知能検査を受けること自体がハードル高く感じられるかもしれません。しかし知能検査は、知的障害の診断だけではなく、ご自身の特性への理解を深めるのに役に立ちます。ここでは、知能検査を受けることで得られるメリットをお伝えします。
自分の特性への理解
知能検査では、ご自身のIQと年齢に応じた平均的なIQと比べることによって、自分の特性について理解を深めることができます。
例えば、言語や概念の理解や視覚的な情報の読み取りが得意であるが、音声言語による聴覚的な情報処理が苦手であるなど、個人の能力でのばらつきを知ることができます。
職場での困りごとに対する対処法の検討
知能検査で出た結果をもとに、今感じている働きづらさが、どのような特性(理由)から生じているかのヒントが得られるため、対処法を考えやすくなります。
例えば、知能検査の結果からワーキングメモリー(作業記憶)において耳から入った情報を同時に処理することが苦手であることが分かった場合、業務中の指示方法は口頭ではなく、文字情報(チャットやメール)にしてもらうことで、業務がスムーズになる可能性があります。
周囲の人への説明
信頼関係を前提として職場の上司や仲間へ知能検査の結果を共有することで、周囲に自分の困りごとや働きづらさの背景を理解してもらうことにつながる可能性があります。そうすると自分の苦手な部分を補う工夫や仕組みを取り入れることや、周囲からの配慮を得やすくなることがあります。
このように知能検査を受けることのメリットは、ご自身の特性について理解を深め、働きづらさの対処法を考えたり伝えたりすることで、今よりも働きやすくなる可能性があることです。