Close
お役立ち仕事コラム

職業訓練とは?給付金や受講できるコース、入学条件や手続きなど解説

更新日:2024/07/01

職業訓練について「職業訓練は誰でも受けられる?」「毎月給付金をもらいながら無料で資格取得ができる?」「受講できるコースはどのようなものがある?」など、疑問を感じている方もいるかもしれません。

 

職業訓練とは、働くうえで必要なスキルや知識を習得できる公的な制度で、正式名称は「ハロートレーニング」といいます。

 

職業訓練はスキルや知識を習得できるだけではなく、一定の条件を満たす方は受講手当として給付金を受け取れるという点も大きな特徴です。また、コースの種類は事務系やIT系、資格取得を目的としたものなど幅広く興味のある分野から選べます。

 

この記事では、職業訓練の概要や種類、給付金の条件、受講の流れなどを解説します。

職業訓練とは

職業訓練とは仕事に必要なスキルや知識の習得をサポートする公的な制度です。職業訓練は「ハロートレーニング」とも呼ばれています。 

 

職業訓練には以下のような種類があります。

  • 公共職業訓練(離職者訓練)、求職者支援訓練
  • 在職者訓練
  • 学卒者訓練
  • 障害者訓練

本記事では、離職者・求職者向けの職業訓練「公共職業訓練(離職者訓練)」「求職者支援訓練」について詳しく解説します。

 

離職者・求職者向けの職業訓練はこれから就職を目指す方を対象としています。職業訓練を受けることのメリットは以下の通りです。

  • 基本的に無料で受講できる(※)
  • 一定の条件を満たす方は給付金が受けられる
  • 事務系やIT系など多くのコースから興味のあるものを選べる
  • 就職相談ができる
(※)一部のテキスト代などは自己負担です。

 

離職者向けを対象とした職業訓練には、「公共職業訓練(離職者訓練)」「求職者支援訓練」の2種類があります。

 

職業訓練とは?

公共職業訓練(離職者訓練)

公共職業訓練(離職者訓練)は、主に雇用保険(失業保険)の基本手当を受給している方を対象とした職業訓練で、基本的に無料で受講できます。

 

一定の条件を満たす方は、雇用保険法に基づく各種手当も受けられます。また、訓練受講中は基本手当(失業保険)の給付日数の延長措置もあるなど、求職中の生活の保障も兼ね備えた制度です。

 

公共職業訓練(離職者訓練)は国の機関である職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や都道府県の職業能力開発校、民間の訓練校などで受講できます。訓練期間はコースなどによっても異なり、概ね3ヶ月~1年程度といわれています。

求職者支援訓練

求職者支援訓練は、主に雇用保険を受給できない方を対象とした職業訓練です。訓練内容は基礎コースと実践コースに分かれていて、どちらも基本的に無料で受講できます。

 

一定の条件を満たす方は、受講中に「職業訓練受講給付金」という名称で給付金が受けられます。

 

受講場所は公共職業訓練(離職者訓練)とは異なり、民間の職業訓練校のみとなります。コースの期間は概ね2ヶ月~6ヶ月となり、公共職業訓練(離職者訓練)と比べると短くなっています。

 

【無料】障害のある方の就職サポートについて相談する

職業訓練を受けるメリットとは?

職業訓練を受けるメリットについて、3つ紹介します。

  • 無料で受講できる
  • 再就職が有利になる
  • 給付金や手当をもらえる場合がある

一つずつ、解説します。

無料で受講できる

職業訓練は基本的に無料で受講できます。民間で就職や資格取得のための講座を受けた場合、受講するための料金がかかります。職業訓練は再就職までの経済的な助けにもなる制度といえるでしょう。

 

コースの受講料金は無料ですが、使用するテキスト代などは自己負担となりますので注意が必要です。ただ、一定の条件を満たした方は各種手当を受けられ、経済的な負担が軽減されます。

再就職が有利になる

再就職に有利になることもメリットの一つです。職業訓練では就職に必要なスキルや知識を習得できます。また、ハローワークや職業訓練校などによるキャリアコンサルティングや職業紹介といった就職のサポートも受けられることもメリットといえるでしょう。

 

実際に公共職業訓練(離職者訓練)を受講した方のうち約7~8割が就職をしているというデータ(令和3年度)もあります。

給付金や手当をもらえる場合がある

一定の条件を満たした方は、訓練を受けながらさまざまな給付金や手当を受給できることもメリットといえるでしょう。

 

公共職業訓練(離職者訓練)の受講者には雇用保険法に基づく各種手当の制度、求職者支援訓練の受講者には「職業訓練受講給付金」と呼ばれる給付金や各種手当の制度がそれぞれあります。

 

給付金や手当についての詳細は次の章で紹介します。

職業訓練の給付金や手当とは?

職業訓練では訓練期間中に、一定条件を満たす場合、生活の助けとなる給付金や手当が受けられます。

 

公共職業訓練(離職者訓練)と求職者支援訓練で違いがありますので、それぞれ詳しく紹介します。

公共職業訓練(離職者訓練)の手当

公共職業訓練は雇用保険(失業保険)の基本手当を受給している方を対象としているため、雇用保険法に基づき、手当が支給されます。

 

雇用保険(失業保険)の基本手当は離職前の賃金によってもらえる額が変わります。また、訓練期間中に受給期間が切れる場合は延長ができる場合もあります。

 

ほかに、手当の種類としては以下の3つあります。

  • 受講手当(訓練ごとに500円、上限あり
  • 通所手当(上限あり)
  • 寄宿手当(家族と別居して寄宿する場合)

手当を受給するには毎月1回ハローワークで職業相談を受け、給付金の手続きをおこなう必要があります。

求職者支援訓練の給付金や手当

求職者支援訓練では、一定の条件を満たす場合、職業訓練受講給付金と呼ばれる各種手当が受けられます。

 

給付金や各種手当には、以下の3つあります。

  • 職業訓練受講手当(月10万円)
  • 通所手当(上限あり)
  • 寄宿手当(家族と別居して寄宿する場合)

給付金を受け取るには以下のような条件があります。(2023年10月時点の情報)

  1. 本人収入が月8万円以下(※)
  2. 世帯全体の収入が月30万円以下(※)
  3. 世帯全体の金融資産が300万円以下
  4. 現在住んでいるところ以外に土地・建物を所有していない
  5. すべての訓練日に出席している
  6. 世帯の中で給付金を受給して訓練を受けている人がいない
  7. 過去3年以内に特定の給付金の不正受給をしていない
  8. 過去6年以内に職業訓練受講給付金の支給を受けたことがない
(※)1または2を満たさない場合であっても、本人収入が月20万以下かつ世帯収入が月34万以下で3~8を満たす場合は、通所手当を受給できます。

 

職業訓練受講給付金の申請もハローワークでおこないます。細かい条件や例外などもありますので、詳しいことはハローワークで確認しましょう。

 

障害のある方のための就労移行支援とは?資料をダウンロードする

職業訓練のコースとは?

職業訓練にはWeb系や事務系など多くのコースがあり、自身の希望により選ぶことが可能です。

 

例えば東京労働局のWebサイトには、求職者支援訓練のコースとして約35のコース一覧が紹介されています。今回はその中からいくつか紹介します。

Web系コース

Web系のコースはWebデザイン、Web開発、Webマーケティング、SNS運用など多数用意されています。

 

その中に、パソコンを使ってオンラインで受講することができるコースもあり、Webに関わる基礎から実践的な内容まで学べます。

事務系コース

事務系コースには、医療事務、経理事務、貿易事務など多くのコースが用意されています。

 

例えば、医療事務のコースは医療保険制度の仕組みや診療報酬請求事務の基本から、医療機関の受付窓口の対応スキルなど実践的なことが学べます。

資格取得を目指すコースもある

職業訓練ではスキルを身につけるだけでなく、就職に有利になる資格取得を目的とするコースもあります。先ほど紹介した医療事務のコースでも、医科医療事務検定試験などの資格試験の合格を目指して訓練をおこないます。

 

ほかにも第一種電気工事士、宅地建物取引士、簿記検定などの資格取得や試験の合格を目指すコースもあります。取得したい資格がある場合、その資格から受けるコースを選ぶことも大事です。

 

障害のある方のための就職サポートについて詳しく聞く

職業訓練を受講する流れ

職業訓練を受けるための流れについて紹介します。

 

大まかな流れは以下の通りです。

  1. ハローワークで求職申し込みをする
  2. コースを選んで申し込む
  3. 面接や試験を受ける
  4. 訓練のあっせんを受け、申込手続きをする

それぞれ詳しく紹介します。

1.ハローワークで求職申し込みをする

職業訓練はまずハローワークで求職申込みをすることが条件となっています。そのうえで職業訓練を受けることが妥当と認められた方は受講の申込みができます。

 

職業訓練を希望する方は、ハローワークの窓口で求職の申込みと職業訓練の相談をしましょう。

2.コースを選んで申し込む

次に希望するコースを選んでハローワークもしくは職業訓練校などで申込みをします。

 

コースによっては職業訓練校などで説明会を開催していることがあります。どのコースを受けるか迷っている方は、参加してみるといいでしょう。

 

なお、どのコースにも定員があります。必ずしも申し込んだ人全員が受講できるとは限りませんので注意が必要です。コースの倍率なども考えて選んでいくといいでしょう。

3.面接や試験を受ける

職業訓練の申込みをしただけでは、職業訓練を受けられません。

 

職業訓練校が用意している選考に合格する必要があります。選考では筆記試験や面接をおこなう場合が多いようです。

 

選考はハローワークではなく、基本的に職業訓練校(訓練実施場所)でおこなわれるため、募集要項をよく確認し場所や時間などを間違えないようにしましょう。

4.訓練のあっせんを受け、申込手続きをする

試験や面接の後は、選考結果が通知されます。合格した場合、ハローワークから訓練のあっせんを受けて入所手続きをおこないます。また、訓練開始前に説明会が開催される場合もありますので、忘れずに参加するようにしましょう。

 

障害のある方が長く働き続けるためのサポートについて相談する

障害のある方向けのコースもある

職業訓練には障害のある方向けのコースもあります。

 

障害者訓練とも呼ばれ、障害の特性などに合わせた訓練を受けることができる制度です。障害のある方向けの職業訓練でもさまざまなコースが用意されており、東京都が実施しているものでは「ビジネスアプリ開発科」「建築CAD科」「グラフィックDTP科」などがあります。

 

ほかにも、実施場所によってさまざまなコースが開催されているため、Webサイトやお近くのハローワークなどで確認してみるといいでしょう。

障害のある方への就職サポート「就労移行支援事業所」

職業訓練のほかにも、障害のある方の就職をサポートする支援機関として「就労移行支援事業所」があります。

 

就労移行支援では、一般企業などへの就職を目指す方に、必要な知識やスキルなどを身につけるサポートや就職活動をサポートしています。また、就職した後も「就労定着支援」というサービスがあり、働き続けるためのサポートを最長3年でおこなっています。就労移行支援を利用するには、お住まいの自治体への申請が必要になります。

 

就労移行支援事業所によって受けられるサポートの内容が異なりますので、気になる就労移行支援事業所があれば相談してみるといいでしょう。

就労移行支援のサポートについて詳しく聞く

職業訓練と就労移行支援の違い

職業訓練と就労移行支援の違いについて紹介します。

 

大きな違いとして「料金」があります。職業訓練は一部のテキスト代などを除き、基本的に無料で受講することができるうえ、一定の条件を満たす方は給付金や手当も受けられます。一方で、就労移行支援は前年の世帯収入によって利用料がかかることがあり、給付金などは基本的にありません。

 

就労移行支援では「自己分析」「体調管理」「ストレスマネジメント」「コミュニケーション」などのプログラムがあり、働くための幅広いサポートが受けられます。また、職業訓練は長くて1年程度ですが、就労移行支援は基本的に2年まで利用できるため、時間をかけて働くための地盤を作りたいという方にも向いているといえるでしょう。

 

このような特徴の違いがあるため、専門的なスキルや資格を身につけたいか、体調管理なども含めて幅広い取り組みをしたいかなど自身の状態に合わせて選んでいくといいでしょう。

就労移行支援を利用し就職した事例について詳しく聞きたい

就労移行支援事業所「LITALICOワークス」

 

就労移行支援事業所「LITALICOワークス」は障害のある方の「自分らしく働きたい」という思いを大切に、一人ひとりにあったサポートを提供しています。

 

LITALICOワークスは全国に120拠点以上の事業所があり、その事業所によるネットワークを活かし、多数の企業と連携しています。そのため、就職前に実際の職場で働く企業インターンの機会が充実しています。

LITALICOワークスの利用有無を問わず、無料で見学・相談会を実施しています。「職業訓練と迷っている」「無理のない働き方がしたい」「自分に合う職場を見つけたい」などがあればぜひお気軽にご相談ください。

働くことのお悩みをLITALICOワークスで相談する

職業訓練のまとめ

職業訓練(ハロートレーニング)とは就職に必要なスキルや資格取得のための訓練を、基本的に無料で受講できる公的な制度のことです。条件を満たせば職業訓練に参加しながら、給付金や手当を受け取ることも可能で、求職中の生活の助けともなります。

 

職業訓練には「公共職業訓練(離職者訓練)」「求職者支援訓練」の2つに分かれています。それぞれ対象となる方やもらえる手当が異なるため、自身がどちらに当てはまるのかを確認しておきましょう。

 

障害のある方向けの職業訓練や就労移行支援もあります。自分が今後どのように働きたいかを考え、自分に合う就職支援機関を選んでいくことが大切です。相談や見学を実施していることもありますので、迷ったときはそれぞれの窓口に相談してみるといいでしょう。

 

障害があって働くことに悩んでいる方は一度LITALICOワークスまでお問い合わせください。一緒に自分らしく働ける方法を考えていきましょう。

更新日:2024/07/01 公開日:2021/12/01
  • 監修者

    帝京科学大学 医療科学部 医療福祉学科 准教授

    中里 哲也

    EBP(Evidence Based Practice)に基づいたソーシャルワーク支援展開を目指し活動中。
    専門は「医療福祉」「教育福祉」「地域福祉」「人材育成」など多岐に渡る。

関連ページ

まずはお気軽にご相談ください
障害や就職のこと、LITALICOワークスに相談してみませんか?
ちょっとした質問・相談もお気軽にどうぞ。無料でご相談いただけます。
お電話でのご相談もお待ちしています。
受付時間 平日10:00〜17:00

このページに関連する
おすすめコンテンツ

ページトップへ