障害者雇用で働くことを検討されている方には以下のようなお悩みを持たれている方も多いのではないでしょうか?
「障害者雇用と一般雇用のどちらを選べばいい?」
「そもそも障害者雇用と一般雇用の違いは?」
「自分は障害者雇用で就職活動をすることができるの?」
この記事では、障害者雇用制度の目的や対象者、働く上で一般雇用との違い、企業側と就職者側のメリット・デメリットなどを分かりやすくご説明します。
障害者雇用で働くことを検討されている方には以下のようなお悩みを持たれている方も多いのではないでしょうか?
「障害者雇用と一般雇用のどちらを選べばいい?」
「そもそも障害者雇用と一般雇用の違いは?」
「自分は障害者雇用で就職活動をすることができるの?」
この記事では、障害者雇用制度の目的や対象者、働く上で一般雇用との違い、企業側と就職者側のメリット・デメリットなどを分かりやすくご説明します。
目次
障害者雇用とは、障害のある方ひとり一人の特性に合わせた働き方ができるように、企業や自治体などが障害のある方を雇用する制度のことです。
「障害者の雇用の促進等に関する法律」(以降:障害者雇用促進法)」によって定められており、障害のある方が安定して働き続けることを目的としています。
そのため企業や自治体は、従業員のうち決まった割合で障害のある方を雇用することや、障害のある方への差別の禁止、合理的配慮を提供することなどが義務付けられています。
障害者雇用とは、障害のある方が一人ひとりの能力や特性に応じて障害のない方と同じように働けるよう、企業や自治体が「障害者雇用」という制度で、障害のある方を雇用することです。
障害者雇用促進法によって規則が定められ、それに基づいて各事業主や自治体が実施しています。その目的は「障害者の職業の安定を図ること」とされています。
2018年4月には障害者雇用促進法が改正され、精神障害者の雇用義務化(障害者雇用のカウント対象への追加)、法定雇用率の引き上げ、短時間労働者の算定方法の変更など、障害のある方が自分らしく働くためへの環境整備が整ってきました。
障害者雇用は原則として「障害者手帳」を所持している方が対象となります。
障害者手帳には「精神障害者保健福祉手帳」「身体障害者手帳」「療育手帳」(自治体によって名称は異なります)の3種類があります。
※発達障害のある方は、精神障害者保健福祉手帳の対象となることがあります。
また、障害者手帳を持っている場合は、障害者雇用の求人にしか応募できないというわけではなく、一般求人と障害者雇用の求人の両方に応募することができます。
一般雇用と障害者雇用の違いは、以下の通りです。
一般雇用の求人へは、障害者手帳のあるなしに関わらず応募することができます。
選べる職種や求人数が多く、就職活動する時点では選択肢も多くあります。
ただし、一般雇用は障害のある方を採用を前提としたものではないため、障害に対する理解や配慮が得られない可能性があります。
障害者雇用の求人へは、障害者手帳を持っている方が応募することができます。
面接・入社の際に障害に関する相互理解を図ることで、障害に配慮された働き方がしやすくなります。
障害者職業総合センターのデータによると、障害のある方の就職後の定着率は、障害者雇用と一般雇用では大きく差がついています。
【就職して1年後の定着率】
このように、障害者雇用と一般雇用では障害のある方の定着率が約2倍以上の差がつくことがわかっています。
障害者雇用で働くことはメリットやデメリットはあるのでしょうか。何をメリット・デメリットと感じるかは人それぞれではありますが、ここでは障害者雇用でよく感じるといわれるメリット・デメリットを紹介します。両方を知った上で、自分にはどちらが合うかを考えていくことが大事になります。
障害者雇用の配慮には、慣れるまでは通勤ラッシュを避けた勤務時間にすることや、定期面談で体調の状態を確認することなどがあります。後ほど配慮を受けながら障害者雇用で働く事例も紹介します。
近年、障害のある方を「貴重な労働力」として考える企業が増え、障害者雇用促進法はその動きを後押しするような形で改正を経てきました。
こうした背景には、社会や企業の障害に対する理解が進んだことや企業側の労働力の確保、そして国の障害者雇用に対する政策の推進があります。
その中でも柱となるのが、次の3つの制度です。
民間企業、国や地方公共団体などの事業主に対し、雇用する労働者のうち障害のある方の割合が一定の率以上で雇用するよう義務づけた制度です。
この一定の率は「法定雇用率」といい、法定雇用率は原則5年ごとに見直されることになっており、2019年の法定雇用率では民間企業に対しては2.2%、国や地方公共団体に対しては2.5%となり、今後もさらなる引き上げが予定されています。
事業主に対して、労働者の募集や採用の際に、障害のある人と障害のない人と同じ機会を与えなければならないとしています。
そのため、障害があることを理由に募集や採用の対象から外したり、不利な条件を提示したりすることが禁止されています。
就職後の待遇についても同様に、賃金や福利厚生などの待遇について不当な差別的扱いをしてはならないと定められています。
事業主に対しては、雇用する障害のある方に対する「合理的配慮」の提供義務が定められています。
障害者雇用促進法に定められている合理的配慮とは、事業主が雇用する障害のある方へ、障害の特性に配慮した処置を義務付けたものになります。その人が直面している困難や周囲の環境に応じて、必要な合理的配慮は異なりますが、分かりやすい具体例としては、以下のようなものがあります。
実際にどのような支援を受けることができるのかについては状況によって異なるため、障害のある方と企業側での合意のもと、お互いが無理のない範囲で配慮について話し合うことが大切です。
障害者雇用について紹介してきましたが、この章では実際に障害者雇用で働いている方の事例を見てみましょう。
Aさん:精神障害
適応障害を発症し前職を退職してから5年ブランクがあり、体調を安定させつつ働けるか不安があり障害者雇用で働くことにしました。
受けている配慮:
その結果、Aさんは無理なく働くことができています。
Bさん:発達障害
1度に複数の指示を受けると混乱してしまい、何から手を付けていいかが分からなくなってしまうため、障害者雇用で配慮を受けながら働くことを選択しました。
受けている配慮:
Bさんは、今やることが明確になり、ストレスがなく業務を行えています。
Cさん:知的障害
口頭や文字だけの指示だとイメージが浮かばずに、仕事に取り掛かることができなくなってしまうため、障害者雇用で働くことを決めました。
受けている配慮:
Cさんは指示通りの業務をおこなうことができています。
障害者雇用での応募を検討しはじめたときに「求人はどうやって探したらいいのだろう」「自分に合った合理的配慮ってどうやって整理したらいいのだろう」など疑問が出てくると思います。
そういったときはひとりで進めるのではなく、さまざまな社会制度を活用していくといいでしょう。
ハローワークでは障害者求人を調べることができます。障害のある方専用の相談窓口(専門援助部門)もあるので、そちらで職員と相談しながら求人の選択や面接の設定などを行うことができます。
就職のため、訓練や講習などを受けることができるほか、リハビリテーション計画の作成、職業適性検査など働くための支援を受けることができます。
就労移行支援とは65歳未満の障害のある方を対象として、一般企業などへの就職から職場定着まで一貫的なサポートを提供している、通所型の障害福祉サービスです。
LITALICOワークスは各地で就労移行支援事業所を運営し、障害のある方の「働きたい」をサポートしています。
LITALICOワークスでは一人ひとりの症状や得意不得意、希望する就職などを伺い、計画を立てたうえで支援をおこないます。
例えば以下のようなサポートを行なっています。
障害を開示するかどうかで悩んでいる場合でも、上記のような取り組みを通して自分に合う働き方を就労支援のスタッフと一緒に検討することもできます。その結果、障害を開示せず働くこととなった場合でも長く働き続けられるようサポートをおこないます。
LITALICOワークスは全国に100拠点以上あるため、事業所によるネットワークを活かし、多数の企業とも連携しています。そのため、自分に合う求人を一緒に探すこともできます。
LITALICOワークスは相談は無料で随時受け付けています。「障害者雇用で働くかなやんでいる」「体調優先で無理なく働きたい」などという方は、ぜひ一度お問い合わせください。
障害者雇用は、障害のある方が働き方の選択肢をより広く持つための制度です。
いくつかある働き方から、それぞれのメリットやデメリットを検討しながら、ぜひご自身に合った働き方を見つけていきましょう。
LITALICOワークスではいつでも相談を受け付けています。もし一般雇用か障害者雇用かで働くかについて悩んだり、長く働き続けられず困っていたりする場合は、ぜひ一度LITALICOワークスまでお問い合わせください。一緒に自分らしく働く方法を考えていきましょう。
LITALICO仕事ナビでは全国3000件以上(2023年2月時点)の求人情報を掲載しています。自分の希望条件にあった求人をお探しの方はまずは希望に合う求人を検索してみませんか?
LITALICOワークス コンサルタント
服部 一史
企業の障害者雇用支援に10年以上従事し、社内の受け入れ体制の構築や業務切り出し・オペレーション整備、および特例子会社の設立支援等も数多く担い、企業担当者との接点は2000名以上におよぶ。
著書に「頑張ってもうまくいかない ひょっとして発達障害?と思ったら読む 無理しない働き方」(共著)
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