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お役立ち仕事コラム

うつ病再発のサインとは?再発率や仕事との関係、対策を解説

更新日:2024/07/06

うつ病を経験した方の中で「最近また身体が重い」「気分の落ち込みも出てきた」と感じ、「うつ病が再発するのでは」という不安を抱く方もいるかもしれません。

 

うつ病は何かのきっかけで再発すると日常生活や仕事へ影響が出ることも考えられます。うつ病の再発を防止するためには、うつ病の再発サインに気づき、休養などの対策を取ることが大事です。

 

この記事では、うつ病再発の原因やサイン、再発を防止するための対策やうつ病の再発を乗り越えた体験談などを紹介します。

うつ病の再発率とその原因とは?

うつ病とは、気分の落ち込みなどの精神症状と、不眠や疲れやすさなどの身体症状があり、生活や仕事などに影響が出る精神疾患のことです。

 

うつ病は約100人に6人が生涯のうちにかかる可能性があるといわれており、誰にでもかかる可能性のある疾患です。

 

また、うつ病は再発するとその後の再発率が高くなるといわれており、再発のサインに気づくことや、再発防止の対策を取っておくことが大事になります。

うつ病の再発率とは?

うつ病は一度症状が回復しても約60%が再発すると報告されています。また、再発を繰り返すごとに確率が高まり、2回うつ病にかかった方は約70%、3回かかった方は90%と再発率が高まるといわれています。

うつ病が再発する原因やきっかけで考えられることは?

そもそも、うつ病の原因は現在では明確には分かっておらず、ストレスなどが関係して脳機能に何かしらの不調が起こっているのではないかと考えられています。そのため、うつ病が再発する原因も特定することは難しいといえます。

 

ただし、うつ病の発症と同じく、ストレスをためたことで再発にいたることや、生活リズムの乱れ、服薬を自己判断でやめることなどが原因やきっかけとなる可能性があると考えられています。

うつ病って治らない?

うつ病は再発を繰り返すことがあると聞くと、「一度うつ病になると治らないのか?」「せっかく回復してきたのに再発はつらい」と不安になる方もいると思います。

 

まず、うつ病を初めとした精神疾患は完治ではなく「寛解(かんかい)」といって、以前の元気が回復している状態を目指していきます。

 

うつ病の治療には回復するまでの過程(急性期/回復期/再発予防期)があり、それぞれの期間に必要な休養や服薬、カウンセリングなどを通して時間をかけて寛解するために治療を進めていきます。

 

そしてうつ病の治療は寛解して終わりではなく、その後も再発を防止、予防するための取り組みをしていくことが大事です。

 

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うつ病再発のサインとは?チェックしておこう

うつ病の再発を防止するためには、再発のサインをつかみ、予防することが大事です。サインとしては、うつ病の症状と同じく身体面と精神面の不調が考えられますので、チェックしておきましょう。

うつ病再発の精神面でのサインとは?

うつ病再発のサインとして考えられる精神面での症状を紹介します。

 

精神面でのサイン例

  • 気分の落ち込みが続いている
  • 何に対しても悲観的になっている
  • 好きだったことにも興味がなくなる
  • 何をするにも億劫に感じる
  • イライラするようになった
  • 焦燥感が出てきた
  • 頭が回らない感覚がある など

以前と比べてこういった症状が表れてきたら、再発のサインの可能性があります。

うつ病再発の身体面でのサインとは?

次にうつ病再発のサインと考えられる身体面での症状を紹介します。

 

身体面でのサイン例

  • 食欲が急に増えた
  • ダイエットしていないのに体重が減った
  • 眠れないことが増えた
  • 途中で起きることが増えた
  • いくら寝ても疲労感が抜けなくなった
  • すぐに疲れるようになった
  • 身体疾患がないのに頭痛やめまい吐き気などの症状が続いている など

身体面でこういった症状が表れている場合は、再発のサインである可能性があります。

 

うつ病再発の精神面、身体面のサインを紹介しましたが、何がサインとなるかは一人ひとり異なります。また自分自身でサインに気づきにくい場合もありますので、周りの人にサインがみられたら声がけをしてもらうのもサインに気づく一つの方法です。チェックしてみて、いつもより程度が強いとき、あるいは持続期間が長いときなど、気になる症状がある方は主治医に相談をするようにしましょう。

うつ病の再発を防止するための対策とは?

うつ病は適切な対応をすることで再発を予防することが可能です。ここでは、うつ病の再発を防止するための対策を紹介します。

服薬を続ける

うつ病の再発防止のためには、服薬を続けることが大事です。うつ病は薬物療法といって、抗うつ薬などを使って治療を進めていきます。

 

うつ病が良くなったといって自身の判断で服薬を中止すると、再度症状がぶり返すことも考えられます。主治医の指示通りの服薬を続けることが再発予防としても非常に大切です。

 

ただ、抗うつ薬は効き目が表れるまでに時間がかかることや、副作用が気になるなどで、服薬に不安を感じる方もいると思います。そういったときは、主治医にそのことを伝えて納得して治療を続けていくことが大事です。

 

また、仕事が忙しいなどでどうしても服薬を忘れてしまうという方は、薬の飲み忘れを防ぐためのツールやアプリなどを活用するのもいいでしょう。また薬を1日3回から1日2回へ変更するなど、1日あたりの服薬回数を減らすことが、飲み忘れ防止に有効なこともあります。主治医に相談しながら進めていくといいでしょう。

生活リズムを整える

生活リズムを整えることも、うつ病再発防止のために大事なことです。生活リズムを安定させるためのポイントは以下のようなことがあります。

  • 起床と睡眠を一定の時間にする
  • 朝起きたら日の光を浴びる
  • 三食バランスよく食べる
  • 軽い運動を習慣化する
  • 寝る前のカフェインやアルコール、喫煙は避ける
  • 睡眠の三時間前にお風呂に入る など

このようなポイントを押さえた生活をすることで、生活リズムが安定していきます。

 

ただ、いきなりすべてのことに取り組むのは難しいと思います。家族など周囲の人の協力も得ながら一つずつ取り入れていくといいでしょう。

心身の疲労を回復する

うつ病の再発を防止するためには、心身の疲労を回復させることも重要です。そのためには、休息して身体を休めるとともに、リフレッシュするための工夫を取り入れて心の疲労を回復させていくことも大事になります。

 

リフレッシュ方法としては、親しい人と会って交流をしたり、仕事と関係のない趣味を持ったりといった方法があります。ほかにも、適度な運動や、自然に触れることもリフレッシュに効果的といわれています。

 

また、悩みがあるときは誰かに相談することや、今の気持ちを紙に書き出すことが心を落ち着ける方法としてあります。

 

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仕事でうつ病が再発しないようにする対策とは?

今紹介したような再発防止策を実行することは、仕事をしながらだと難しいと感じるかもしれません。そこで、職場でできる再発を予防するための方法をいくつか紹介します。

職場でのリラックス方法を取り入れる

職場内でおこなえるリラックス方法を取り入れることは、仕事でうつ病を再発しないためにも大切なポイントです。

 

職場でのリラックス方法の一例として、以下のようなものがあります。

  • 席に座ったままできるストレッチ

肩の上げ下げや首まわしなど、仕事の合間にできるストレッチを取り入れていくといいでしょう。また、腹式呼吸も取り入れてみましょう。椅子に座ってお腹に手を当て、吸うときにお腹を膨らませて吐くときはお腹をへこませるように呼吸を繰り返すことで、リラックスができるといわれています。

 

ほかにも

  • 休憩時間にハーブティーなど気持ちの落ち着くものを飲む
  • アロマなど自分の好きな香りをしみこませたハンカチのにおいを嗅ぐ

などの方法もあります。

自分にあったリラックス方法を見つけ、取り入れてみましょう。

合理的配慮を相談する

合理的配慮とは、職場での困りごとに対して、障害のある方と職場の方で話し合って、企業が過重の負担にならない範囲で必要な配慮をおこなうことです。

 

合理的配慮の一例としては、

  • 休憩スペースなど一人になる空間を設ける
  • 本人の状況に合わせて業務時間を調整する

などがあります。

 

合理的配慮を希望する際は、会社の上司や人事担当者などへ相談をしてみましょう。

休職を検討する

うつ病再発防止のためには、休職することも一つの方法です。休職するには診断書が必要な場合があるので、主治医へまず相談してみましょう。休職することでその間に治療と休息の時間が確保でき、うつ病の回復を進めていくことができます。

 

休職中の生活費が不安な場合は、傷病手当金の申請も検討するといいでしょう。傷病手当金は病気やけがなどで一定期間働けないときに、給与のおおよそ3分の2が支払われる制度です。申請には要件が必要となりますので、詳細は人事担当者や加入している全国健康保険協会へお問い合わせください。

リワークを活用する

リワークとは、うつ病などの精神疾患で休職した方が、職場復帰する際に活用できるプログラムです。

 

職場復帰のために、主治医、職場の担当者、本人の希望などを考慮して計画を作成し、自己理解や模擬業務などのプログラムを通して、円滑な職場復帰をサポートしています。

 

希望する方は、職場の担当者や主治医、リワークを実施している事業所などにお問い合わせください。

障害者雇用の求人に応募することを検討する

障害者雇用促進法では、企業が決まった割合で障害のある方を雇用する(法定雇用率)や合理的配慮の提供義務などが定められています。

 

一般雇用とは違い、障害者雇用はもともと障害のある方の雇用を想定されているため、障害に対する理解や配慮が得られやすいことがメリットであるといえます。

 

障害者雇用で働くためには障害者手帳を取得する必要があります。うつ病の方は精神障害者保健福祉手帳の対象となる可能性があります。障害者手帳の取得を検討する方は、主治医や自治体の障害福祉窓口などへご相談ください。

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支援機関を活用する

復職や転職など検討される方は、うつ病など精神障害のある方が活用できる支援機関を利用することも方法の一つです。

 

働くことのサポートをしている支援機関には、

  • 就労移行支援事業所
  • 地域障害者職業センター
  • 障害者就業・生活支援センター

などがあります。

 

それぞれ特徴が違いますので、どういった支援機関を使ったらいいか迷う場合は、直接支援機関に問い合わせるか、相談支援事業所やお住まいの自治体の障害福祉窓口などでご相談ください。

【無料】就労移行支援のサポートについて詳しく聞きたい

就労移行支援事業所「LITALICOワークス」

無理のない働き方をサポート「LITALICOワークス」

 

LITALICOワークスは、就労移行支援事業所といって、障害のある方が自分らしく働くためのさまざまなサポートをしています。

 

一人ひとりの困りごとや希望する働き方をヒアリングしたうえで計画を作成し、自己分析やコミュニケーション、ビジネススキルの取得などのプログラムを提供しています。

 

うつ病の再発が不安な方は、自己分析、障害理解、ストレスコントロールなどのプログラムを通じて再発防止のための方法を身につけていくとともに、就労移行支援事業所に通うことで生活リズムの安定を図っていくこともできます。

 

また、実際の企業で一定期間業務を体験する企業インターンや、就職活動のサポートなど働きやすい職場を見つけるための支援も提供しています。

 

無料での相談を随時受け付けていますので、「うつ病の症状を繰り返している」「自分に合った職場を知りたい」という方はお気軽にお問い合わせください。また、休職中の方のためのリワーク支援を検討されている方で一定条件を満たせば就労移行支援事業所の利用ができる可能性もありますので、お気軽にお問い合わせください。

 

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うつ病の再発を乗り越えた体験談

ここでは、うつ病の再発を乗り越えた方の体験談を紹介します。

Q最初にうつ病を発症したときの状況は?
A:新卒で働いていたときに、営業研修を受けていた時期に不安が強くなったり、夜に眠れなくなったりすることが続くようになり、病院にいったら「うつ病」と診断されました。その後は休職をしましたが、復職しても体調が変わらなかったため、退職しました。

 

Qうつ病が再発したきっかけはありますか?

A:回復期になり、体調が落ち着いたと思ったタイミングで通院や服薬をやめたことをきっかけにうつ病がぶり返してしまいました。その後も通院や服薬を再開し、回復したタイミングでアルバイトなどで働いてはストレスをためて再発する、ということを繰り返していきました。

 

Qうつ病を繰り返さないためにどういった取り組みをしましたか?
A:自分の力だけでは再発防止をすることが難しいと感じ、サポートを受けながら長く働ける場所を探したいと思い、就労移行支援事業所「LITALICOワークス」に通うことにしました。

 

LITALICOワークスではストレスコントロール方法を学んだり、朝のだるさや寝つきの悪さなど自分にとっての体調悪化のサインを把握する取り組みをしたりしていました。

 

また、自己分析のプログラムでは自分の考え方の傾向についても把握しました。プログラムやスタッフとの面談を通して、「周囲の人にだめだと思われている」と考えてしまう癖があることに気がついたので、そのときは「本当に周囲の人はそう思っているのか」と立ち止まってスタッフと確認するなど、ストレスをためないような工夫を身につけていきました。

 

Q就職してから気を付けたことはありますか?
A:やはり人の目を気にしてしまうことがあるため、不安を感じたらパソコンやメモ帳に書き出して客観的になることを心がけています。また、職場での定期面談の際にメモを見せて「実際周りの人はどう思っているのか」を客観的な意見を聞くようにしています。その結果、気持ちが落ち着いて仕事することができ、それからはうつ病の再発はありません。

 

Q今だから分かる、うつ病再発を防ぐために大切なことは?
A:体調が良くなったと思っていても、主治医の指示に従って通院や服薬を続けることがまず前提です。そのうえで、うつ病の再発サインに自分や周りの人が気づいたら休むことを心がけたり、そのサインが来ることがないようにストレスがためない方法を身につけたりすることで、うつ病再発を防ぐことができています。

 

また自分ひとりだと悩んでしまうため、専門機関を活用してサポートを受けたことも良かったと思います。もし悩んだら、一人で抱え込まずぜひ専門機関のサポートの方も検討してみてください。

 

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うつ病の再発についてまとめ

うつ病は気分の落ち込みが一日中続いたり、身体にも不調が表れたりする精神障害のひとつです。

 

うつ病は再発を繰り返すことで、再発率が高まるといわれています。そのため、うつ病の再発防止をしていくことが大事です。

 

うつ病の再発を防止するためには、うつ病のサインを知る、気づくだけではなく、服薬管理や生活リズム、休息など日常でできることやリフレッシュ方法を身につけることなどが大事なポイントとなります。

 

また、仕事においては、職場の方へ合理的配慮について相談する、無理のない働き方を検討するなどして、自分にできることからはじめてみましょう。自分ひとりで悩んでしまうという方は、支援機関のサポートを活用することを検討してみましょう。

 

「無理のない働き方がしたい」「体調が安定して長く働きたい」などがあれば、ぜひLITALICOワークスへご相談ください。

更新日:2024/07/06 公開日:2023/06/26

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