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お役立ち仕事コラム

心理カウンセリングとは?内容や種類、効果、料金などを紹介

更新日:2023/09/28

「仕事やプライベートが不調」「心身共につらい」「一人で悩みを抱えているがどうしていいかわからない」そのような場合は、カウンセリングを受けることも選択肢のひとつです。

 

しかし「自分はカウンセリングを受けられるのか」「どこで受けられるのか」という疑問や「カウンセリングといっても、何をするのか分からない」という不安がある方も多いかもしれません。 

 

そこで、この記事では、カウンセリングが必要な場合や、カウンセリングの内容・種類と受ける意味、カウンセリングの効果や料金について解説します。カウンセリングが受けられる場所についても紹介していますので、ぜひ参考にしてください。

心理カウンセリングとは?

「カウンセリング」というと、日本ではあまり気軽に利用できないイメージがあるかもしれません。

 

そもそも「カウンセリング(counseling)」とは、英語で「相談」や「助言」を意味する言葉です。日本では、「専門家による心理的な援助」を指します。

 

カウンセリングを行う人は「カウンセラー」と呼ばれ、カウンセリングを受ける人は「来談者」「クライエント」などと呼ばれます。

 

カウンセリングは医療や福祉のほか、教育やビジネスなど幅広い分野で行われています。医療や福祉の分野では、カウンセラーがクライエントや来談者の心の悩みを聞き、心理に関する専門知識を活かして支援します。

カウンセリングが必要な人とは?

医療機関でカウンセリングが適用される場合は、医師が「治療上カウンセリングが必要である」と判断した場合です。

 

例えば、うつ病などの精神疾患の人の場合では発症した背景に、本人の性格や考え方、行動パターンなども影響していることがあります。このような場合は、医師による薬物治療とは別にカウンセリングを用いて性格や考え方、行動パターンなどを見直していきます。そうすることで、この先同じような状況に直面した際にうつ病などの精神疾患の再発を防ぐことが期待できるといわれています。

 

また、カウンセリングは医療機関以外でも行われており、疾患のない方でも利用できます。悩みの度合いに関係なく誰でも受けられるものであるため、「心理の専門家の意見が聞きたい」と思う場合は、気負わずにカウンセリングを受けてみるといいでしょう。

 

カウンセリングはカウンセラーと来談者との対話により行われます。来談者が極度のストレスなどで心理的エネルギーが枯渇していたり、対話が負担となったりするような場合には、カウンセリングよりも休養を優先した方がいい場合もあります。

 

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心理カウンセリングの内容

カウンセリングは、基本的にはカウンセラーと来談者との1対1の対話により行われます。

 

カウンセラーは対話を通じて、クライエントや来談者自身が悩みを整理し、問題解決に近づいていくための心理的な支援を行います。

 

カウンセリングは、カウンセラーがクライエントや来談者に対して、アドバイスや答えを示すものではありません。クライエントや来談者が自分自身の力で気持ちや考え方を整理し、悩みを解決していくためのサポートを行います。

カウンセリングの目的・受ける意味

カウンセリングの目的や受ける意味は、「自分を見つめ、悩みの解決への道筋を自分で見つけていけるようになる」ことにあるといえます。

 

カウンセリングでは、心理の専門家であるカウンセラーの支援を受けながら、自分自身で悩みの解決への道筋を探していきます。

 

悩みに向き合う過程では、「自分がどのような場面でどう感じ、どう反応するのか」という「ありのままの姿」を見つめていくため、自分自身をより深く客観視できるようになります。

 

このとき、カウンセラーがそこにいて、ありのままの自分を理解し受け入れてくれることで「自分自身を見つめて悩みを解決していこう」という気持ちが出てきます。

 

カウンセリングにより「自分自身を深く理解して、悩みを解決していく」という過程を経験すると、その後も徐々に自分の気持ちや「ありのままの姿」に向き合えるようになったり、自分で悩みの解決への道を探していけるようになったりしていくことが期待できるといわれています。

カウンセリングの方法

カウンセリングは、以下のような方法で行われます。

  • 対面
  • メール
  • 電話
  • オンライン(ビデオ通話)

近年は、オンライン(ビデオ通話)で顔を見ながら会話ができる「オンラインカウンセリング」も広がりつつあります。

 

オンラインカウンセリングは、実施される場所に出向くことなくカウンセリングを受けられるため、外出を避けたい方や、理由があって家を離れることが難しい方も利用しやすいでしょう。

心理カウンセリングの種類

カウンセリングには、いくつかの種類があります。ここでは、医療機関で行われていることの多い「来談者中心療法」と「認知行動療法」をご紹介します。

 

カウンセリング機関によって心理カウンセリングの種類が異なるため、もしどの種類を受けたらいいか分からない場合は、事前に問い合わせするといいでしょう。

来談者中心療法

来談者中心療法は、「来談者の話をじっくりと聞く」という療法です。「人は成長力を内に秘めており、自分の問題は自分が1番よく知っている」という考えに基づいています。このためカウンセラーが主導権を握ってアドバイスを行うのではなく、来談者の思いを理解し、来談者が自分の能力を最大限に発揮できるよう支援を行います。

認知行動療法

認知行動療法は、認知(物事の受け取り方や考え方)を変えることで、悩みや症状の改善を目指す療法です。

 

根底には、「人の気持ちや行動は認知の影響を受ける」という考え方があります。したがって、環境や状況は変わらなくても、悩みや症状の原因となった認知を変えていくことで、問題や症状が自分の力で解決していくことを目指します。

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心理カウンセリングの効果

カウンセリングでは、以下のような効果が期待できるといわれています。

こころを軽くする

悩みやこころの不調を一人で抱え込んでいる方は、カウンセリングを受けることで、気持ちを軽くする効果が期待できるといわれています。カウンセリングを受けることで「ほかの人に分かってもらえた」「話ができてすっきりした」といった感覚を持つことができます。話すことで緊張や不安が和らぐ方もいます。

問題を整理できる

心の中の気持ちを言葉にすることで、今の状況や自分の考えを整理することができます。例えば、カウンセリングを受けることで「出来事の根本的な問題は何か?」「自分は何が嫌だと感じているのか?」などということについて、改めて考えるきっかけが得られます。自分の気持ちや状況を把握して整理することは、問題解決の最初のステップとなります。

自身の考え方を客観的に認識できる

第三者であるカウンセラーと対話していくうちに、自分を客観的に見ることができるようになります。やがて、自分の本当の気持ちや認知のパターンなどにも気づいていくでしょう。その結果、「この経験を今後どう活かして対処すればよいか」ということも分かってきます。つまり、今起こっている問題や症状の解決だけでなく、クライエントや来談者がよりよい対処の仕方を身につけられる可能性があります。

 

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心理カウンセリングを受ける際のポイント

カウンセリングを受けるときに心掛けておくといいポイントを3つご紹介します。

自分のペースを心がける

人と話すことに苦手意識のある方は、カウンセラーに対して、自分の思っていることをうまく伝えられないことがあります。

 

また、気持ちがもやもやとしているけれど、まだ自分自身の心境がよく分かっていない場合もあるでしょう。

 

このような場合は、「うまく話そう」と頑張るのではなく、浮かんできた気持ちをありのままに言葉にするだけで問題ありません。

 

カウンセラーは心理に関する専門家であり、言葉を遮ったり、会話を急かしたりすることはないのでご安心ください。

効果が表れるまで時間がかかることを知っておく

カウンセリングを受けても、すぐに効果が出ないことはよくあります。

 

カウンセリングは、カウンセラーとの対話により自分自身の内面から変化が起こり、その結果として現実生活で効果が出てくるものであるためです。

 

したがって、まだ効果が出ていないときに「カウンセリングは意味ないのでは?」と半信半疑の状態でいると自分自身の内面に変化が起きにくくなり、効果が表れにくくなる可能性があります。

 

効果を感じられないときは、その気持ちも正直にカウンセラーへ伝えてみるといいでしょう。

カウンセラーとの相性が大切

どんなに経験や知識があるカウンセラーであっても、クライエントや来談者との相性が合わないことはあります。またカウンセラーとの相性は、雰囲気や性格が合わないだけでなく「相談内容についての専門的な知識や経験が豊富か」という要素も関係します。

 

もしカウンセリングを受けていて「相性が合わないかもしれない」と思った場合は、別のカウンセラーに依頼したり、別の場所でカウンセリングを受けたりすることも検討しましょう。

 

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心理カウンセリングの料金

カウンセリングは、実施している機関により保険適用の可否や料金が異なります。

カウンセリングの保険適用はある?

治療の一環として医師や看護師、公認心理師などによるカウンセリングを受ける場合は、保険が適用されます。

 

例えば、うつ病の症状に対して医師が「カウンセリングによる治療が必要」と判断した場合は、精神科や心療内科でカウンセリングが行われ、費用には保険が適用されます。

 

保険が適用された場合の自己負担額は、年齢によって異なります。基本的に、義務教育就学後~70歳未満の方は、かかった費用の3割を自己負担します。例えばカウンセリング費用が10,000円かかった場合、自己負担額として支払うのは3,000円になります。

 

ただし、精神科や心療内科で行われるカウンセリングにはすべて保険が適用されるわけではありません。例えば、何らかの疾患の診断されなくても、気持ちの落ち込みや人間関係の悩みなどに対してカウンセリング(自費診療)を提供している医療機関もあります。事前に病院やクリニックのWebページを確認しておきましょう。

カウンセリングで保険適用されない場合は?

一般に、医師以外のカウンセラーから受けるカウンセリングには保険が適用されません。料金は1回(60分)あたり5,000円~20,000円程度と、カウンセリング機関によりかなりの幅があります。

 

気になるカウンセリング機関を見つけたら、金額について事前に確認しておきましょう。

カウンセリングは無料で受けることができる?

カウンセリング料金の負担が大きいと感じる場合は、無料で相談できる窓口を利用するのも一つの方法です。

 

例えば厚生労働省は、悩みの種類や相談者の年代、電話ができる時間などにあわせて選べる電話相談窓口を設けています。

また、日本産業カウンセラー協会の東京支部は、職場についての悩みに対する無料カウンセリングを 1人1回まで受け付けています。

自治体によっては、地域の相談窓口の一覧をWebサイトに掲載している場合があります。お住まいの自治体の情報を確認してみてください。

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心理カウンセリングを受けられる場所はどこ?

カウンセリングが受けられる場所は「医療機関」「公共機関」「民間機関」の3つに大きく分けられます。

医療機関

医療機関では、主に精神科や心療内科でカウンセリングを行っています。医療機関でのカウンセリングは医師のほか、臨床心理士、公認心理師などが担当することもあります。

 

医療機関でカウンセリングを受けたい場合は、精神科や心療内科を受診のうえ、カウンセリングが必要かどうかを相談してみるといいでしょう。

公共機関

悩みの種類により、さまざまな機関の窓口を利用できます。

 

仕事に関する相談

ハローワークにはキャリアカウンセラーが在籍しており、また障害のある方であれば障害者職業センターの障害者職業カウンセラーなどに相談することもできます。企業によっては、社内相談窓口として企業内カウンセリングを受けることができる場合があります。

こころの健康に関する相談

保健所精神保健福祉センターには医師や精神保健福祉士、臨床心理士、公認心理師などが配置されており、地域の住民からの相談を受け付けています。

その他の相談

厚生労働省は、さまざまな悩みに対応する相談窓口を設けています。電話やメール、SNSなどのさまざまな方法で相談できます。

民間機関

民間のカウンセリング機関でもカウンセリングを受けることができます。

 

カウンセラーを名乗るのに資格要件はないため、カウンセラーは臨床心理士や公認心理師などの資格を持つ場合もあれば、無資格であっても専門知識の豊富な人である場合もあります。

 

民間機関のなかには、初回無料でカウンセリングを行っているところもあります。無料カウンセリングを利用して、カウンセラーとの相性を判断してみるといいでしょう。

 

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心理カウンセリングのまとめ

カウンセリングとは「専門家による心理的な援助」のことで誰もが気軽に利用できます。

 

心身に不調を感じ、誰かに相談したいと思ったときは、カウンセリングに対応している場所へ問い合わせてみるといいでしょう。

 

カウンセリングにも種類があり、種類によって受けられる機関も異なります。自分の状態や目的にあわせてカウンセリング機関を選び、カウンセリングでは自分のペースで無理なく話すことを意識してみてください。

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更新日:2023/09/28 公開日:2022/02/01
  • 監修

    医学博士/精神科専門医/精神保健指定医/日本産業衛生学会指導医/労働衛生コンサルタント

    染村 宏法

    大手企業の専属産業医、大学病院での精神科勤務を経て、現在は精神科外来診療と複数企業の産業医活動を行っている。また北里大学大学院産業精神保健学教室において、職場のコミュニケーション、認知行動療法、睡眠衛生に関する研究や教育に携わった。

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