まずは「障害者差別解消法」について解説していきます。「障害者差別解消法」は2016年4月1日に施行されました。これによって、障害の有無にかかわらず、すべての人がお互いを尊重し合いながら共生する社会づくりが法律で定められることになりました。
障害者差別解消法では、役所や事業者に対し「障害を理由とする不当な差別的取り扱い禁止」「合理的配慮の提供義務」を課しています。ここでいう事業者とは、民間企業のほか、飲食店などのお店やボランティア団体などのグループも含まれています。
また、合理的配慮の対象者については、以下の通りと定められています。
障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。
引用元:「内閣府」障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成二十五年法律第六十五号)
つまり合理的配慮は、障害者手帳の有無にかかわらず、こういった困難さに対する配慮が必要とされている方が対象となります。
障害者差別解消法においては、例えばお店で障害のある方が意図的にサービスを受けられないようにする、といったようなことを差別的な扱いとして禁止しています。また、障害のある方から「配慮をしてほしい、サポートをしてほしい」という意思表示があったときには、負担が重くなりすぎない範囲での対応が求められています。
民間事業者においては、2021年5月に可決された改正法案により合理的配慮への対応が努力義務として定められていましたが、2024年4月からは法的義務となりました。