心理検査は大きく分けて「知能検査」「適応能力検査」というものがあります。
知能検査
知能検査とは、物事に対する理解や知識、課題を解決するための認知能力を測る検査です。知能検査は、発達障害の診断というよりは、併存する知的障害を診断したり、認知能力の偏りなどを調べるために用いられます。
知能検査で主に使われるものは「成人用WAIS」です。ほかに「鈴木ビネー知能検査」「田中ビネー知能検査」なども使われる場合もありますが、ここでは「成人用WAIS」について詳しく説明します。
成人用WAIS(適用年齢:16歳~90歳11ヶ月)
世界で広く使用されている成人用の知能検査です。WAISの内容は知識を問う問題や、計算問題、パズルなどで構成されています。WAISを通して、全体的な知的能力(全検査IQ)、言語理解、知覚推理、ワーキングメモリー、処理速度を測ることができます。また全般的なIQだけでなく、個人内での能力のばらつきなどを分かりやすく知ることができるのが特徴です。
適応能力検査
適応能力検査とは、どれくらい社会へ適応能力があるかどうかを見るための検査です。
主に使われるものは「VinelandⅡ(ヴァインランド・ツー)適応行動尺度」です。ほかに「SM(社会生活能力検査)」なども使われる場合もありますが、ここでは「VinelandⅡ(ヴァインランド・ツー)適応行動尺度」について説明します。
適応能力検査「VinelandⅡ(ヴァインランド・ツー)適応行動尺度」
成人用WAISと同様、世界で広く使用されている適応能力検査です。その検査は、ご本人ではなく、ご本人の様子に詳しい保護者など関わる人との面接をおこない、ご本人に必要な支援を考えるうえでの指標のひとつとなっています。
同じ年齢の一般の方の適応行動を基準に、客観的に適応能力を数値化できるようになっています。VinelandⅡ(ヴァインランド・ツー)適応行動尺度を通して、コミュニケーションや社会性、日常生活スキルなどにおいて、どれくらい適応能力があるかを測ることができます。