吃音症は年齢によって特徴が変化するといわれています。この項目では、幼児期、学童期、思春期、成人期にわけて特徴を解説します。
幼児期(2歳〜4歳頃)
幼児期には、音の繰り返し(連発)や引き伸ばし(伸発)の発症が多く見られます。しかし、幼児期に吃音症を発症したとしても、半分以上が小学校入学前に症状がなくなると報告されています。
また、多くの子どもが言葉の発達過程において、スムーズに言葉を話せない状態を体験するといわれていますが、このような場合もすべて吃音と診断されるわけではありません。しかし、なめらかに発声できない症状が頻繁に起こる場合、吃音である可能性があります。
学童期(6歳〜12歳頃)
小学校に通う時期にあたる学童期では、言葉に詰まる難発の症状が多いといわれています。また、上手く話すために、言葉を言い変えたり、工夫を試みたりする行動が始まる場合もあります。
思春期(12歳〜18歳頃)
吃音症の症状が出ないように工夫することが身についている場合「スムーズに言葉を発声できているように見える」こともあります。人によって話さなくてはいけない場面や状況を避ける「回避行動」をとることもあります。
成人期(18歳〜)
18歳以上の方の中の1%に、吃音の症状が残ると報告されています。思春期と同様に「回避行動」をとる方もいらっしゃいます。しかし、日常生活や職場などの社会生活において、「回避行動」をとることが難しい局面も発生しやすくなります。そのため、状況によっては人へ相談したり、仕事上で工夫したりすることが必要な場合があります。
吃音症がある方が意識したい仕事上でのポイントは、後の項目で詳しくご紹介します。