福祉センター」があります。自治体によっては、「こころの健康センター」などの名称になっている場合もあります。

 

精神保健福祉センターは各都道府県・政令指定都市に設置されており、地域住民の精神的健康の保持・増進や精神障害の予防、適切な精神医療の推進や社会復帰の促進などを目的としています。

 

保健所や保健センターとの違いは、精神保健福祉センターはこころの健康についての業務をより専門的におこなっている点です。精神疾患について具体的な相談をしたいときや、社会復帰などについて相談したいときには、精神保健福祉センターを利用するといいでしょう。

 

精神保健福祉センターによっても事業内容が異なるので、相談したい場合はまず市区町村のWebサイトで情報を確認するか、電話で問い合わせてみてください。

保健所についてまとめ

保健所は、地域住民の健康や衛生を支える公的機関の一つです。難病や精神疾患などに関する相談のほか、感染症対策や食品衛生・環境衛生に関する指導など、幅広い業務をおこなっています。

 

一方保健センターは、地域住民にとってより身近で利用頻度の高い対人保健サービスを提供する施設で、精神保健福祉センターはこころの健康や精神疾患について専門的に業務をおこなっている施設です。

 

地域により保健所と保健センター、精神保健福祉センターの役割分担は異なるため、悩みをどちらに相談すればよいのか知りたい場合は、お住まいの市区町村のWebサイトの情報を確認してみてください。

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更新日:2024/06/26 公開日:2023/03/10
  • 監修者

    帝京科学大学 医療科学部 医療福祉学科 准教授

    中里 哲也

    EBP(Evidence Based Practice)に基づいたソーシャルワーク支援展開を目指し活動中。
    専門は「医療福祉」「教育福祉」「地域福祉」「人材育成」など多岐に渡る。

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