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身体障害者手帳とは?等級や申請・更新方法、メリット、利用できるサービスを解説

更新日:2024/07/18

身体障害者手帳とは、身体に障害のある方へ交付される障害者手帳の事です。持つことで日常生活や働くうえでさまざまなサービスを受けることができます。障害の程度によって等級が決まり、受けることができるサービスも変わってきます。

この記事では身体障害者手帳の対象者や等級の分け方、受けることができるサービス、申請方法などを解説します。

身体障害者手帳とは?

身体障害者手帳とは、身体障害者福祉法に定める身体の障害のある方に対して、都道府県知事、指定都市市長などが交付する障害者手帳の事です。身体障害者手帳を取得することで、生活面や仕事面でさまざまなサービスを受けることができます。

身体障害者手帳の対象者は?

身体障害者手帳の対象となる障害の種類は以下のようになります。

  • 視覚障害
  • 聴覚又は平衡機能の障害
  • 音声機能、言語機能又はそしゃく機能の障害
  • 肢体不自由
  • 心臓、じん臓又は呼吸器の機能の障害
  • ぼうこう又は直腸の機能の障害
  • 小腸の機能の障害
  • ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害
  • 肝臓の機能の障害

 

これらの障害の程度が一定以上で、永続※すると判断された場合に手帳の交付を受けられます。

※「その障害が将来とも回復する 可能性が極めて少ないもの」であれば永続するとみなされます。

身体障害者の等級の分け方

障害の症状や生活への影響から1級から7級までの等級があり、等級は都道府県知事よって指定された指定医によって判定されます。

1級に近づくほど障害の程度が重く、1級から6級までの障害のある方が身体障害者手帳の交付対象となります。
7級の障害単体では交付の対象とはなりませんが、7級の障害が2つ以上ある場合や、7級のほかに6級以上の障害がある場合に交付の対象となります。

等級の判断基準の詳細は以下よりご確認ください。

身体障害者手帳の申請方法

身体障害者手帳の申請の流れを紹介します。

  • 各自治体の障害福祉課などの窓口へ相談し、申請書類の入手や必要な手続きを確認
  • 指定医から診断書と意見書を取得
  • 申請書類や写真、身分証明書を添えて窓口へ提出
  • 1~2ヶ月程度で交付

障害者手帳という名称ですが、一部自治体ではカードタイプのものを発行しており、その場合は申請時に選択することができます。
また、本人による申請が困難な場合は代理として家族や医療機関の職員による申請も可能となる場合があります。

身体障害者手帳の更新方法

身体障害者手帳の取得後に必要な手続きはある?

身体障害者手帳は原則、更新はありませんが、障害の状態が軽減されるなどの変化が予想される場合には、再認定を実施することがあります。
またそれ以外では次のような場面で手続きが必要になります。

  • 住所・氏名が変更になった時
  • 紛失・破損した際の再交付
  • 返納したいとき など

これらの手続きはお住まいの市区町村の障害福祉課などの窓口でおこなうことができます。

身体障害者手帳を取得するメリットデメリット

身体障害者手帳を持つメリット

身体障害者手帳を取得することで、さまざまなサービスを受けることができます。詳しくは交付時に配布されるガイドブックや、お住まいの自治体のWebサイトや障害福祉課などの窓口などで確認するといいでしょう。

代表的なものを3点あげておきます。

(1)割引などの福祉サービス

公共料金の割引や、助成金制度、税金の軽減などを受けることができます。

身体障害者手帳の等級や所得状況、お住まいの自治体により受けることができるサービスは異なりますので、詳細はお住まいの自治体のWebサイトや障害福祉課などの窓口でご確認ください。

主な料金の割引や助成の一部を以下に紹介します。

  • 医療費の助成
  • 博物館などの公共施設の割引
  • JRやバス・航空運賃などの公共機関の割引
  • 携帯電話基本料金の割引
  • 公営住宅の優先入居
  • NHK受信料の免除
  • 身体障害者手帳の場合、車椅子や補聴器など補装具の費用や、住宅リフォーム費用の助成 など

(2)所得税や住民税の障害者控除

障害者控除とは納税者本人・配偶者・扶養親族に障害がある場合の所得控除の制度です。

中でも障害等級が1級・2級に該当する場合には「特別障害者」として通常の障害者控除よりも高い控除を受けることが可能です。障害者控除の額は以下のように区分されています。

  • 障害者:所得税27万/住民税26万
  • 特別障害者:所得税40万/住民税30万
  • 同居特別障害者:所得税75万/住民税53万

障害者控除を受けるには、会社員の方は年末調整で「扶養控除等の申告書」を提出することが要件となります。個人事業主や年末調整対象外の方は確定申告の際に申告する必要がありますので、詳細はお住まいの税務署にご確認ください。

(3)自動車税・軽自動車税及び自動車取得税の控除

こちらの控除では、療育手帳の本人、もしくは本人と生計を共にする方が所有する車で以下に該当する場合に控除を受けられる場合があります。

  • 障害のある本人が運転する場合
  • 本人と生計を共にする方が、障害のある方の通院や通学・通勤などのために運転をする場合

こちらも各都道府県や市区町村によって異なりますので、詳しくはお住まいの自治体に相談してみてください。

身体障害者手帳を持つデメリット

障害者手帳を持つことに心理的な抵抗を感じる方もいるかもしれません。手帳の交付を受ても控除などのサービスを利用するかは任意となっています。また返納もできますので、お守り代わりに持つという方もいます。

申請や更新などの手続きがかかることがデメリットと言えるかもしれません。書類や写真などを準備する必要があり、交付されるまでに1~2ヶ月かかることが多いといわれています。

身体障害のある方が仕事や就職で活用できるサービス

身体障害者手帳を所持していると、障害者求人への応募が可能になるなど仕事に関するサービスを受けることもできます。

障害者求人へ応募できる

障害者求人とは、障害者手帳を持つ方が応募できる求人のことで、障害のある方が働きやすくなるような配慮が受けやすくなることをいいます。企業は従業員数に応じて、一定の人数の障害のある方を雇う義務があります。

公共職業安定所(ハローワーク)

ハローワークでは障害者求人を調べることができます。障害者用窓口もあるので、そちらで職員と相談しながら求人の選択や面接の設定などをおこなうことができます。

障害者職業センター

就職のため訓練や、講習などを受けることができるほか、リハビリテーション計画の作成、職業適性検査など働くための支援を受けることができます。

身体障害のある方が利用できる障害福祉サービス

障害のある方が日常生活や社会生活を営むために、必要な訓練などを提供するサービスのことで、ここでは仕事に関係するサービスを紹介します。

就労継続支援A型

雇用型とも呼ばれ、原則的に利用者は事業所と雇用契約を結びます。そのため労働基準法や最低賃金が適用され給料が支払われます。その中で働く機会の提供や一般企業への就職へ向けた支援をおこなっていきます。

就労継続支援B型

非雇用型と呼ばれ、利用者は事業所と雇用契約は結びません。給料の代わりに作業に応じた「工賃」が支払われます。就労移行支援やA型への移行や一般企業への就労に向けた訓練をおこないます。

就労移行支援

一般企業に就職を目指す障害のある方が通いながらプログラムや実習をおこなう事業所です。専門のスタッフと働くためのスキル取得に取り組むことや書類添削、面接練習などの支援を受けることができます。

就労定着支援

生活介護・自立訓練・就労系福祉サービスを利用して就職した方が利用できる支援で、働いた後に企業や利用者との定期面談や業務の調整などを間に入っておこなうことで長く働くことをサポートする制度です。

LITALICOワークスでは就労移行支援と就労定着支援をおこなっています。LITALICOワークスを利用して就職された方は、そのまま定着支援も利用することができます。就職前から就職後まで支援を提供しています。

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身体障害者手帳のまとめ

身体障害者手帳を取得することで、生活面・経済面・仕事面で役立つサービスを受けることができます。上手に活用していくことでさまざまな負担を軽くすることができますので、お住まいの自治体で情報収集もしながら、申請を検討していただければと思います。

身体障害がある方の就職をサポートする就労移行支援

就労移行支援は一般企業に就職を希望する方々へ、働くためのさまざまなサポートをおこなう福祉サービスです。

 

LITALICOワークスは各地で就労移行支援事業所を運営しており、これまで1万人以上の方の就職をサポートしてきました。

障害のある方が自分らしく働くために、「合理的配慮」の調整をサポートしています。

 

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更新日:2024/07/18 公開日:2021/10/27
  • 監修者

    帝京科学大学 医療科学部 医療福祉学科 准教授

    中里 哲也

    EBP(Evidence Based Practice)に基づいたソーシャルワーク支援展開を目指し活動中。
    専門は「医療福祉」「教育福祉」「地域福祉」「人材育成」など多岐に渡る。

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