地域活動支援センターは、障害のある方のサポートをしている施設です。
具体的には、地域交流や創作活動の場の提供や、相談受付などの支援をおこなっています。
しかし、施設にはそれぞれ種類があり、支援内容もさまざまです。
そのため「興味はあるけど、実際にどのようなことをする場所なのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、地域活動支援センターについて、活動内容や対象者、利用料や利用方法について解説していきます。
地域活動支援センターは、障害のある方のサポートをしている施設です。
具体的には、地域交流や創作活動の場の提供や、相談受付などの支援をおこなっています。
しかし、施設にはそれぞれ種類があり、支援内容もさまざまです。
そのため「興味はあるけど、実際にどのようなことをする場所なのかよく分からない」という方も多いのではないでしょうか。
今回は、地域活動支援センターについて、活動内容や対象者、利用料や利用方法について解説していきます。
目次
地域活動支援センターとは、国が「障害者総合支援法」に基づきおこなっている「地域生活支援事業」の一つに位置付けられている支援機関のことです。
「地域生活支援事業」は、障害のある方が能力や適性に応じて、自立した生活を送れるように、本人のお住まいの市町村を中心として実施されています。
障害のある方のなかには、他者と関わりを持つ機会がほしいと思っているものの、そういった機会がなかなか見つからなかったり、少ないという方もいらっしゃいます。
地域活動支援センターの役割は、上記のような方に居場所や機会を提供することです。
生活における困りごとを相談できる場をつくったり、他者とお話する場を設けたりして、障害のある方の社会交流を支援することを目的としています。
地域活動支援センターをより詳しく理解するためには、前身(機関の前の姿)であった「小規模作業所」について知っておくと良いでしょう。
小規模作業所は、簡単な作業をおこなったり、地域の人たちと会話したりなど、さまざまな目的で利用されていました。
運営していたのは、障害のある方の家族や障害者団体、ボランティアなどの関係者です。
2006年10月に「障害者自立支援法(現・障害者総合支援法)」が施行されてからは、運営体系が代わり、地域活動支援センターや就労移行支援事業所として活動しています。
地域活動支援センターの活動内容は「基礎的事業」と「機能強化事業」の2つに分かれています。
基礎的事業では、創作活動や生産活動の機会の提供をおこなっています。
具体的には、手芸品や工芸品を製作したり、習字をしたり、絵を描いたりします。
また、完成した作品をバザーなどのイベントで販売することもあります。
「機能強化事業」は、基礎的事業に加えて、地域活動センターの機能を強化するための事業です。
Ⅰ型、Ⅱ型、Ⅲ型の3つに分類されています。
ただし、自治体によっては、分類のされ方が異なる場合もあります。
Ⅰ型
Ⅰ型では「困りごとの相談受付」や「地域の医療機関や支援機関と連携して障害のある方のサポート」などをおこなっています。
また、地域ボランティアの育成や、障害への理解を深める活動もしています。
基本的にⅠ型の地域活動支援センターには、社会福祉士や精神保健福祉士などの専門スタッフの配置が義務付けられています。
Ⅱ型
働くことが難しい障害のある方へ向けて、身体機能の維持や向上を目的とした「機能訓練」や、対人関係をスムーズにするための「社会適応訓練」などをしています。
また、入浴サービスなど生活面の支援もおこないます。
Ⅲ型
通所による障害者支援の実績が5年以上あり、安定的に運営していることがⅢ型の条件です。
活動内容は相談を受け付けたり、作業の場を提供したりなど、施設によってそれぞれ異なっています。
地域活動支援センターを利用できる対象者や利用条件について解説します。
また、利用する際にかかる費用がどのくらいなのか、合わせてご紹介します。
障害のある方で、地域活動支援センターのあるエリアに住んでいる方が対象になります。
施設によっては、障害者手帳を習得していない場合も「自立支援医療受給者証(精神通院医療)を持っている」など、ほかの条件を満たすと利用できる場合があります。
自立支援医療受給者証(精神通院医療)とは、「精神疾患の治療時にかかる医療費を負担する制度を利用できる」と証明する書類のことです。
地域活動支援センターの公式サイトには、対象となる方について具体的に記載されています。
もしも、自身が対象となるか分からない場合は、事前に問い合わせてみると良いでしょう。
基本的には無料で利用できるところがほとんどですが、一部の施設では100円〜200円程度の利用料金がかかることもあります。
また、製作をする際にかかる材料費やおやつ代などは実費がかかります。
シャワー代、コーヒー代、洗濯代、イベントへの参加費など、項目ごとにあらかじめ、料金が設定されている施設も見られるため、必要に応じて利用すると良いでしょう。
地域活動支援センターの利用方法(利用の流れ)と、必要書類について解説します。
ただし、自治体や地域活動支援センターによって、手続きの流れや必要書類が異なります。
当項目を参考にした後に、お住まいの自治体や利用したい施設の情報をご確認ください。
地域活動支援センターは、いきなり訪問してすぐに利用できるわけではありません。
窓口への相談や施設の見学をして、手続き(登録)後に利用がスタートする流れです。
まずは、市区町村の福祉課もしくは、利用したい地域活動支援センターへ相談しましょう。
また、多くの地域活動支援センターが見学に対応しているため、まずはどのような場所か、実際に目で見てみることをおすすめします。
その後、「利用してみたい」と思ったら、本格的な登録をおこないましょう。
地域活動支援センターによっては、登録の手続き時に受給者証が必要です。
受給者証とは「地域生活支援事業の受給者証」などのことです。
上記の受給者証は、市区町村の窓口で申請し、審査に通ると受け取れます。
手続き時に受給者証が必要な地域活動支援センターを利用する流れはおおよそ下記の通りです。
市区町村での申請時には、利用条件を満たしているかの確認や、サービス利用のための聞き取り調査(月に何回使用したいか、など)があります。
審査に通り「受給者証」を受け取ったら、利用したい施設での登録をおこないましょう。
障害のある方が利用できる支援(施設)は、地域活動支援センターの他にも複数あります。
実際にどのような支援があるのかご紹介します。
また、地域活動支援センターと就労継続支援の違いについても解説します。
地域活動支援センターと就労継続支援をおこなっている施設は、どちらも「障害のある方が通いながら生産活動をする」ための場所です。
大きな違いとしては「生産活動が就労にあたるのかどうか」が挙げられます。
まず、地域活動支援センターの目的は「生産活動の場の提供」であるため、多くの場合、収入が発生することはありません。
一方、就労継続支援は「働く場の提供」や「活動を通しての知識・能力の向上」を目的としています。
そのため、就労継続支援A型(雇用契約を結んで働く)と就労継続支援B型(雇用関係を結ばずに働く)共に、収入が得られます。
障害者就業・生活支援センターは、就業面と生活面の一体的な相談や支援をおこなう機関です。
就職に関する悩みを相談できるだけでなく、衣食住(衣類と食事と住居)を安定させるための支援制度について、内容や手続き方法のアドバイスを受けることもできます。
また、利用にあたって障害者手帳は必須ではありません。
そのため、医師の診断書を持っている方や、障害者手帳を申請中の方も、一度自分の症状を伝えて、利用できるかどうか問い合わせてみましょう。
全国の障害者就業・生活支援センターは厚生労働省の公式サイトからご覧いただけます。
発達障害者支援センターは、発達障害のある方をさまざまな角度から支援しています。
例えば、相談に乗ったり、保険や医療、教育など複数の機関と連携して、必要に応じて助言や指導をおこなったりしています。
また、医療機関にて、発達障害だと確定診断を受けていない方も窓口で相談が可能です。
全国にある発達障害者支援センターの場所は、国立障害者リハビリテーションセンターの公式サイトから確認できます。
就労移行支援とは障害のある方の就職をサポートする福祉機関のひとつです。
LITALICOワークスでは全国に就労移行支援事業所を展開し、就職のためのサポートをおこなっています。
資料請求や相談、見学も受け付けているため、まずはお気軽にお問い合わせください。
地域活動支援センターは、地域社会と関わる場を提供してくれる施設です。
各施設によって特徴が異なっているため、まずは、お近くにどのようなタイプの地域活動支援センターがあるのか調べることが大切です。
もしも「どの施設が向いているのか、分からない」と思ったら、お住まいの市区町村の窓口(市役所の福祉課など)に問い合わせてみると良いでしょう。
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