ここでは、不安障害のある方がLITALICOワークスを利用して無理なく働ける職場を見つけた事例を紹介します。
Iさんは大学時代、人前で発表する機会が多くあったものの、そうした場面に苦手意識がありました。発表するときは汗が止まらず言葉が震え、うまく発表できなかったことも多かったといいます。そのことがきっかけとなり、大学に行けなくなり、自宅に引きこもるようになりました。
その後、精神科を受診したところ、「社交不安障害」と診断されました。診断後Iさんは精神科デイケアで認知行動療法などのプログラムを受け、自分の症状と向き合うことができました。
精神科デイケアに2年ほど通ったあとにスタッフから「そろそろ本格的に社会復帰を目指しては?」と言われ、今度は就労移行支援事業所「LITALICOワークス」の利用を開始しました。
Iさんはこれまでの職歴がなく、働くイメージがわかなかったため、就労移行支援事業所「LITALICOワークス」では自分に合う仕事をスタッフと一緒に整理しました。自己分析やワークショップなどを通じて、事務職が自分にあっているのではないかと考えるようになりました。事務職とひとことで言ってもさまざまな業務があり、また職場環境もさまざまです。職歴のないIさんは、複数の企業へのインターンシップを通してさまざまな業務に取り組みました。その中でIさんは「電話対応」について、緊張が強く出るため対応が難しいと気づくことができました。
そこで就職活動では電話対応が苦手なことをあらかじめ伝えました。また就職前に、その企業でも実際にインターンシップで働いてみるという工程を経て、実際にIさんが働くうえで支障がないかどうかを確認しました。
その結果、本人はここなら働けると感じ、企業側もIさんは活躍できる人材だと感じたようで、電話対応がない職場へ見事就職を果たしました。
Iさんは就職後も就労定着支援のサポートを継続して受けており、定期的に就労移行支援事業所のスタッフと面談をおこない、Iさんらしく仕事を続けることができています。