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お役立ち仕事コラム

心理カウンセリングとは?内容や種類、効果、料金などを紹介

更新日:2024/11/26

「仕事やプライベートが不調」「心身共につらい」「一人で悩みを抱えているがどうしていいか分からない」そのような場合は、カウンセリングを受けることも選択肢のひとつです。しかし「自分はカウンセリングを受けられるのか」「どこで受けられるのか」という疑問や、「カウンセリングといっても何をするのか分からない」という不安がある方も多いかもしれません。

 

そこでこの記事では、カウンセリングが必要な場合や、カウンセリングの内容・種類と受ける意味、カウンセリングの効果や料金について解説します。カウンセリングが受けられる場所についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

心理カウンセリングとは?

「カウンセリング」というと、日本ではあまり気軽に利用できないイメージがあるかもしれません。そもそも「カウンセリング(counseling)」とは、英語で「相談」や「助言」を意味する言葉です。日本では「専門家による心理的な援助」を指します。

 

カウンセリングをおこなう人は「カウンセラー」と呼ばれ、カウンセリングを受ける人は「来談者」「クライエント」などと呼ばれます。

 

カウンセリングは医療や福祉のほか、教育やビジネスなど幅広い分野でおこなわれています。医療や福祉の分野では、カウンセラーがクライエントや来談者の心の悩みを聞き、心理に関する専門知識を活かして支援します。

カウンセリングが必要な人とは?

医療機関でカウンセリングが適用される場合は、医師が「治療上カウンセリングが必要である」と判断した場合です。

 

例えば、うつ病など精神疾患がある場合、発症した背景に本人の性格傾向や行動パターンなども影響していることがあります。このような場合は、医師による薬物治療とは別にカウンセリングを用いて、性格や考え方、行動パターンなどを見直していくケースもあります。それにより、この先同じような状況に直面したとき、精神疾患の再発を防ぐことが期待できるといわれています。

 

また、カウンセリングは医療機関以外でもおこなわれており、疾患の診断がない場合にも利用できます。悩みの内容に関係なく誰でも受けられるものであるため「心理の専門家の意見が聞きたい」と思う場合は、気負わずにカウンセリングを受けてみるとよいでしょう。

 

カウンセリングは、カウンセラーとの対話によりおこなわれます。極度のストレスなどで対話に支障が出たり、対話が負担となったりするような場合には、カウンセリングより医師の診療や休養を優先したほうがいい場合もあります。

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心理カウンセリングの内容

カウンセリングは、基本的にはカウンセラーとの1対1の対話によりおこなわれます。カウンセリングは、カウンセラーがアドバイスをしたり答えを示したりするものではありません。自分自身の力で気持ちや考え方を整理し、悩みを解決していくためのサポートをおこないます。

カウンセリングの目的・受ける意味

カウンセリングの目的や受ける意味は、「自分を見つめ、悩みの解決への道筋を自分で見つけていけるようになる」ことにあります。

  

悩みに向き合う過程では、「自分がどのような場面でどう感じ、どう反応するのか」という「ありのままの姿」を見つめていくため、自分自身をより深く客観視できるようになります。

このとき、カウンセラーがそこにいて、ありのままの自分を理解し受け入れてくれることで「自分自身を見つめて悩みを解決していこう」という気持ちがわき出てきます。

 

また、カウンセリングにより「自分自身を深く理解して、悩みを解決していく」という過程を経験すると、徐々に自分の気持ちや「ありのままの姿」に向き合えるようになり、一人で悩みの解決への道を探せるようになることが期待できるといわれています。

カウンセリングの方法

カウンセリングは、以下のような方法でおこなわれます。

 

  • 対面
  • メール
  • 電話
  • オンライン(ビデオ通話) など

 

近年は、オンライン(ビデオ通話)で顔を見ながら会話ができる「オンラインカウンセリング」も広がりつつあります。オンラインカウンセリングは、実施される場所に出向くことなくカウンセリングを受けられるため、外出を避けたい方や、理由があって家を離れることが難しい方も利用しやすいでしょう。

心理カウンセリングの種類

カウンセリングには、いくつかの種類があります。ここでは、医療機関でおこなうことの多い「来談者中心療法」と「認知行動療法」をご紹介します。

 

カウンセリングをおこなう機関によって心理カウンセリングの種類が異なるため、どの種類がよいか分からない場合は、事前に問い合わせるとよいでしょう。

来談者中心療法

来談者中心療法は、「来談者の話をじっくりと聞く」という療法です。このためカウンセラーが主導権を握ってアドバイスをおこなうのではなく、来談者の思いを理解し、来談者が自分の能力を最大限に発揮できるよう支援をおこないます。

認知行動療法

認知行動療法は、その人の行動や感情に大きく影響を与えている極端な物事の受け取り方や考え方(歪んだ認知)をカウンセラーと一緒に確認し、最終的にさまざまな考え方がある中から自分自身で不快な感情が少ないものを選択することで、悩みや症状の改善を目指す療法です。

 

環境や状況は変わらなくても、悩みや症状の原因となった認知を変えていくことで、問題や症状を自分の力で解決していくことを目指します。

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心理カウンセリングの効果

カウンセリングでは、以下のような効果が期待できるといわれています。

心を軽くする

悩みや心の不調を一人で抱え込んでいる場合、カウンセリングを受けることで、気持ちを軽くする効果が期待できるといわれています。カウンセリングを受けることで、「ほかの人に分かってもらえた」「話ができてすっきりした」といった感覚を持つことができる場合もあります。話すことで緊張や不安が和らぐこともあります。

問題を整理できる

心の中の気持ちを言葉にすることで、今の状況や自分の考えを整理することができるでしょう。例えばカウンセリングを受けることで、「出来事の根本的な問題は何か」「自分は何が嫌だと感じているのか」などということについて、改めて考えるきっかけが得られます。自分の気持ちや状況を把握して整理することは、問題解決の最初のステップとなります。

自身の考え方を客観的に認識できる

第三者であるカウンセラーと対話していくうちに、自分を客観的に見ることができるようになり、自分の本当の気持ちや認知のパターンなどにも気づいていくでしょう。その結果、「この経験を今後どう活かして対処すればよいか」ということも分かることが増えます。今起こっている問題や症状の解決だけでなく、よい対処の仕方を身につけられる可能性があります。

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心理カウンセリングを受ける際のポイント

カウンセリングを受けるときに心がけておくといいポイントを3つご紹介します。

自分のペースを心がける

人と話すことに苦手意識のある方は、カウンセラーに対して、自分の思っていることをうまく伝えられないと感じる場合もあるかもしれません。気持ちがもやもやとしているけれど、まだ自分自身の心境がよく分かっていないケースもあるでしょう。

 

このような場合は、「うまく話そう」と頑張るのではなく、浮かんできた気持ちをありのままの言葉にすることが大切です。

効果が表れるまで時間がかかることを知っておく

カウンセリングを受けても、すぐに効果が出ないことはよくあります。

 

カウンセラーとの対話により、まずは自分自身の内面が変化し、その後現実生活にも効果が出てくることが多いようです。したがって、自分で分かるような効果が出ていない段階で、「カウンセリングは意味ないのでは」と半信半疑の状態でいると、自分自身の内面に変化が起きにくくなり、効果が表れにくくなる可能性があります。

 

効果を感じられないときは、その気持ち自体も正直にカウンセラーへ伝えてみるとよいでしょう。

カウンセラーとの相性が大切

どんなに経験や知識があるカウンセラーであっても、自分との相性がよくないことはあります。またカウンセラーとの相性は、雰囲気や性格が合わないだけでなく「相談内容についての専門的な知識や経験があるか」という要素も関係します。

 

もしカウンセリングを受けていて「相性が合わないかもしれない」と思ったら、別のカウンセラーに依頼したり、別の場所でカウンセリングを受けたりすることも検討しましょう。

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心理カウンセリングの料金

カウンセリングの料金は、どのようなカウンセリングサービスを選ぶかによって金額が異なります。また、保険診療が適用されるかどうかによっても変わってきます。

カウンセリングの保険適用はある?

医療機関で、治療の一環として心理カウンセリングを受ける場合、保険診療が適用される場合もあるでしょう。うつ病の診断があり、心理療法がおこなわれる場合などがそれにあたります。ただし、医療機関でおこなわれるカウンセリングであっても、保険診療が適用されない場合も多くありますので、詳しくはカウンセリングを受けようとしている医療機関へ確認しましょう。

カウンセリングの料金は?

料金には、以下によって数千円〜数万円まで幅があります。

  • カウンセリングを何分受けるのか(一般的には45〜60分程度が多い)
  • 何時から受けるのか
  • どのカウンセラーに依頼するのか
  • 相談したい内容や治療内容 など

 

多くの場合、各サービスのWebサイトに料金と時間が記載されているので、受ける前に確認しておきましょう。

カウンセリングは無料で受けることができる?

カウンセリング料金の負担が大きいと感じる場合は、無料で相談できる窓口を利用するのも一つの方法です。

 

例えば厚生労働省では、悩みの種類や相談者の年代、電話ができる時間などに合わせて選べる電話相談窓口を設けています。

日本産業カウンセラー協会 東京支部の無料電話相談「働く人の悩みホットライン」は、日曜祝日を除く月曜日から土曜日まで午後3時〜午後8時の時間帯に、一人1日につき1回30分以内で無料電話相談をすることができます(通話・通信料は相談者負担)。

自治体によっては、地域の相談窓口の一覧をWebサイトに掲載している場合があります。お住まいの自治体の情報を確認してみてください。

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心理カウンセリングを受けられる場所はどこ?

カウンセリングが受けられる場所は「医療機関」「公共機関」「民間機関」の3つに大きく分けられます。

医療機関

医療機関では、主に精神科や心療内科でカウンセリングをおこなっています。医療機関でのカウンセリングは医師のほか、臨床心理士、公認心理師などが担当することもあります。

 

医療機関でカウンセリングを受けたい場合は、精神科や心療内科を受診のうえ、カウンセリングが必要かどうかを主治医に相談してみるとよいでしょう。

公共機関

悩みの種類によって、適した機関を利用できます。

 

仕事に関する相談

ハローワークにはキャリアカウンセラーが在籍しており、障害のある方であれば地域障害者職業センターの「障害者職業カウンセラー」などに相談することもできます。

心の健康に関する相談

保健所や精神保健福祉センターには医師や精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師などがおり、地域の住民などからの相談を受け付けています。

その他の相談

厚生労働省は、仕事や生活などさまざまな種類の困りごとが相談できる窓口を設けています。電話やメール、SNSなどの方法で相談できます。

民間機関

民間のカウンセリング機関でも、カウンセリングを受けることができます。

 

カウンセラーを名乗るのに資格要件はないため、カウンセラーは臨床心理士や公認心理師などの資格を持つ場合もあれば、資格がなくても専門知識の豊富な人である場合もあります。

 

民間機関の中には、初回は無料でカウンセリングをおこなっているところもあります。無料カウンセリングを利用して、カウンセラーとの相性を判断してみるとよいでしょう。

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心理カウンセリングのまとめ

カウンセリングとは「専門家による心理的な援助」のことで、誰もが気軽に利用できます。

 

心身に不調を感じ、誰かに相談したいと思ったときは、この記事を参考に、カウンセリングをおこなっているところへ問い合わせてみるといいでしょう。

 

カウンセリングにも種類があり、それによって受けられる機関も異なります。自分の状態や目的に合わせてカウンセリング機関を選びましょう。どこを選べばよいか分からないときは、厚生労働省が運営している相談窓口で聞いてみることも検討しましょう。カウンセリングでは自分のペースで無理なく話すことを意識してみてください。

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更新日:2024/11/26 公開日:2022/02/01
  • 監修

    医学博士/精神科専門医/精神保健指定医/日本産業衛生学会指導医/労働衛生コンサルタント

    染村 宏法

    大手企業の専属産業医、大学病院での精神科勤務を経て、現在は精神科外来診療と複数企業の産業医活動を行っている。また北里大学大学院産業精神保健学教室において、職場のコミュニケーション、認知行動療法、睡眠衛生に関する研究や教育に携わった。

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