Close
お役立ち仕事コラム

うつ病の初期症状について|仕事での対処法についても解説

うつ病はおよそ100人に6人が一生のうちに経験していると言われています。(参照:厚生労働省

 

だれもが発症する可能性があり、決して珍しいものではありません。

 

しかし、うつ病の初期症状が出ていたとしても「少し疲れているだけ」「休んでいたら治るはず」と考えてしまうことで、自身の調子を正しく把握できないケースがあります。

 

そのため、少しでも「うつ病かも」と思ったら、見過ごさずに医療機関の診断を受けることが大切です。

 

今回はうつ病の初期症状や、うつ病の症状が表れたときの対処法について解説します。

 

また、うつ病のある方が退職した場合に受けられる制度も合わせてご紹介します。

うつ病の初期症状

まずは、うつ病の初期症状にはどのようなものがあるのかご紹介します。

 

うつ病の場合、初期・進行中に関わらず同じ症状が見られるケースがあるため「これが初期症状です」と必ずしも言い切れるものではありません。

 

しかし、うつ病の症状のなかには、初期の段階でも見つけやすい特徴のものがあります。

 

例えば、うつ病のある方は下記のような症状が1~2週間以上続くことがあります。

気持ちが憂鬱・やる気が起きない

うつ病のある方は「気持ちが落ち込む」「やる気が起きない」などの状態が続くことがあります。

 

日々の暮らしのなかで、だれしも気分の上がり下がりはあるものです。

 

しかし、好きなことをしたり、数日経つことで自然と普段の精神状態に戻るケースが多いです。

 

一方、うつ病の場合は、気分の落ち込みが強く1週間以上経っても回復しないという特徴があります。

 

また、憂うつ気分は時間帯によって波が見られ、朝方に一番気持ちが落ち込み、午後から夕方にかけては症状が軽くなるパターンが多く見られます。

このような変化は「日内変動」と呼ばれています。

ちょっとしたことですぐに涙が出てくる

うつ病の初期に自分で気づきやすい症状のひとつが「泣く」ことです。

 

以前は泣くことはなかったのに、「最近、涙もろくなった」「ささいなことで涙が出てくる」などの状態が続いている場合、うつ病の可能性が考えれます。

 

ただし、涙もろくなる原因としては、不安症や月経前症候群、更年期障害など、他の要素が影響している可能性も考えらえます。

 

「すぐ泣くようになった=うつ病」とは言い切れないため、他にうつ病の症状が表れていないか合わせて確認しましょう。

 

また、以前と心の調子が異なると感じる場合は、うつ病かどうかに関わらず、医師に相談することをおすすめします。

不眠もしくは寝てばかりいる

うつ病のある方の中には、不眠や過眠などの睡眠障害に悩まされている方もいらっしゃいます。

 

不眠の例としては「夜中に何度も目が覚める」や「寝ることができない」などが挙げられます。

 

また、不眠ではなく「夜の睡眠時間が異様に長い」や「昼間も寝込んでしまう」など、過眠の症状が出る場合もあります。

体重の変化

一般的には、メンタルヘルス(精神面の健康)が不調のときは、食べる意欲がわかず、体重が減少してしまうケースがあります。

 

一方で、食欲が増すことで過食になり、体重が増えてしまう方もいらっしゃいます。

 

体重の減少・増加、どちらであっても、大きな変化があった場合はうつ病のサインかもしれません。

好きだったことに興味がなくなる

好きだったことに対して興味が薄れるのはうつ病のサインかもしれません。

 

例えば、趣味のサッカーを楽しむことでストレス発散をしている人がいたとします。

 

この方が、ある時から「好きなはずのサッカーが面白くなくなった」「ストレス発散どころか疲れる」と思った場合、うつ病が背景に潜んでいる可能性があります。

 

うつ病によって精神的に弱っているときは、友達との旅行やコンサートなど、楽しいはずのイベントに対してもワクワクしなくなってしまいます。

 

日常生活で困難や苦しさを感じる場合は、早めに専門医による診察を受けることが大切です。

仕事で見られるうつ病の初期症状

うつ病になると「スムーズに仕事ができない」などの症状が表れることがあります。

 

そのため、上司や同僚に「いつもと様子が違うのでは?」と心配されることもあります。

 

下記の症状に当てはまっていないか、あらためて確認してみましょう。

人との交流を持たなくなる

うつ病のある方の特徴として、周囲とのコミュニケーションを避けることが挙げられます。

 

会社において見られるのは、以前は参加していた「飲み会やランチなどに顔を出さなくなる」などのパターンです。

 

また、口数が少なくなり、休憩時間中の雑談や会議時の発言に対しても消極的になります。

 

もともと社交的なタイプだったのに、急に「社内の人と関わることに苦痛を感じる」場合はうつ病の可能性があります。

身だしなみがだらしなくなる

うつ病のある方は、判断力の低下や無気力の症状により、きちんとしなくてはならない場面でも、身だしなみに気を遣えなくなるケースがあります。

 

例えば、下記のようなことが起こります。

 

  • 二日連続同じ服で出社する
  • お風呂に入らなくなる
  • おしゃれに興味がなくなる
  • 化粧をしなくなる など

 

また、見た目に気を遣わなくなるだけでなく、周囲の環境にも気が回らなくなることがあります。

 

デスク周りが整理されていなかったり、汚れても掃除をしなかったりなどの状態が続いている場合は、うつ病のサインかもしれません。

集中力が下がりミスをする

うつ病になると、集中力や注意力が下がり、ミスを繰り返す恐れがあります。

 

例えば、計算ミスが増えたり、書類の作成ミスを指摘されることが増えたりするなどです。

 

また、大切なスケジュールを忘れてしまうなど、以前であればしないミスが増えたときは、精神的な不調が影響している可能性があります。

遅刻や欠勤が増える

うつ病のある方のなかには、仕事に遅刻したり、欠勤が増えたりする方がいらっしゃいます。

 

理由としては「朝に気持ちが落ち込み無気力になること」と「うつ病により十分な睡眠がとれていないこと」といったことが考えられます。

 

うつ病が進行すると会社に連絡する気力すらなく、無断欠勤に繋がってしまう場合もあります。

仕事でうつ病の症状が見られる場合の対処法

うつ病の症状が表れたときは、そのままにせず精神科や心療内科などを受診することが大切です。

 

うつ病は早期発見・早期治療が重要であるため、少しでも「症状に当てはまるかもしれない」と思った場合は早めの受診を心掛けましょう。

 

診断を受けたうえで、医師のアドバイスを受けながら適切に対処しましょう。

医療機関で治療を受ける

うつ病の症状は医療機関で適切な治療を受けることで、徐々に和らげることができます。

 

医療機関で受けられる治療方法の例としては下記が挙げられます。

 

薬物療法

薬物療法は抗うつ薬などを服用して、症状を抑える方法です。

 

少量から服用し、少しずつ量を調整していきます。

 

また、抗うつ薬の効果が感じられるまでには、1~2週間かかると言われています。

 

精神療法

精神療法では、医師や臨床心理士がカウンセリングを行います。

 

患者さんの不安なことや悩みを聞くだけでなく、考え方や行動のパターンを振り返り、悲観的な思考のクセを改善する「認知行動療法」が行われるケースもあります。

 

上司や会社の健康に関する窓口に相談する

医療機関で治療を受けながら、働く環境についても可能な範囲で調整していくようにしましょう。

 

可能であれば上司に相談し、仕事の内容を調整してもらうことで、心身への負担を減らし症状の悪化を防ぐことができます。

 

また、会社に産業保健スタッフ(産業医、保健師)がいる場合は、相談するのも一つの手です。

 

産業医は、その会社で働く人たちが、健康で快適な環境で仕事が行えるように専門的な立場からアドバイスなどを行います。会社によっては、保健師が相談窓口となっていることもあります。

 

その他、「ストレスチェック制度」や「メンタルヘルス研修」など、会社で利用できる制度がある場合は活用するのも良いでしょう。

休職を検討する

うつ病による症状が辛く、仕事に行くことが困難に感じる場合は、ゆっくりと休むために休職を検討しましょう。

 

休職は手続きを行うことで、一定期間仕事を休むことができる制度です。

 

ただし、会社によって「休職制度があるのかないのか」や「休職可能期間」は異なります。

 

手続き方法も含めて事前に会社へ確認しておきましょう。

 

また、健康保険に加入していて下記の条件を満たしている場合、休職期間中に「傷病手当金」を受け取ることが可能です。

 

  • 業務外の病気(怪我)による休業
  • 働くことができない状態である
  • 連続する3日を含む4日以上仕事ができない
  • 会社から休業期間中の給与が支払われない

 

受け取れる金額の目安は、休職前に受け取っていた給料の約3分の2です。

 

また、期間は支給開始から最大1年6ヶ月間です。

 

詳しい条件などについては、全国健康保険協会の公式サイト(協会けんぽ加入者の場合)をご確認ください。

 

退職を検討する

うつ病の症状により仕事に行くことが困難に感じる場合、退職することも一つの方法です。

 

とはいえ、金銭的な面や次の仕事のことを考えると「簡単に仕事を辞められない」と不安になるものです。

 

そこで、うつ病で退職した後に受けられる手当てや支援をご紹介します。

 

受給できる手当て

退職した場合であっても、条件を満たしていれば、前の項目でご紹介した傷病手当金の対象者になります。

 

また、傷病手当金と同時受給はできませんが、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あり、他の条件に当てはまる場合は失業保険を受け取ることが可能です。

 

失業保険は、離職してから90日~360日間支給されます。

 

受給できる1日あたりの金額は、離職前の6ヶ月間の給与合計を180で割り、出た額の50%~80%が目安です。

 

ただし、雇用保険の受給条件のひとつに「就労する意思と能力がある」が挙げられています。

 

うつ病の場合、就労の意思があったとしても、働く能力があるかどうかがポイントです。

 

そのため、まずはハローワークへ相談するようにしましょう。

雇用保険についての詳細はハローワークの公式サイトをご覧ください。

 

うつ病から復職・再就職したいときに活用できる就労支援

うつ病の症状が良くなり、復職・再就職に向けて動き出したいと考えている方は「就労移行支援事業所」の活用もご検討ください。

 

「就労移行支援事業所」は、就職に向けての準備や、就労後のサポートを行っている機関です。

 

例えば「LITALICOワークス」では、就労前の職場体験や職業訓練、個別相談などを行っています。

 

就労後も長く仕事を続けられるようにフォローする体制が整っているため安心です。


【無料】LITALICOワークスがよくわかる資料をダウンロードする

仕事で使えるうつ病の対策や制度

会社によっては、心の調子が悪いときに相談できる産業医と連携していたり、ストレスチェック制度を導入していたりと、精神的な不調への対策をとっているところがあります。

産業医への相談

産業医とは、労働者が健康的に働くために専門的な立場からアドバイスをする存在です。

 

もしも、心身の調子が悪いと思ったら、会社の産業医へ相談する方法も検討しましょう。

 

産業医は直接治療を行うことはありません。

 

しかし、従業員の悩みを聞いたり、会社と連携して業務の調整をしたりとサポートを行ってくれるため、必要に応じて力を借りましょう。

ストレスチェック制度

2015年12月以降、労働安全法に基づき労働者が50人以上いる事業所では、ストレスチェック制度を導入することが義務づけられました。

 

目的は労働者のストレス状態を把握し、精神的な不調を防止することです。

 

いくつかの質問に回答することで、現在のストレスを確認する仕組みです。

 

具体的にどのような質問に答えるのかに関しては、下記をご覧ください。

うつ病の初期症状のまとめ

うつ病になると「やる気が起きない」「気分が落ち込む」などの症状が長期的に見られます。

 

このくらい大丈夫だと思って放っておくと、ますます症状が悪化し、日常生活や社会生活に影響が出る恐れがあります。

 

そのため、うつ病の初期症状に当てはまる場合は、早めに医師による診察を受けることが大切です。

うつ病のある方の就職をサポートする就労移行支援

就労移行支援は一般企業に就職を希望する方々へ、働くための様々なサポートを行う福祉サービスです。

 

LITALICOワークスは各地で就労移行支援事業所を運営しており、これまで1万人以上の方の就職をサポートしてきました。

障害のある方が自分らしく働くために、ストレスコントロール・PC訓練・企業インターン・面接練習など一人ひとりに合わせたサポートを提供しています。

「働くことに悩んでいる」「体調が不安定で働けるかわからない」「一人で就職活動がうまくいかない」などお悩みのある方は、まずは就職支援のプロに相談してみませんか?


【無料】働くことに関して就労支援のスタッフに相談を申し込む

参考文献・URL

  • 監修

    医学博士/精神科専門医/精神保健指定医/日本産業衛生学会指導医/労働衛生コンサルタント

    染村 宏法

    大手企業の専属産業医、大学病院での精神科勤務を経て、現在は精神科外来診療と複数企業の産業医活動を行っている。また北里大学大学院産業精神保健学教室において、職場のコミュニケーション、認知行動療法、睡眠衛生に関する研究や教育に携わった。

関連ページ

まずはお気軽にご相談ください
障害や就職のこと、LITALICOワークスに相談してみませんか?
ちょっとした質問・相談もお気軽にどうぞ。無料でご相談いただけます。
お電話でのご相談もお待ちしています。
受付時間 平日10:00〜17:00

このページに関連する
おすすめコンテンツ

ページトップへ