広汎性発達障害は、行動や物事に強いこだわりがある、対人関係をうまく築くのが難しいなどの特徴がみられ、日常生活や仕事に影響を及ぼす障害です。
以前は対人関係の困難、パターン化した行動や強いこだわりの症状がみられる障害の総称として「広汎性発達障害」が用いられていましたが、アメリカ精神医学会発刊の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)では自閉的特徴を持つ疾患は包括され、2022年(日本語版は2023年)発刊の『DSM-5-TR』では「自閉スペクトラム症」という診断名になりました。
現在は「広汎性発達障害」の名称で診断されることはなくなりましたが、以前の診断名で情報を探す人もいるため、この記事では「広汎性発達障害」の名称も使いながら説明します。
広汎性発達障害は生まれつきの障害であるため、大人になってから発症するものではありません。
しかし、幼少期に気が付かず、社会に出てから診断を受けて判明するケースもあります。
今回は、広汎性発達障害の症状や診断基準、仕事を続けるうえで意識したいポイントについて解説します。