高校卒業後は大学に行って好きなことを研究したいという夢がありましたが、さまざまな事情で実現できず、コンビニや工場などでアルバイトしていたTさん。
コンビニでは、マルチタスクな作業や臨機応変な接客が苦手で、工場では、単純作業の繰り返しで集中力が続かずミスが多いことなどが原因でいずれも長続きしませんでした。
そういった経緯もあり、保護者さまのすすめで病院に行ったところ、ADHD(注意欠如多動症)との診断を受けました。家庭の事情もあり、長く続けられる職場に就職したいという思いからLITALICOワークスを利用することになりました。
Tさんは、利用開始時から週5日、休むことなく体調を安定しながら通所しました。さまざまなプログラムに参加し、コミュニケーションやチームワークスキルを向上させるプログラムでは自らリーダーを務め、強みを多く発揮されていたそうです。
一方で、「自分が決める」という自己主張が強く、思い通りにいかないと周囲に(本人にその気はなくても)強い口調であたってしまうことが多々見受けられました。
また、好奇心が強いがゆえに、あれもこれもやってみた結果疲弊してしまい、自己嫌悪に陥ってしまうこともありました。
そこで、LITALICOワークスのスタッフとトレーニング後の振り返りや、定期的な面談をおこない、以下のようなことを習得していきました。
- チームで作業するときには、自分ひとりで何でもやろうとせず人に頼ること
- イライラした気持ちをそのままぶつけられたら自分であればどう思うか(相手の立場に立って考えること)
- 「やりたいこと=できること」ではないので、体調が優れないときは無理しないこと
早く就職したいという焦りもありましたが、結果的に長く働くためには、自分の特性を理解して対処法をじっくり身につけることが何よりの近道だと気づくことができました。