まずご自身の症状について理解を深めることが大切です。「自分がどんなときに不安を感じやすいか」を整理してみましょう。そのうえで「自分でできること」そして「周囲の配慮や理解を得ることで働きやすい環境」を調整してみるといいでしょう。ここでは例をあげていきます。
自分でできること
リラックス法
仕事中に「強い不安」を感じそうになったとき、自分なりのリラックス法をもっておくことで、安心して働けるようになる方もいます。
例えば、一旦席を外して深い腹式呼吸をして落ち着いてみたり、普段から規則正しい生活リズムを心がけることで自律神経のバランスを整えるなどです。場合によっては「漸進的筋弛緩法(ぜんしんてききんしかんほう)」や「呼吸法」などのリラクゼーション法を精神科医や臨床心理士などから教わることも一つの方法です。
- 漸進的筋弛緩法:
さまざまな筋肉を引き締めたりゆるめたりすることで、リラックス状態を引き起こす方法
- 呼吸法:
鼻から息を吸い、口からゆっくりと細く長く息を吐く方法(腹式呼吸でおこなうのがいいといわれている)
周囲の理解や配慮を得る
社交不安障害の方が、仕事上で生じる不安や恐怖に対して「耐える」「我慢する」だけでなく、社交不安障害の症状について周囲の人の理解を得たうえで、業務内容や職場環境などに対して配慮を得るということも大切です。
例えば、朝の通勤ラッシュがつらい場合、時差出勤や在宅勤務の制度を利用するなど、できるだけ負担のなく仕事を続けられる環境に整えるのがいいでしょう。
そのほかにも、例えば電話対応に強い恐怖を感じる場合は、電話対応は控え、その代わりにデータ入力の量を増やすなど、症状が強くでない業務内容に調整することも一つの方法です。