この章では、LITALICOワークスを利用して就職した事例をご紹介します。
Aさんは前職で営業ノルマやパワハラによるストレスがきっかけで適応障害(適応反応症)を発症しました。その後、退職したのち主治医の勧めで就労移行支援事業所「LITALICOワークス」に通うことになりました。
就労移行支援事業所では、ストレス対処法を身につけるためのプログラムやワークショップに取り組みました。
Aさんは「自己発信」が苦手でストレスとなることがあっても、スタッフや周りの人になかなか言うことができませんでした。スタッフから「週1で振り返る機会を設けてみてはどうか」と提案され、実施することにしました。
すると、Aさんは小さな失敗にも大きなストレスと感じていることがわかりました。スタッフと一緒に一つずつの失敗を振り返っていくうちに「そのときに失敗と思っても後から振り返ると失敗でもないかも」と思えるようになりました。また「失敗のおかげで改善点がわかった」など失敗にもいろいろな面があることも理解でき、ストレスが減ったといいます。
実際に職場ではどうなのかを確認するために、企業インターンに参加しました。Aさんはもともと人と関わることが苦手だったため、人と関わらない仕事を望んでいました。しかし職場実習に参加してみて職場の人から声をかけてもらえない日が続くと「見放されたのでは」と不安になりストレスを大きく感じてしまう傾向があるということがわかりました。
Aさんは、丁寧なコミュニケーションがとれる職場環境が自分に合うとわかりました。また自己発信が苦手なため、1日1回は上司と話す機会を設けることが長く働き続けるために必要な配慮だと気づくことができました。
就職活動では、スタッフから企業に「企業インターンをしたうえで面接できないか」と相談したところ、その企業から了承を得られ、選考前に職場インターンを実施しました。
その結果、Aさんは大きなストレスを抱えることがなくスムーズに業務を進めることができたこと、そしてAさんが丁寧に仕事を進めてくれていると企業側も感じたようで、双方の理解が進んだのちに入社を決めることができました。
転職先では「毎日上司と朝礼・終礼をする」ことをサポートとして相談したことで、Aさんはストレスを感じることも少なく安心して働き続けられています。
※プライバシーの観点から事実を再構成しています